その死体は、三重の密室の最奥に立っていた。異様な形で凍りついたまま…。そのとき犬神館では、奇怪な“犬の儀式”が行われていた。密室のすべての戸に、ギロチンが仕込まれ、儀式の参加者は自分の首を賭けて、“人間鍵”となる。鍵を開けるには、殺さねばならない。究極の密室論理。これは三年前に発生した事件の再現なのか。犯人からの不敵な挑戦状なのか。瞠目のミステリー。
ヘンゲルブロックが手兵と挑んだ初のシューベルトとシューマン
2018年12月、初来日となったバルタザール=ノイマン合唱団を引き連れN響に客演し、バッハ『マニフォカト』の新鮮な演奏で「最も心に残ったN響コンサート」にも選定されるなど、話題をまいたトーマス・ヘンゲルブロック。 「作品の関係をたどり、未知のものを探り、珍しい組み合わせを通して身近なものを聞く」、ヘンゲルブロックと彼のバルタザール=ノイマン合唱団&アンサンブルで音楽を体験することは、指揮者と演奏家との対話に参加し、音楽探検に着手することを意味します。この新しいアルバムのために、シューベルトの『スターバト・マーテル』とシューマンの『ミサ・サクラ』、そして今では名曲となっていますが再発見されたシューベルトの『未完成交響曲』などの特筆した宝物を録音しました。
アルバムは、シューベルトが1815年のまだ18歳の時に作曲した『スターバト・マーテル』から始まります。最初の詩の「スターバト・マーテル、ドロローサ」のラテン語のテキストに基づいた彼の最初の宗教的音楽です。十字架につけられた息子イエスの足元に立ち最深の苦悩に嘆く聖母マリアを、複雑な線と響きの中に巧みに表現しています。短いラテン語の歌詞の内容を、歌曲を書くような態度で6分ほどの短い作品としてまとめ上げています。その7年後に作曲された『未完成交響曲』は、なぜ第2楽章までで作曲を中止してしまったのかにさまざまな説があるにしても、他の交響曲とは比べものにならないほどの劇的で深い悲しみによる主題や、音色や強調の独特な扱いなど、シューベルトが人生をかけた交響曲ともいえる作品です。
シューマン晩年、デュッセルドルフでの最後の年に『レクィエム』と一緒に書かれた『ミサ・サクラ』。存命中にはデュッセルドルフにおいて1853年に部分初演が行われ、その後「オッフェルトリウム」が書き加えられたものの全曲初演は実現しないまま、彼の死から6年後にクララ・シューマンの前で全曲初演されました。この曲を聴いたクララ・シューマンは、ブラームスへ「全てが信じられないほどの美しさ」と手紙を送っています。この魅惑的な作品は、常にシューマンに賞賛されるシューベルトの音楽の世界を思い起こさせます。
モダン・オーケストラの指揮者としての活動がクローズアップされているトーマス・ヘンゲルブロック。一方で彼はオリジナル楽器アンサンブル「バルタザール=ノイマン・アンサンブル&合唱団」の創立者でもあります。設計のみならず、彫刻や庭園を統合させトータルで建築を構想し、バロックおよびロココの最も重要な建築家の一人、ヨハン・バルタザール・ノイマン[1687-1753]に範を求め、ヘンゲルブロックは、音楽を朗読、演技、舞踊など他の芸術と結合させるという自らの理想を実現させるべく、その名を冠としています。ドイツ・カンマーフィルやNDRエルプフィルとはシューベルトやシューマンの作品を録音していますが、手兵のバルタザール=ノイマン・アンサンブル&合唱団とは初めて。このアルバムでは、短調による強い主題の関係性を元にし、ピリオド楽器と発声法などヘンゲルブロックの意思が隅々まで行きわたった切れ味の鋭い演奏によって、シューベルトとシューマンとの作品の関係を探索していきます。(輸入元情報)
【収録情報】
● シューベルト:スターバト・マーテル ト短調 D.175
● シューベルト:交響曲第7(8)番ロ短調 D.759『未完成』
● シューマン:ミサ曲ハ短調 Op.147『ミサ・サクラ』
アーグネシュ・コヴァーチ(ソプラノ)
ミルコ・ルートヴィヒ(テノール)
ライモンズ・シュポーギス(バリトン)
バルタザール=ノイマン・アンサンブル&合唱団
トーマス・ヘンゲルブロック(指揮)
録音時期:2019年1月30日〜2月1日
録音場所:ドルトムント・コンツェルトハウス
録音方式:ステレオ(デジタル)
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