胸に赤いAの文字を付け、罪の子を抱いて処刑のさらし台に立つ女。告白と悔悛を説く青年牧師の苦悩…。厳格な規律に縛られた17世紀ボストンの清教徒社会に起こった姦通事件を題材として人間心理の陰翳に鋭いメスを入れながら、自由とは、罪とは何かを追求した傑作。有名な序文「税関」を加え、待望の新訳で送る完全版。
2代目梅若実について能を習い初めた4歳。渡米留学した14歳。厳しい教育を受け、後欧州にも赴く。爾来、古典芸能・文学・美術工芸に造詣を深め美を追究。著者の芸術観の“核”となる能楽論、最初期の「お能」のほか「梅若実聞書」「老木の花」を収録。実践に裏打ちされ平明、簡潔、強靭な筆致で綴ったエッセイ集。
東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむるー貧困と孤独にあえぎながら、重くのしかかる現実を三行書きの短歌でうたい、歌壇に新風を吹きこんだ石川啄木(1886-1912)の歌は、永遠の青春の賛歌である。歌集『一握の砂』『悲しき玩具』に新聞・雑誌等に発表した歌を加え、その足跡をたどる。新たに収録全歌の索引を付す。
土木現場における慣用語を中心に最新5,300余語と理解に役立つ写真・図版約500点を収録。土木現場の専業化に対応して用語を現場別25テーマに分類。巻末の索引には初学者の便宜を図り、見出し語のほか説明文中の重要語も合わせて掲載。情報処理、測量、計画・調査分野におけるコンピュータ利用、大規模な地下構造物や原子力関連施設、リゾート開発と環境・景観といった今日的用語も多数収録。
アメリカ公民権運動の指導者として、非暴力抵抗運動の先頭に立って闘い、志半ばで凶弾にたおれたキング牧師。「私には夢がある。それは、いつの日か、かつての奴隷の息子と、奴隷所有者の息子が、兄弟として同じテーブルにつくことだ。」人間愛に満ちた社会の実現をめざし、三九年の生涯を燃焼した、その足跡をたどる。
ぼく、ちいさいあかいしょうぼうしゃがほしいんだ。ぼくのしょうぼうしゃは、かじをけすだけじゃないんだよ。どろんこのぞうをあらってあげたり、おはなばたけに水をまいたり、はしごをのばせば、きりんとはなしもできるんだ。
新時代の墨場必携。今までにない詩句2500余首を新選訳。歴代名跡からの半切集字作例を併載。
「夢」のキングと「悪夢」のマルコム。黒人運動の二大天才指導者の思想を通して問うアメリカの「現在」。
大人になった今、毎日楽しみにしていた学校はもうない。でも友達たちは、僕が死ぬまで大切に抱えていける宝物なのだー。少年時代を過ごした土地で出会った初恋の人、喧嘩友達、読書ライバル、硬派の先輩、怖い教師、バンドのマドンナ…。僕の人生において大いなる大地となった、もう戻ってはこないあの頃。永遠に輝きつづける懐かしい思い出を笑いと涙でつづった青春エッセイ。
神学と哲学、宗教と心理学のはざまに立ちながら、われわれ現代人を脅かす無意味への深刻な不安を存在論的深みから理解し、苦悩と虚無と絶望からの救済=癒し、生きるための真の「勇気」を示す。