将軍徳川家に恨みをもつ盗賊葵小僧と元池田、鍋島、尾張家の浪人たちは、11代家斉の暗殺を企んでいた。探索の密命を受けた若き日の遠山金四郎は、怪盗鼠小僧次郎吉を相棒に選んだ。ニヒルな次郎吉に、天下一の男になれる生き甲斐のある仕事を。しかし懸命の追跡もむなしく、葵小僧はこれみよがしの残忍凶暴な犯罪をくり返した。傑作時代推理小説。
江戸へ出没し残忍なやり口で商家を襲う葵小僧。対抗策に窮した金四郎は、かねて面識のある千葉周作、間宮林蔵、安藤広重、柳亭種彦、渡辺崋山、高島秋帆、大塩平八郎、大原幽学ら8名を集め、将軍暗殺を阻止する策を練った。しかし中の一人がニセ者だという疑惑が…。襲撃が予想される、将軍の増上寺参詣の日が迫る。推理小説の手法を駆使した傑作時代小説。
今は人間が地球を征服しているけれど、次にはネズミがとってかわるかもしれない。いやそれがゴキブリでもいいのだ、人間が今地球上に大発生しているのは、人間が特別な動物だからではない。大発生も絶滅もすべての動物に起こりうることなのだ。人間もネズミも、個体として互いに競争し維持されていく「種」、「種」とはいったい何なのだろうか。
森の子ネズミたちは、としよりネズミからきいたおばけに会いたくなりました。おばけと友たちになるには、テストにごうかくしなければなりません。月の夜、とうとう、まんまる、ふわふわの、とてもかわいいおばけと会うことができました。子ネズミとおばけの、こわくて、たのしいお話。
戦争で片脚を失い竹細工職人として寡黙に生きた父。美しいが土地の言葉を話さず、よそよそしかった母。いじめられた少年時代の孤独な日々の思い出。そして反権力を叫んだ紛争世代の決定的な裏切りの記憶。弱者としての自分を切り捨て、外資系企業の有望な管理職を務めるまでに十分な生き方を手に入れていた納屋増夫が、大学医学部のスターと謳われる旧知の男と再会した時、その華やかな転身と裏切りは許しがたいものとして映った…。
本書は、ボルト締め、タイヤ形軸継手、オイルリング式固定軸受、フランジ形玉形弁、貯湯槽の各設計図例とその仕様を示し、設計図に表現されている機械や機械部品が、与えられた仕様を満たしているかどうかを検算する方法を解説したものです。また、設計図例を自身の手で描くことによってその内容を深く理解すると同時に、便覧や規格の設計情報の利用法を習得することを目標にしました。大学や高専、専門学校の機械系の各学科において設計製図を学ぶ諸君や初級の機械設計技術者のテキスト・参考書に最適です。
“一日だけのてんらん会をひらきます。どうぞ、みなさんでおでかけください。”クリの木に、こんなポスターがはってありました。森のなかでは、ヒメネズミたちが、たのしそうに歌をうたいながら、作品づくり。“森のネズミの美術館”でひらかれる、おもしろいお話。
亀が鳴く話、カメレオンを食卓に飾った話、羊の座布団尾、陽貴妃の乳房、朝鮮がらすの思い出-。古今東西の事象に旺盛な好奇心を持つ動物好きの元外交官が、海外滞在中の体験と古事記、神話、聖書などから引いた多彩なエピソードを、ユーモアたっぷりに綴る。日本エッセイスト・クラブ賞受賞作。
「おたんじょう日、おめでとう!」ネズミちゃんの声に、女の子はびっくりしました。「あのね、山でみんながまってるの。おたんじょう会するために。」女の子の顔がかがやきました。年に一どの、大切な日をネズミちゃんたちが祝ってくれるのです。ふしぎで、楽しい話。
生まれ年の十二支のどうぶつをはじめ、きつね、たぬき、かっぱなど、たくさんのどうぶつがでてくるおもしろいことわざがいっぱい。
私立探偵、伊賀光二。職業柄、数々の危険な目に遭ってきたが、決して屈しないタフな男である。元女優志望の坂部順子を探偵業の助手とし、公私共に気楽な生活をしている。根っから女好きの彼には、個人的趣味から生じた副業があった。陰毛による相性占いである。勿論女性の客しか占わない。ある日、人気スター女優の谷有香里から本業である探偵業の依頼を受けた。美しく魅力的な大女優の姿を眼の前にして浮かれる伊賀には、これから自分が巻き込まれていく恐ろしい事件の全貌など想像もつかなかったのだ…。