暮らしより大切なものがある人間は、いかにして暮らせばよいのだろうか。
好きなものを好きなところで好きなときに食べる。個人の自由を突き詰めたとき、家族はどうなっていくのかー。類を見ない綿密な食卓調査が明らかにする、超「個」社会の現実。
幻法びるしゃな如来に呪われた12人の剣豪対若き忍者の闘い!
海外へ旅行した時に写した写真を並べて、思いついたことを書いてみました。
東北の一村がいま奇怪な勢力に狙われる。古代、蘇我氏に敗れた物部氏一族が東北にとてつもない秘宝を封じ込んだという。それを守る物部の末裔に対し、秘宝奪取に権力と暴力を使える巨大組織が襲いかかる。村人の主緋星幸丸は自分が秘宝の鍵を握るると自覚、仲間と共に絶望的戦闘に決起する。伝奇超大作。
ひとつの殺人が善良な人々の運命を次々に狂わせていく。問題作。気鋭の社会派女流作家が満を持して世に問う会心作。
美貌の少年奴隷をはさんで争いながら南イタリアを放浪する2人の青年を中心に、好色無頼の男や女が入り乱れる。小説『サテュリコン』はまさに古代ローマの爛熟が生み落した「悪の華」だ。とりわけ、奴隷あがりの成金富豪が催す〈トリマキオンの饗宴〉の場面は古来有名。セネカの諷刺短篇『アポコロキュントシス』を併載。
フェザーンを占領し、宇宙統一の野望を一歩前進させたラインハルトは、同盟へ向けて進攻を開始した。元首なき同盟では、イゼルローンにいるヤン・ウェンリーに局面打開を一任する。イゼルローンを捨てる決意を固めるヤン。ついに巨大要塞は帝国軍の手に墜ちた。だがラインハルトの攻撃はとどまらなかった。ヤン・ウェンリーを倒さない限り、宇宙の完全征服はありえないのだ。迎え撃つヤンに秘策はあるか。
気象精霊ーそれは天気を操って、その星に住む生物にやさしい環境を作ってくれるありがた〜い精霊さん、のハズである…。7月の暴風雨を治めるべく派遣されたのは風使いのミリィ&参謀のユメミ。しかし荒れ狂う風とあり続ける豪雨は止まることを知らず、地上の災害は拡大し続けるばかり。果たして気象精霊のコンビは異常気象の原因を解明し、空の平和を取り戻すことができるのか。あまたの精霊たちを巻きこんで、くりひろげられるどんちゃん騒ぎ。飛びかう力と技、そして転げ回る酒ビン!?第8回ファンタジア長編小説大賞、審査員特別賞受賞作。
万朝報の売上げを伸ばすため仕掛けた暗号とは(表題作)。漱石の文体模写をした『牢屋の坊っちゃん』、牛鍋屋チェーンの木村荘平が始めた火葬場のこけら落としは誰に(『いろは大王の火葬場』)。幸徳秋水を四分割して描いた『四分割秋水伝』の4篇を収めた短篇集。『明治暗黒星』併収。
慶長15(1610)年、駿府で生れ育った伊勢山田の神主・山田仁左衛門長政は御朱印船で長崎を出港、高山国(台湾)から黄金の都シャム(タイ)のアユタヤに渡った。シャムの女性と結婚し、国王の親衛隊として頭角をあらわし、やがて日本人でありながら、シャムの王族にまで登りつめた一代の快男児・山田長政の波瀾の生涯を描く。
司馬遼太郎という作家の大いなる魅力のひとつに、その話術の妙がある。歴史に対する深い造詣から紡ぎ出される数々の興趣つきない逸話は人の心を捉えて離さない。ここに収めたものは全集第1期の月報のために語り下ろしたものと「雑談・隣りの土々」という表題の雑誌連載から三篇(『司馬遼太郎の世界』所収)である。
鴉がしきりに鳴く…。茫々と薄墨に染まる木津川の河原に一人の男があおむけに倒れていた。抜きはなった刀身は血ぬられ、脳天から鼻ばしらに絹糸のような刀のすじが見える。「こんなことが!我らの殿をかくも見事に斬るとは!」。死者は天下無敵の剣豪・柳生十兵衛であった。が、開かぬはずの方の目がかっと見開いていた!室町と慶安を舞台に250年の時空を超えて飛び交う柳生十兵衛二人ー満厳と三厳。剣の奥儀と能を媒介とした壮絶無比の大幻魔戦。伝奇小説の大御所が放つ畢生の大傑作。