はじめて武家政権を開いた平安末期の武将。数々の戦乱を制して、ついには最高権力者となった。実力で政権を奪う時代としての中世を切り開いたその生き方は、後世の武人政治家の範となっていく。同時代の貴族の日記や古文書などを丹念に繙きながら新史料の発掘を試み、政治動向の分析と併せて清盛の実像に迫る。従来の通説を覆した清盛伝の決定版。
平安中期の官僚。海賊鎮圧のために伊予に派遣されたが、関東の平将門の反乱と時を経ずして、瀬戸内で反乱を起こす。純友が傍流ながら摂関家につながる中央官人であったという説に立ち、承平・天慶の乱を読み直す。彼がなぜ海賊集団を組織し、反逆者となったのか。10世紀の東アジアと瀬戸内交易との関係、古代の海賊の分析を交えて、生涯を描く。
本書は合気道の初心者を対象に、基本動作と代表的な基本技法について豊富な写真とともに詳細に解説。各技における陥りやすい誤りや、上達のためのポイントなどが丁寧に説明されており、独習、復習に最適の合気道書。また、日英対訳版となっているため、指導者にとっても海外での合気道の普及、指導の際のマニュアル本として必携の書。巻末に、初代養神館宗家・塩田剛三の貴重な説明演武連続写真を収録。
かつて民衆が自らを「御百姓」と誇りをもって主帳した時代があった。記億の彼方に志れ去られようとしている百姓の土地観念、人との関わりや自由の歴史構造をキーワードに、今も私たちを規制する思考や行動の原点を探る
近世の大名は、時々国元へも帰ったが一生の大半を江戸で過ごした。殿様の仕事と経費、行事と儀礼、食事と献立など、暮らしの実態を克明に描く。隠居後の贅沢な食道楽と遊興は、グルメの現代人をも驚かせるものがある。
縄文時代は、三内丸山遺跡などの調査から平和で豊かなイメージがひろまっているが、それは実態といえるだろうか。繁栄の側面だけでなく、その限界、日本の周辺地域、つぎにくる弥生時代を見通して、その個性を探る。
七福神の一人として著名な毘沙門天像は、シルクロードの東西文化交流によって生まれたことを初めて解明。従来の定説を超越し、わが国の古代文化の源流の一つがギリシア・ローマ文化までさかのぼることを実証する。
得宗は北条氏嫡宗の呼称である。幕府要職就任者の家系を調査・分析する独自の方法により得宗専制の実態を解明し、家格秩序の存在を明らかにする。あわせて新式目や寄合などを取り上げ、後期幕府政治体制の変化を究明。
中世社会には、朝廷・幕府から独立した巨大寺院が存在した。僧侶・商人・職人などの人びとが集合する一大産業センターで、境内都市というべき自由空間を構成していた。境内都市を通して、新しい中世社会像を構築する。
万葉集は、古代史の宝庫である。有間皇子・額田王・大伴家持など、白鳳・天平時代を代表する歌人たちの生き方や政治とのかかわりを追究。作者の心理まで立ち入り、日本書紀・続日本紀では窺えない歴史の一面を考える。
徳川4代将軍家綱期の老中・大老。「下馬将軍」と称され、権勢をふるった専制政治家と評されるが、意外にもその素顔は、小柄で端正な顔立ちのよく笑う人物で、芸能を好み、また大変な早口で有名であったという。譜代の名門、酒井雅楽頭家に生まれ、政治的資質にも恵まれながら、なぜ後世に悪者として描かれたのか。その生涯と時代に迫る初の伝記。
われわれ人類はどうやって生まれたのか!?サルとヒトの違いはどこにあるのか!?生物学に今なお残された未解決の問題に鋭く迫る!世界的な数々の賞に輝く、アメリカ科学アカデミー正会員が、人類誕生の謎をめぐり独創的な進化論を華々しく展開。
苦労して宿願を遂げ、若くして散った曽我兄弟の物語は、人々の同情を集め、中世を通して語り継がれ、歌舞伎にも取り入れられた。日本人の魂を揺さぶってきたこの敵討ちの歴史的真実と、物語を生み出した背景に迫る。
「国家のためなら悪魔にも魂を売ることを辞さない」革命家スカルノ。光と影を併せ持つ生涯から母国独立への波乱の道程を描き、戦中・戦後に関わった様々な日本人を浮彫りにする。現代インドネシアの背景理解に最適。