福島原発事故によって放射能が垂れ流され続け、人びとが放射線被害のモルモットになっているような事態は、人類史上初めてのことである。脱原発すべきか否か。脱原発を選ぶとしたら、それをいかに進めるのがよいか。この問いは、今やすべての人びとにとって差し迫った問題として問われている。本書は、原発の電気がいかに高く、いかに電力が余っているか、いかに地域社会を破壊してきたかを明らかにし、脱原発が必要かつ可能であることを経済学的観点から提言する。
2017年3月、東芝は子会社のウェスチングハウスの連邦破産法11条を申請し、全社的に原発事業からの撤退を決定した。このことは、発電産業の世代交代と原発が世界的に市場から敗退しつつあることを意味し、福島原発事故の帰結でもある。本書はプラント技術者の観点から、産業としての原発を技術的・社会的側面から分析し、電力供給の代替手段がないわけではないのに、甚大なリスクを冒して国土の半ばを不住の地にしかねない手段に固執する政策の愚かさを説く。
「どんなときも政宗公であることで、おれはこのまちの力になりたいと思ってる」…ある日届いた戦国大名・伊達政宗からの手紙。手紙を出したのは音信不通だった兄・夏樹だった。弟の春樹は兄に会いに行ったが大人のクセにコスプレみたいな格好で、チャンバラごっこをしている兄のことが恥ずかしく…。
遙か昔の怨念から里見家を救うため、不思議な宿縁に導かれ、世に現れた八犬士。ここに彼らは出揃った。関東管領・扇谷定正を前に、一大決戦が今始まるー。二十八年の歳月を経て、作家・馬琴は息子の死や自身の失明に直面しつつも懸命に物語を紡ぐ。そして虚実二つの世界はついに融合を迎え、感動のクライマックスへ。馬琴の最高傑作『南総里見八犬傳』を、壮大な構想で現代に蘇らせた、鬼才・山田風太郎による不朽の名作。
シャープに整った容貌の人気俳優・瀬野千波と、時代劇役者の片山依光は同居人兼セックスフレンド。二人の関係は、つきあっていた男に千波が手酷く捨てられた6年前から続いている。甘やかしてくれる依光を本当の恋人のように思えることもあるが、失恋の傷は深く、千波は本気の恋を恐れていた。そんな折、千波に映画出演の話が舞いこむ。好きな監督の作品だったので喜んで出演を決めた千波だが、千波を捨てた男・谷脇も出演が決まっていてー。
「重い障害のある子どもの親である」ということと向き合いわが身に引き受けていく過程と、その中でのヒリヒリと痛い葛藤や危ういクライシスを描き切った珠玉の一冊。
刻字家・吉崎努、82歳。書く、彫る、彩るが三位一体となった刻字世界に遊ぶ姿を質感豊かな画像でとらえた写真集。
本書は理工系基礎として必要な線形代数の内容を親しみやすくまとめたテキストである。記述は“具体例を通して一般論を理解できる”という方針でなされている。すなわち、行列やベクトルの正しい取り扱いと応用法の習熟に重点をおく一方、その背後にある線形性に対する感覚も自ずと培われるよう、式操作のステップごとに解説をつけるほか、例や題材の配列にも十分な工夫がなされている。17章から構成され、1つの章に1つのテーマをあてて計画的な学習ができるよう配慮されている。また各章末には理解の確認ができるよう練習問題を設け、巻末に略解を付している。
すべての渇きを満たす旅へ
乾き切った砂漠の世界を救うワルでピュアな悪魔!「ドラゴンボール」原作者である鳥山明が手掛けた魅力溢れる世界を、多彩なメカと広大なフィールドで描いたアクションRPG。
魔物も人間も水不足にあえぐ砂漠の世界ーーサンドランド。正義感の強い保安官ラオが水不足を解消するために協力を求めたのは、この世で最も恐れられている悪魔達だった。
ラオは悪魔の王子ベルゼブブとお目付け役の魔物シーフと共に、砂漠のどこかにある「幻の泉」を探す冒険の旅へと出発する!
■多彩なメカアクション
ベルゼブブが操作するメカは、射撃や近接攻撃など戦闘スタイルに特徴があり、カスタマイズするメカパーツによって攻撃バリエーションが変化する。
強力な主砲を持つ「戦車」、砂漠を疾走する「バイク」、高所に登る「ジャンプメカ」など、多彩なメカを操作して、サンドランドの世界を隅々まで冒険しよう!
■君だけのメカを生み出すカスタマイズ
冒険の途中で入手できるメカパーツは数百種類。メインウェポンにサブウェポン、エンジン、足回りなど、好みに合わせてメカをカスタマイズできる。
さらに、カラーリングやデカールを組み合わせて、君だけのオリジナルのメカを作り出そう!
■サンドランドのその先へーー
ベルゼブブ達は「幻の泉」を探すために「スピノ町」を冒険の拠点とする。魔物達や人間達の依頼を受けて「スピノ町」への移住者を増やしていくと拠点が発展し、新しいメカの設計図やメカパーツを開発・強化することができる。
カスタマイズしたメカと共に、物語は砂漠の大地サンドランドからまだ見ぬ舞台へ!
(C)バード・スタジオ/集英社 (C)Bandai Namco Entertainment Inc.
「次に記す五人を殺せ。まずは三日の内にひとり」御家人井関家の中間平吉は、影法師なる謎の人物から脅迫される。一月前、主の一馬らと、材木商から賄賂の金を奪い、作事奉行を殺したのだ。風烈廻り与力青柳剣一郎へ報せると脅された平吉らは、指示通り殺しを始める。しかし標的の易者に、激しい抵抗を受けー。疑心暗鬼の末に訪れる終焉の刻。悪を操る影法師の正体とは?
千両という高額な賞金が人気の、谷中大京寺の富くじに絡む殺しが続く。富札を財布ごと掬り取った男は堀に浮かび、札を預かった小間物商は刺殺される。抽選前なのに、なぜ?札には何かいわくがあるのか?同じ頃、風烈廻り与力青柳剣一郎は、陰富と呼ばれる御法度の富くじの取締りを命じられる。老中からのお達しというが…。庶民の夢、富くじの背後に蠢く闇を斬る!
捜査二課に身を置く城島高由は、政財界にかなりの影響力を持つ政治家の久賀清匡と8年前から身体の関係を持っていた。先も見えず、愛されている実感も持てない愛人という立場ー進展のない二人の関係に心痛を覚え始めた城島は、誘われるまま、上司でキャリアの管理官・高森一穂を抱いてしまう。その後も度々誘いを受け、好意を向けられるが、片時も久賀のことが頭から離れずにいた。そんな中、城島は久賀が他の男を抱いたことを知ってしまいー。
文化十年、江戸飯田町の小さな家屋で、作家・滝沢馬琴は画家・葛飾北斎に語り出した。宿縁に導かれた八人の犬士が悪や妖異と戦いを繰り広げる『南総里見八犬傳』である。落城寸前の安房・滝田城で、時の城主・里見義実が一縷の望みを愛犬・八房に託したことをきっかけに、里見家の運命が動き出すー。闊達自在な伝奇「虚の世界」と、執筆への執念を燃やす馬琴を綴る「実の世界」を、緻密な構成で見事に交錯させて描いた傑作。
公式・定理は、しくみや成り立ちがわかれば無理に覚えなくても自然に使えるようになる。「暗記」ではなく、「理解」しておきたい数学の公式・定理を厳選ピックアップ。