ーアラスカの美しい自然は、さまざまな人間の物語があるからこそ、より深い輝きを秘めている。二十年にわたり、アラスカの大自然と、そこに生きる人々を撮りつづけた写真家・星野道夫。彼は、自然に身をゆだねて生きる人々との出会いによって、アラスカをより深く知り、愛するようになっていった。野生動物や風景など壮大な四季の巡りを捉えた写真九十点と、友との交流を描いた文章によるアラスカ交遊録。星野道夫の生きた〈アラスカ〉が心に響いてくる写文集。巻末に妻・星野直子氏が回想する書き下ろしエッセイを収載。
とにかく、くるまにのっていこう、ということになってトランクにいろいろつめこんだのさ。望遠鏡、つりざお、すいとう、マッチ、毛布、クレヨン…えっ、なにかわすれちゃいませんかって。いいえ、地図はもたないいきあたりばったりの旅をするのさ。
今日、サハラ砂漠の北にはアラブ系の人びとが、南側には黒人系の人びとが住んでいる。二つの世界が定期的な交易活動を開始した十世紀ころから、アラブ人たちは黒人たちに関する情報を記述するようになった。しかし、観察し、記述した「北」による「南」に対する認識は、過去の歴史をこえて、現代に生きる私たちに「負の遺産」として伝えられている。本書ではサハラの南北交流史をたどりながら、この「負の遺産」の成り立ちを検証する。
「モービィ・ディック」と呼ばれる巨大な白い鯨をめぐって繰り広げられる、メルヴィル(一八一九ー一八九一)の最高傑作。海洋冒険小説の枠組みに納まりきらない法外なスケールと独自のスタイルを誇る、象徴性に満ちた「知的ごった煮」。新訳。
『あのころはフリードリヒがいた』の続編。優等生のハインツ、時代の流れに素直には従えないギュンター、そして“ぼく”-ヒトラー・ユーゲントに入団した3人のドイツ人少年が経験したことは?戦争へ突入していく日々を淡々と描く。中学以上。
地産地消を支えた大工の知恵と大工の「手」の中に封印されてきた木取り・墨付けの技能の全てを解き明かす!伝統木造軸組架構の「組み上げる」手順をプレカットにも生かせる立体表現で徹底解読。
“モービィ・ディック”との遭遇を前にして、エイハブ船長ひきいるピークオッド号の航海はつづく。ほかの捕鯨船との“出あい”を織りまぜながら、鯨と捕鯨に関する“百科全書的”な博識が、倦むことなく、衒学的なまでに次から次へと開陳されていく。
日本の歴史学に新たな視点を取り入れ、中世の意味を大きく転換させた偉大な歴史学者・網野善彦が逝った。数多くの追悼文が書かれたが、本書の著者ほどその任にふさわしい者はいない。なぜなら網野が中沢の叔父(父の妹の夫)であり、このふたりは著者の幼い頃から濃密な時間を共有してきたからだ。それは学問であり人生であり、ついには友情でもあった。切ないほどの愛を込めて綴る「僕と叔父さん」の物語。
作家・江戸川乱歩、誕生の秘密が明らかに!!芸術論、作品批評、メディア戦略から屍体の処理法まで。探偵小説草創期の秘密の扉が今、開く。
「幾山河越えさり行かば」「白鳥は哀しからずや」若山牧水(1885-1928)は23歳で、今日でも多くの人々に愛誦される名歌を詠んだ。以後20年、旅の歌人牧水は、平易で親しみやすい、しかも人間と人生の根幹にふれて共感を呼ぶ、数かずの秀歌をのこした。彼の全短歌の中から新たに約1700首を選んだ新編集版。
宿願の幕府打倒に成功した後醍醐天皇は、旧慣を無視して建武の新政を開始した。しかしそれは、もろくも三年にしてついえ、あとに南北朝対立、天下三分、守護の幕府への反抗の時代がおとずれる。この七十年にわたる全国的動乱の根元は何か。
しずくちゃんは雨のしずくのようせい。しずくの森のみんなと、海にあそびにきたよ。みるみるちゃんが海のなかからひろってきたのは、なんとかいぞく船!海の世界や、ドーナツ島、無人島、星の国へでかけるよ!さぁ、だいぼうけんのはじまりだ。
問答形式で学ぶプロテスタント信仰の核心。膨大な証拠聖句を掲出。携行に便利な本書によって、どこでも教理と聖書を共に学べる。
一学期の終業式の日、ぼくは謎の同級生、栗田に「階段落ち」の勝負で負けた。ケガをしたうえ、夏休みのプール掃除の罰まで下された。よりによって、あの栗田とふたりきりで…。サイテーの夏がはじまった。友情、家族、社会などを少年の目線で描いた、児童文学界注目の著者、珠玉のデビュー作を文庫化。第30回日本児童文学者協会新人賞第26回児童文芸新人賞ダブル受賞作。
ぼく、通称・桃井。6年生。「階段落ち」という危険なゲームをやった罰としてプールそうじをさせられることに。いっしょにそうじをするのは栗田。クールでどこか大人っぽいやつで、ちょっと気に入らない。ああ、ぼくの小学校最後の夏休みは「サイテー」になりそうな予感!著者のデビュー作で、二人の少年のさわやかな夏を描いた表題作と、無気力少年の「本気」を探った第2作『きのう、火星に行った。』を収録。小学上級から。
青山士;八田与一;久保田豊ー明治から大正にかけてすぐれた先人たちは、欧米の技術を取り入れ近代的な土木技術の基礎を築き、世界でもその力を発揮した新時代の日本人技術者たちを紹介します。