元来、物理学の歴史は単に発明・発見の物語ではなく、すべての歴史と同じく、生きた人間と自然界との係り合いが重要である。本書は、自然についての知識を人間がどのように汲みとり、それを生活に社会にどのように応用してきたかといった物理本来の意味を基礎におきながら、物理学が芽ばえた古代文明期から論を起こし、20世紀初めの相対性理論や前期量子論に至るまでを、実に要領よく簡潔にまとめた秀逸の物理学通史。
ある夜、ベランダで星の観察をしていた達郎の目の前に、宇宙船があらわれた。乗っていたドルオーテと名のる異星人(宇宙人というのは古いのだ)は、はつかねずみを一ぴき、用意してほしい、という…。小学校中級から。
「天井だって?征服だって?」みんなは熱いまなざしで、天井からぶらさがったレバーソーセージや、サラミソーセージを見上げ、それを手に入れたときのことを考えてみた。ネズミたちは、せっせと積木をはこび、つみかさね、のびをして、さらにその上につみあげた。四日目、塔はついに、テーブルの高さまでいった。八日目には、電灯の高さにまでたっした。計画は、うまくいきそうだった。ところが…。小学3・4年生から。ドイツ児童図書賞受賞。
はりねずみのピックルは、いつもひとりぼっち!ある日、いもむしのフローラと友だちになったのに…。
将軍膝下の江戸城にあって幕政参加の野心を抱いていた松浦清は、猟官運動までした甲斐も空しく、夢果すことなく47歳の若さで隠居。それより82歳で没するまで、本所平戸藩下屋敷で、静山を号し、悠悠自適の余生を送った。この隠居暮らしのなか、幼馴染の林述斎の勧めで、静山はその博識と、大名から出入り職人にいたる多彩な情報源をもとに、膨大な随筆『甲子夜話』を執筆、江戸の実相を生き生きと書き留め、今日に伝えた。
この物語は、コーンウォール地方の昔話からうまれました。
ヒトと全面的に生活を共にするイヌ、自分に都合のよいところだけヒトから恩恵を蒙るネコ、どれほど嫌われ駆逐されてもヒトに頼って生きるネズミ…。私たちにとって最も身近な動物とヒトとの関わり方は、三者三様に類似点と相違点とを持つ。本書は、著者がこれまで、動物の飼育・観察・研究に携って来たなかで遭遇した、イヌ・ネコ・ネズミの具体的な行動から、私たちがなかなか気がつきにくい側面を採集した、心暖まる逸話集である。
書物は、学者としてのわれわれの生活の源泉であり中心である。そのような源泉に対する論評は、できるかぎり発展的で啓発的なものであらねばならない-。こうした姿勢のもとに、進化生物学の第一人者が、科学と思想をめぐる18冊の書物を足がかりに、現代科学と社会がはらむさまざまな問題に鋭くメスを入れる。あるときは、野生のパンダの生態観察記録から生物進化の知られざるメカニズムを解明し、またあるときは、異端の科学者たちの苦闘のなかに科学の進むべき新たな道を探り、過熱するIQ論争のなかにひそむ差別の構造を暴き、人間社会生物学の危険性と欺瞞を的確に指摘する。生物学者のユニークな視点から文化と社会を透視しつづける鬼才グールドが、その真骨頂を発揮した異色のエッセー。『フラミンゴの微笑』に続く好評シリーズ第5弾。
今は人間が地球を征服しているけれど、次にはネズミがとってかわるかもしれない。いやそれがゴキブリでもいいのだ、人間が今地球上に大発生しているのは、人間が特別な動物だからではない。大発生も絶滅もすべての動物に起こりうることなのだ。人間もネズミも、個体として互いに競争し維持されていく「種」、「種」とはいったい何なのだろうか。
太陽や風といったスケールの大きなものと小さなねずみとの対比のおもしろさ、奇想天外なお話の展開に、読者はぐいぐい引き込まれていきます。やがて、ぐるりめぐりめぐって、やっぱり理想のおむこさんはねずみだったという結末に、子どもたちはほっとひと安心。いつの時代も、子どもたちの心をとらえてしまうお話です。