「いろいろな徴候から、晩飯を食うのもあと1000回くらいなものだろうと思う」-飄々とした書き出しから始まり、端倪すべからざる死生観を開陳した表題作ほか、「アル中ハイマーの1日」「少年時代の読書」「昭和の番付」などを収録。巧まざるユーモア、独創と卓見にあふれた随筆集。
第二巻には、風太郎現代ミステリ唯一のシリーズ探偵・荊木歓喜の登場する八短篇と一長篇を収めた。荊木歓喜は新宿のボロアパート、チンプン館に住む酔いどれ医者。売春婦の堕胎を専門とするこの先生は、蓬髪肥満で片足が不自由、頬には大きな三日月傷があるという怪人物だが、抜群の推理力の持ち主で、ヤクザや売春婦のみならず、警察からも一目置かれる存在である。日本ミステリー文学大賞第4回大賞受賞記念。
七十七歳の卯木督助は“スデニ全ク無能力者デハアルガ”、踊り子あがりの美しく驕慢な嫁颯子に魅かれ、変形的間接的な方法で性的快楽を得ようと命を賭けるー妄執とも狂恋とも呼ぶべき老いの身の性と死の対決を、最高の芸術の世界に昇華させた名作。
ウィーン・フィルやベルリン・フィルの素晴らしい音色は、楽員たちのどんな苦心によって磨かれ、華やかなコンサートの舞台裏では、どんな人たちがそれを支えているのか。日本を代表する指揮者として第一級のオーケストラの素顔を見てきた著者が、『楽譜の風景』に続き、興味深いエピソードをまじえつつ、その表情を軽妙な筆致で描き出す。
島原の乱に敗れ、かろうじて生き延びた天草側の軍師、森宗意軒は、幕府への復讐を誓い、死者再生の秘法「魔界転生」を編み出した。それは、現世に不満を抱く希有の生命力の持ち主を魂だけ魔物にして蘇生させるという桁はずれの超忍法だった。これにより次々と魔界から蘇る錚々たる武芸者達。彼らを操り、紀州大納言頼宣をそそのかした森宗意軒は、さらに由比正雪を手先として本格的に幕府転覆に乗り出した…。驚愕と戦慄の連続。息もつかせぬ展開。天才山田風太郎の最高傑作。
故郷多摩より、血風の京の都、終焉の蝦夷地へ。名作『燃えよ剣』『新選組血風録』の舞台を辿る。作家は若き隊士たちの世界をいかに描き出したのか。
室生家十八代次期当主、室生邦衛、二十一歳は世が世ならお殿さまと呼ばれる男である。特技は一瞬の恋。しかも相手選ばず、所構わず…。そんなマイウェイ男の幼馴染み・滝沢明人の悩みは、自分に対する邦衛の異常なまでの独占欲だ。友人が明人の肩に触れることも許さなければ、自分のデートにまで連れていくのだ!!俺っていったい何!?日々、邦衛に振りまわされる明人に明るい未来は訪れるのか?不条理ラブ登場。
愛にもお金にも強くなれる。テレビ番組で実証された驚異の占術の秘密、初公開。
ある日、マコトたち電子探偵団員にメールが届いた。それは謎の国際的謀略組織、ビネガー6からの挑戦状だった。5人はパズルを解きながら、風浜のいろいろな場所であやしい6人と次々に対決する。町を舞台にしたリアルRPG=風浜クエストのはじまりだ!レイの少女時代の冒険&謎解きストーリーもじっくり読めて、たのしさいっぱい!小学上級から。
本書では、一年を通した自然風景の変化と写真撮影のための手引きに重点を置き、朝夕の時間や平地から山岳までの高度の変化などを踏まえた風景の切り取り方を紹介しています。