突然の交通事故。病院のベッドで目覚めたら記憶喪失になっていた。家族や友人、恋人のことだけでなく、どうやって食べるのか、寝るのか、トイレに行くことさえも忘れていた…。新しい自分と向き合いながら生きて、草木染職人として独立するまでの12年間。
真打ちを目前に盲となった噺家の円木、金魚池にはまって死んだ、はずが…。あたりまえの夜昼をひょいとめくると、摩訶不思議な世界が立ち上がる。粋人のパトロン、昔の女と今の女、わけありの脇役たちも加わって、うつつと幻、おかしみと残酷さとが交差する、軽妙で、冷やりと怖い人情噺が十篇。谷崎潤一郎賞受賞の傑作短篇集。
がっこうからかえってきたらおかあさんがつぎからつぎにいってくる。「しゅくだいをやるのよー」「ジョンのさんぽもわすれないでー」「はいしゃにもいくのよー」あーん、ぼくがいっぱいいたらいいのに…。そのとたん、「はーい」ってこえがした。ふりかえると、そこにはぼくがいっぱい。
あのころもこれからも、きっと宇宙にまで、あなたと少年の心臓を貫いて、川は流れているんだ。『川・少年小説』というニューウェーブからの贈り物。
晴彦は若森西中の2年生。クラスメイトの志麻子と、幼なじみの真樹を誘って、アミューズメントパークへ出かけたのだが、その夜から、志麻子と真樹にある変化が…。二人のかかえるヒミツにどうする晴彦。
ごく普通の大学生の「僕」は、就職活動を前にしてドロップアウト。そして始めた東京・山谷でのドヤ暮らし。宿なし・金なし・家族なしの中年男たちと寄せ場や職安に通い、スポーツ新聞に掲載された求人を頼りに飯場の世界にも飛び込んでいく。彼らは、そして就職を選べなかった僕は、ダメな人間なのか?答えは肉体労働の中にある。だからひたすら汗をかく。今日も、明日も、明後日もー。ドヤ街の男たちと寝食を共にした一人の大学生による傑作ノンフィクション。幻冬舎アウトロー大賞大賞受賞作。
史上最年少で国家錬金術師の称号を得たエドワードと、その弟アルフォンスが、強大な力を秘めた“賢者の石”を探す旅に出るが………。TBS系で2003年10月より放映のTVアニメの、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン限定で上映されたオリジナル・ストーリーをDVD化。
みーちゅんは、ぼくのもの。でも、それは二人だけの秘密なんだー。度胸も行動力もないけれど、わりとまじめで一生懸命、かなり夢見がちな27歳・あきおくんに訪れる、絶好のチャンスと最悪のピンチ。めざせ、第2の『電車男』!絶対に無理だとわかっていても、アイドルに真剣に想いをよせたって、いいじゃない。ファンタジック・ニート青春小説。
マッドハウス制作、矢沢あい原作の“最強”少女マンガ『NANA』のアニメ版。相反する性格の持ち主である2人の主人公“NANA”が出会い、ドラマティックな青春ストーリーが展開される。
小泉政権の誕生から終焉まで五年半の間、著者は多くのルポルタージュを書いてきた。この間、大方のメディアは著者もふくめて小泉前首相の政治手法や能力を見誤り過少評価してきたのではないか。しかし、結果として彼は予想を裏切り、いくつかの大きな仕事をなしとげ、最期まで高い支持率を維持しながら去っていった。自らをふくめてなぜメディアは小泉前首相を正当に評価できなかったのか。著者自身のルポルタージュ21本をもとに検証と反省をこころみ、小泉政治の本質を考える。
高校を中退後、大検を経て大学に入学した著者が、「働くってなんだ?」という疑問のもと、「社会」に違和感や不安を抱きながらも人生を模索する同世代の八人の若者を取材し、彼らの心の裡を描く。引きこもりも、フリーターも不登校も、大企業に就職しても…。現代の「青春の悩み」をすべての世代に伝える一冊。
中学三年の三学期、いよいよ英治たちも卒業間近となった。なにかやらかすに違いないと、教師たちが厳戒態勢をしくなか、卒業式をどう盛り上げるかの策略を練る「ぼくら」。そんな折、ようやく出所してきたルミの父親が、刑務所で仕入れた謎めいた殺人話をしたのち失踪してしまう。真相究明に奔走しつつ、せまる卒業式に向けての準備も万端。いったい「ぼくら」は最後にどんなことをやってみせてくれたのか…。英治・相原と仲間たちの、熱くて痛快なイタズラ列伝、中学生編ついに最終巻。
ある日、ちょっとしたイタズラのつもりで爆弾花火をビルに投げこんだデーヴィとマイク。すると、ビルはたちまち大爆発!一瞬で瓦礫の山に…。驚いて逃げだした二人は、イタズラを見ていたという若い男女から、警察につかまらないように、しばらくかくまってあげよう、と声をかけられる。パニックになった二人は、言われるままについていく。でも、何かがおかしい気がするんだけど。
こいぬのハッピーは4人家族の一員となりました。でも、幸せな日々はすぐにおわりました。「わがままな犬」として、すてられることになったのです。