この今を生きている私の『生き様』。全国どこにもあるような田舎町・島根県浜田市からの発信。
偉大な芸術を生み出した原動力は何か、奇行奇癖の人間像について、女体遍歴と貧乏伝説、なぜ九十三回も引っ越しをくりかえしたのか、なぜ彼は長寿だったのか。その健康法…葛飾北斎の全てが解る。
敗戦後六七年…、海軍上等飛行兵として終戦を体験した、あのとき一五歳の、百里海軍飛行隊での武装解除という仕事のやるせなさ。情けなさ。敗戦の責任は痛感した。今、著者は八十一歳の九九翁となってこの場所にいる。連れ添った妻は昨年の一一月一一日、一〇八日入院の後、七八歳で亡くなった。著者は空虚の中でこの旧稿、敗戦後五〇年の節目の覚書あるをふと思い出し筺底から取り出し、埃を払って出版することにした…。
矢次敏による膨大な知のコレクション。さまざまな作品世界が次々に立ち現れ、私たちに微笑みかけてくる。微笑する文章、掌編の数々。