昭和8年。東京近郊の梅広町にある「月辰会研究所」から出てきたところを尋問された若い女官が自殺した。特高課第一係長・吉屋謙介は、自責の念と不審から調査を開始する。同じころ、華族の次男坊・萩園泰之は女官の兄から、遺品の通行証を見せられ、月に北斗七星の紋章の謎に挑む。-昭和初期を雄渾に描く巨匠最後の小説。
昭和8年の暮れ、渡良瀬遊水池から他殺体があがった。そして、もう一体。連続殺人事件と新興宗教「月辰会研究所」との関わりを追う特高係長・吉屋謙介と、信徒の高級女官を姉に持つ萩園泰之。「『く』の字文様の半月形の鏡」とは何か?背後に蠢く「大連阿片事件」関係者たちの思惑は?物語は大正時代の満洲へと遡る。未完の大作。
目で見てわらったら、声にだしていってみて。耳で聞いてわらったら、自分でもつくってみて。
アラジンは、ひとめ見たお姫さまにたちまち心をうばわれてしまいました。家に帰るなり、おかあさんに、お姫さまなしでは生きられない、どうか皇帝に結婚を申しこんでくれ、とたのみました。お母さんは思わずわらいだしましたが…。アラビアンナイトの華麗なファンタジーを、イメージの魔術師ル・カインが彩りあざやかに絵本化しました。
世界のむかしばなしのなかから選んだゆかいなお話を、楽しい絵で贈りますー「おばあさんとぶた」「くぎスープ」「五本のゆびさん」「いたずらおばけ」などのお話14編を収録。4歳から小学校低・中学年向。
十九世紀末、先進、躍動、享楽、芸術、退廃が渦巻く幻想都市パリ。熱烈なる十九世紀愛好家である鹿島教授が、その風俗・事象の変遷を、パノラマ風に紹介する。サン =シモン、フーリエのユートピア思想にも言及しつつ、ノスタルジー溢れるパリと現代のパリが交錯する刺激的エッセイ。写真・図版百余点収載。
本書は、自閉症に対する支援の方策について医療、家庭療育、保育、学校教育、就労、福祉といった一生涯(ライフ)にわたる支援(サポート)についてどのような取り組みを行えばよいかについて、その方法を提示した。
杉原爽香、二十八歳の冬。爽香は、勤務先Pハウスの入居者で女優の栗崎英子とコンサートに出かけた。が、英子と旧知の仲の歌手・喜美原治が体調を崩し中止に…。一方、爽香の恩師・河村布子は、夫・太郎が家を空けがちなのに悩んでいた。刑事の夫は、事件で知り合った女性と交際しているのだった。登場人物が読者とともに年齢を重ねる画期的シリーズ第14弾。