〈ウロボロス〉の手に落ちた学都惑星那藜から、命からがら脱出したリリエンスールたち。O2のはからいで、連邦宇宙軍の護衛付きで、いよいよラフェール星系へむかった。ラフェール人復活計画を実行に移すのだ。だが、執拗な〈ウロボロス〉の魔の手は行く先々で、一行を待ちかまえていた。シオがさらわれ、ジョナサンも傷ついた。そしてシタン病に冒かれたマリリンは一歩一歩死に近づいていた。彼らはめざすラフェール星系で、封印を解くことができるのか。いよいよ佳境、華麗なるスペース・オペラ。
亜熱帯から冷温帯まで、日本列島のもつ風土の多様性を、第一線フィールドワーカー達が語る。
昭和34年、荷風散人逝く。享年79歳。時に夷斎石川淳、60歳、「一箇の老人が死んだ」に始まる苛烈極まる追悼文「敗荷落日」を記す。融通無碍の精神と和漢洋に亘る該博な知識とに裏打された奔放自在な想像力、一貫する鋭い反逆精神。「安吾のいる風景」「三好達治」「京伝頓死」「秋成私論」「本居宣長」ほか中期評論エッセイ24篇。
21世紀、十字軍華やかなりし時代のスペイン。キリスト教徒とイスラム教徒がイベリア半島の支配権をめぐってしのぎをけずっている。ユダヤ人イェフダ・イブン・エズラは、イスラム文化栄えるセビリャから、キリスト教勢力が支配するトレドに赴く。カスティリア王アルフォンソ8世の財政顧問として国を豊ませ、トレドに住むユダヤ人をキリスト教徒の迫害から守るには、なんとしても国内の平和を維持しなければならない。イェフダは、血気はやるアルフォンソを戦から遠ざけるため、最愛の娘ラケルを王に捧げる。可憐なラケルとアルフォンソは、7年のあいだ愛の生活にひたる。しかし英国王ヘンリーが逝去すると、スペインにはいよいよ戦雲がたれこめてくる。アルフォンソは、ラケルの愛とイェフダの知恵を捨て、イスラム勢力に戦いを挑むが…。
星霜移り明治16年。ガス燈けぶる銀座の片隅で絵草紙屋を営む傍ら、出獄人保護所の善行に身を投じるか弱き乙女ふたり。有象無象の荒くれ共からこの秀麗な姉妹を守るため、十字架にも見て取れる十手1本首にさげ、戦う快男児・原胤昭。だが、運命の時は来た。2度と渡るまいと心に誓った牢獄島に、胤昭が囚人として渡ることになろうとは…。鬼畜の如き極悪人が、残された姉妹を目指す。鳴呼、願わくば清きふたりに神仏の加護賜らんことを。虚実混沌、揺れ動く近代日本漿明期を舞台に展開する奇想天外の物語。日本免囚保護の父と謳われる原胤昭の生涯を綴る伝奇小説の金字塔。
本書は、理工系学生が専門基礎課程で習得しておくべき微分方程式の入門的解説書である。
本書は、今日の環境問題について、自然科学・社会科学を含めた多くの学問領域からアプローチし、問題点を明らかにしながら、環境教育の意義とその進め方を具体的に示している。