日夜泣き、笑い、怒り、そして喜ぶ。時には叫びさえしながらわが道を生きる、全国の地方記者たち。これは、家族をトリデに地域愛に燃え、今日も事件を追い、町ネタを拾い続ける、そんな名もない一記者の実録証言日記集である。
今日はみなとまつり。たくさんのふうせんがおどっています。くじらのボンは、ふうせんをみんな、のみこんでしまいました。すると、あららっ?ボンは、ふうせんくじらになって、空にうかんでいます。4〜6歳向。
近年飛躍的発展を遂げてほとんどその面目を一新した場の量子論ー特にゲージ場の量子論の解説書である。基本的なところから詳しく説明されているので、量子力学の初等的予備知識で十分理解できる内容となっている。
三国争闘の状態は、呉の脱落によって蜀・魏決戦の様相をみせはじめる。ともに天下一統の野望に燃える蜀・孔明、魏・司馬懿の両雄が、大軍を擁して五丈原に対決する。知謀のかぎりをつくし、戦なき戦をたたかいつつ日時を過ごすが、ついに運命の八月中秋、稀代の英傑・孔明は、雄図をはたしえないまま陣没。五十四歳の生をおえる。司馬は炎に至って晋を建て、天下統一を実現、さしもの乱世もここに終わりをつげる…。
ヨーロッパ近代が生んだ遠近法と中心がたえず移動する日本特有の空間。視線の差異の発見と再発見、野性空間・田園・都市における風景観念の比較を通して、主体ー客体2元論たる近代景観論の解体を論じ、ポスト・モダンの風景=〈造景の時代〉を予見する。
「狼は哲学者だな。戦闘に熟達しただけのコマンドじゃない」傭兵がつぶやく。その「狼」に立ち向かうため、石本一幸がペルーにもどってきた。アフリカで血を吸ったナイフを携え、戦争のプロフェッショナルを伴って。憎悪と友情、硝煙と血を描いて、物語はクライマックスを迎える。
本書は、具体的な計算例を多くとりいれることにより、抽象的な概念を理解できるように解説されている。将来、数学を道具として使う人のための、楽しく学べる入門書である。
現代の数学の各分野において重要な基本概念となっている位相空間論の自習用参考書である。既存のテキスト、演習書などにある問題を調べ、また著者の大学での講義や演習で出題した問題を分類・整理し、基本的かつ重要なものを精選し載せてある。
取材のために訪れた向島は玉の井の私娼窟で小説家大江匡はお雪という女に出会い、やがて足繁く通うようになる。物語はこうして〓東陋巷を舞台につゆ明けから秋の彼岸までの季節の移り変りとともに美しくも哀しく展開してゆく。昭和12年、荷風(1879-1959)58歳の作。木村荘八の挿絵が興趣をそえる。
戦国末期、天下の傾奇者として知られる男がいた。派手な格好と異様な振る舞いで人を驚かすのを愉しむ男、名は前田慶次郎という。巨躯巨漢で、一度合戦になるや、朱色の長槍を振り回し、敵陣に一人斬り込んでいく剛毅ないくさ人であり、当代一流の風流人でもあった。そして何より、自由を愛するさすらい人でもあった。故あって、妻子を置き旅に出た男の奔放苛烈な生き様を描く時代長編。