ディジタル情報を様々な障害・雑音から保護するための基幹技術が誤り訂正技術であり、誤り訂正技術に理論的な基盤を与えるのが符号理論である。本書は、符号理論の基礎について、定義、定理ばかりでなく、例をあげて解説した入門的なテキストである。まず、ブロック符号の基礎的概念を説明し、符号理論に有用な代数的な枠組みを与える。次に、線形符号の符号構成法および復号法について行列を用いて記述し、巡回符号、BCH符号とReed-Solomon符号、代数的復号法について解説する。さらに、ブロック符号の重み分布と誤り訂正能力の上界式と下界式、積符号と連接符号の構成についても説明を加える。
世紀末に甦る渇望の文学!異彩を放つ高橋たか子の文学世界に光を当てる多角的な“書き下ろし”論集。
1991年10月から96年2月12日付まで、現代社会をするどく省察。「ひとびとの心」の在りようを語り、二十一世紀に生きる日本人への痛切な思いと愛をこめて、今甦る著者の最後のメッセージ。
今、食の根幹で何かが失われようとしています。食まわりの季節の移ろいをこまやかに受けとめる、旬を意識した心。食情報のにぎにぎしさに反して、実際の台所仕事としての料理離れ。これらを引き止めるために、新たな合理性が必要なのではないでしょうか。料理研究家としての長年の経験の中で感じていること、体得した知恵のいろいろを、雑誌「ミセス」「料理王国」連載分をもとに提案します。
本書では、アメリカと日本の関係を主軸として、いま世界が置かれている状況を分析し、アメリカ経済の危機の本質を明らかにしていく。そして、この日本の危機、世界の危機を回避する、すなわちアメリカの破綻を救うことのできる国は、世界中で日本しかないことを明らかにしたい。
本書は、新しい構想にもとづく現代的な熱力学のテキスト・参考書である。熱力学をできるかぎり見通しよくかつ論理的に理解することを目指し、伝統的な方法とは異なるアプローチをとる。すなわち、マクロな仕事を主役にする操作的な視点から熱力学全体をとらえ、等温での操作(第二法則)と断熱下での操作(第一法則)をそれぞれ議論したあと、両者を統一する枠組をさがすことで、自然に熱力学の全体像に到達する。理解が困難といわれるエントロピーについても、「エントロピー原理」を中心に明解で生き生きとした位置づけを行なっている。初学者はもとより、すでに熱力学を学んだ読者にも深い理解が得られる最適な書である。
北海道のアイヌ語地名辞書、現地調査と旧記・旧図とともに約2000項目の地名を解き明かした辞典。地名は北海道の海岸を石狩川の河口から時計回りの順で配列。片仮名のアイヌ語表記を見出し語とし、各項目は地形の解説と語意、これまで立てられた地名の説、アイヌ語の語義を含めた解説などをしている。地形の略図を添付し、巻末には片仮名とローマ字による地名の索引を付す。
古代中国2000年のドラマをたたえて読み継がれる『史記』。中国歴史小説屈指の名手が、そこに溢れる人間の英知を探り、高名な成句、熟語のルーツをたどりながら、斬新な解釈を提示する。この大古典は日本においても、清少納言、織田信長、水戸光圀、坂本龍馬にと、大きな影響を与えていたことに驚愕させられる。世のしがらみに立ち向かった先人の苦闘が甦る101章。
精神の波動を高く保ち、念のエネルギーで幸せになる。運命の種子を播こう。
結び目の数学的な取り扱いは位相幾何学の主要な一分野として発展してきたが、1980年代になって量子群や結び目のジョーンズ多項式が登場し、結び目がほどけるかなどといった問題と量子群とが深く関係していることがわかってきた。本書ではこの結び目と量子群の関係を平易に解説している。前半では量子不変量から結び目をみており、後半では量子群を結び目からとらえた。複数の視点で考えることにより、結び目と量子群に共通する数学的本質に迫っている。
大月源二というプロレタリア画家の生涯について、大月源二の描いた絵と共に近づいていった。
本書は、壮大な自然と人間の交感をテーマの底流に置いて作曲されたピアノ・アンサンブル集です。無駄を省いたシンプルな技術と構成で貫かれ、何よりも誰でも簡単に弾くことができること、音楽効果の高い美的構成、演奏表現手段の多彩さがこの曲集の最大の特徴です。
本書に出てくる6個のパンルヴェ方程式は、今からちょうど100年程転前、フランスの数学者ポール・パンルヴェによって発見されたもので、方程式の解の方は「パンルヴェ超越函数」と呼ばれています。これは方程式の発見の経緯や、その後の研究の歴史には推理小説を読むような面白さがあります。それもさることながら、パンルヴェ方程式自身が、100歳になる現在でも新鮮さを失わず、神秘の光を放ち続けているという不思議な方程式なのです。本書は、そのパンルヴェ方程式の魅力を伝えようとしたものです。
『コウハウジング』とは子育て中の核家族、一人暮らし、高齢者など様々な人たちが、物質的な豊かさよりも気を許せる人間関係や安全性、そして助け合いによる暮らしの豊かさを求めて始めた共生の住まい方の一つです。21世紀の住まい方のコウハウジングについて、本書は生活者の心と専門家の眼によって活写されています。一戸建ても集合住宅も、木造もコンクリート造も、新築も工場改造も、様々なカタチの広がり、志のある地主やディベロッパーとの出会い方、資金のやりくりの仕方、住み手と設計者の対話の仕方、協働居住のマネジメントの手法などなど、コウハウジング実現のノウハウが満載。アメリカを語りながら、日本でもコウハウジングを創造するためのヒントがいっぱい。
七五一年に編纂された日本最古の漢詩集『懐風藻』は、『風土記』『古事記』『日本書紀』『万葉集』と並ぶ国家創成時の貴重な史料、魅力満載の文学作品である。近江朝から奈良朝時代、律令制天皇国家樹立をめざした大友皇子、大津皇子、藤原宇合や遣唐留学生などの詩、新時代への讃美や清新溌剌とした若き気漲る佳品、百二十編の文庫版初の全訳注。
大不況と失業、財政破綻、国政の混迷で、国民の不安とフラストレーションは高まっている。この危機の突破のために国民は政治に強いリーダーシップをもとめている。こうしたなか、石原慎太郎東京都知事の人気は最高潮に達し、「石原総理」待望論が高まりをみせている。世論調査でもいま日本で最も総理大臣になってもらいたい人物ナンバー1が、石原だ。だがタカ派・国家主義者の石原ほど危険な人物もいない。本書は、石原慎太郎の思想と政策、人物像と人脈、「石原新党」をめぐる政界、財界の動きなどを徹底分析、石原総理大臣への可能性を敢えて考え、その危険性に警鐘を鳴らす。
西風がくれた木の実の鍵で幼いジョンが知った木の秘密とは?…表題作のほか、動物たちのことばがわかる妖精のスカーフを拾った少年の話、ピクシーに見そめられて結婚した少女ポリーの話など、幻想的で楽しい六つの物語。小学5・6年以上。