江戸幕府を翻弄した天下の大盗賊・日本左衛門。狙う相手は金持ちばかり。庶民に金をまくので、義賊という評判もたつ。従うは一騎当千の若者たち。弁天小僧菊之助、南郷力丸、赤星十三郎、忠信利平。これが世間に名だたる白波五人男だ。お上に楯つき、お尋ね者となった男たちの運命はいかに?この小説は、ある日、何を思ったか日本左衛門が、自首してしまったところから始まる。
「お祈りするけど、やっぱりこわいの」白血病とその苛酷な治療と闘う少女の声は、終末において医療現場と宗教とそして家族が何をなしうるか、何をなすべきかを問う。感動のノンフィクション。
言うに言われぬ熱い招きに、旅立つ男と、そして女。じっと目を凝らし耳を澄ませば、導きのしるしは二人の行く手に点々とあり…。燃え立つ探求のドラマ。
妾奉公の旦那に死なれ、わずかな手切れ金で縁を切られたお浪は、生活に困窮した家族を救うため、生まれたばかりの娘を里子に出し、洲崎の遊廓に身を売ったが…。明治末の東京を舞台に、薄幸の美女の懸命に生きる日々を、情緒豊かに描く名編。
叙情豊かな版世界をその独自の様式と多彩な表現方法により数多くの傑作に結実。我が国現代版画界の重鎮萩原英雄。その代表的作品53点をオールカラーにて収録。
己の内面を真っ直ぐに刻み続けた「木版画の詩人」清宮質文。版のもつ独自の美を追い求め、精魂を尽した摺は、一枚、あるいは数枚しか摺られなかった作品が多い。愛好者に秘蔵された作品を新たに撮影し、多くを原寸で掲載した。
家庭料理は、手早く作れておいしいこと、経済的で栄養バランスがとれていることが基本となります。それを支えるのは、家族への愛情です。そんな家庭料理のうち、おすすめしたい洋風おかずをまとめたものがこの1冊です。
本書は身近な具体例をあげながら、力学的な振動・波動について平明に説いた入門的解説書である。単振動・強制振動などの振動の基礎から、波動の種類・諸性質を詳しく述べ、さらに、棒・板・弦などの物体の振動、そして音波全般について解説する。また、随所にエピソードや身近な話題、練習問題を盛り込み、興味深く学べるよう配慮されている。
モボとモガの街銀座、庶民の町浅草の賑わい、吉原・洲崎遊廓、カフエー街、2・26事件、東京大空襲、焼け跡の闇市、MP…。ライカ片手に戦前〜敗戦直後の東京の街角をスナップして歩いた警視庁カメラマン・石川光陽の秘蔵写真で再現する懐かしい東京。
19世紀の産業の振興によってパリに次々につくられたパサージュは、ガラス屋根でおおわれ、両側に商店が立ち並ぶアーケード街である。19世紀半ば以降、オースマンによるパリ改造によってブールヴァールが通され、パサージュはすたれた。この19世紀の商品世界の遺物ともいえるパサージュや変貌したパリに残るさまざまな過去の痕跡から、ベンヤミンは独自の思考を書きつらねていく。
本書では、人間性の進化を実現することを目的に、理性を中核とした近代の人間観を批判し、感性を人間の本質と考える感性論哲学の新しい人間観を提示した。
本書は、Pascalを平易に説明した解説部分と、文法を簡潔にまとめた報告部分の2部から構成されている。この版では、ISOの改訂にあわせ、符号なし実数、テキストファイル、手続きRead、および基準準拠の処理系の定義などを変更している。
野性,それは限りない優しさ。自然が自然であった時代、北の奥地に共に生きた犬と人間の奇しきドラマ。
数学と数学者が、古代から現在まで、人間の歴史と文化とどのようにかかわってきたか。森流人生論を加えた、おもしろ数学談義。
徳川治世転覆を狙う森宗意軒の大陰謀に対決しうるのは十兵衛のみ。生前の剣豪の面影など微塵もなく、殺戮マシーンと化した「転生衆」たちの凶刃に如何なる技で立ち向かうか。忍法帖の金字塔、壮絶無比の大死闘は、いよいよ最高潮に。
偏屈で漁師たちから恨まれている網元が、突堤の先端で射殺された。犯人は、どんなトリックで被害者を前から狙撃したのか。書下し表題作「見えない風景」ほか全5篇収録。放浪探偵・呪師霊太郎、映画探偵・相司卓間、そして謎の路上探偵…山田ミステリの名探偵が総登場でくりひろげる華麗な謎と論理の競演。著者初の本格ミステリ短篇集。
ニューロとファジィの思想は、これまでのコンピュータの手法の対極にあるともいえる。一方、これらの思想は異なるとともに相補う面も強く、融合の研究も盛んである。本書はこの状況をふまえ、それぞれのエキスパートがその基礎から融合までを、最新の動向を含めて丁寧に解説している。