冷夏が繰り返し襲った18〜19世紀。気候の寒冷化は歴史に何をもたらしたか。火山の噴火、太陽活動、氷河の動きにその要因を探り、当時の世相を博物誌、文学や絵画、風俗から検証。気候変動と歴史の関係を科学する。
間取りで「夢」が見えてくる、へぇ〜!な驚き炸裂!“トリビア”な間取りからイチローの生家まで間取りの謎・大研究。
迫り来る欧米列強の影、たび重なる飢饉と一揆・打ちこわし。江戸時代後期、体制的な危機に直面した国家と社会は、いかなる変容を遂げていくのか。庶民の暮らしや化政文化にも注目し、近代へ向かう胎動の時代を照射。
ペリーの来航により、開国を迫られた幕末日本。緊迫した東アジア情勢の中で、一旦は鎖国に迷い込みながら、それからの脱却を果たした徳川公儀の政権運営を詳述する。外交政策の新しい解釈を試みた日本開国史の決定版。
織田信長が天下布武の象徴とした壮麗な安土城はいかなる運命をたどったか。最新の発掘成果等から幻の城の隠された謎を解明。信長のデザインとセンス、夢の世界を探り、知られざる安土城の真の姿と新しい信長像に迫る。
近代日本は、憲法制定・国会開設と条約改正により国際的自立を実現し、同時に「アジアの帝国国家」への道をたどる。資本主義経済の成立、職業選択の自由化、都市の形成から、“近代”が社会のなかに定着した時代を描く。
第二次大戦後、再軍備へ向かう政府に戦争反対の声をあげたBC級戦犯たち。名作「私は貝になりたい」は、その魂の叫びをもとに生まれた。戦犯たちのスガモプリズンでの思索と行動から、真の戦争責任とは何かを考える。
崇高な理念のもと、激動の昭和初期をリードした政党政治家“浜口雄幸”。その政治構想を、山東出兵から満州事変へと続く時代背景とともに、外交・内政の両面から描き出す。我々はこの歴史的経験から何を学ぶのか。
戦国乱世を読み解く、武将・氏族・合戦の計1063項目を三編に分け解説。肖像・花押・合戦図屏風などを多数掲載し、読むほどに興味と理解が広がる入門書としても最適な本格的事典。ユニークな在世年表、便利な索引付。
本州の約三分の二にあたる広大な海域を持つ琉球・沖縄。進頁・慶賀船や貿易によって東アジアと結ばれた歴史と、宮古・八重山諸島などの多様性に満ちた文化を紹介。海上交通ネットワークの要となった琉球・沖縄に迫る。
新田義貞は鎌倉幕府を滅ぼした武将。後醍醐天皇の計画に呼応して倒幕を果たし、建武政府の一翼を担う。足利尊氏との対立を深め、南北朝動乱の中で、転戦の末、越前国藤島で不慮の戦死を遂げる。信頼し得る古文書を博捜し、義貞を支えた人的基盤を探るとともに、『太平記』によって創り出された凡将・愚将観を見直す。その実像を活写する義貞伝の決定版。
あなたの家の宗派はなにか知っていますか?宗派の教えと、冠婚葬祭のしかたがこの一冊でよくわかります。一家に一冊必携の本。
古代文化の故郷=奈良、伊勢神宮に続く道=伊賀。平城の都、寺社王国を築き上げた東大寺・興福寺と土民蜂起、伊勢参りと沿道の賑い等々、古都ならではの歴史を追求。重源・芭蕉・中山みきらに地域文化を再発見する。
伯耆大山、鳥取砂丘、流人の島=隠岐。この地域は、それぞれに独特の歴史を展開してきた。後醍醐天皇・守護山名氏の動向と鳥取城下の生態、砂丘の利用、二十世紀梨や沢庵宗彭、円山応挙らに豊かな文化を再発見する。
『孝明天皇紀』を精読し、公家の家格や官位昇進、儀礼の構成・人員を分析。摂家の権威を核とした秩序システムを描き、公卿の日常勤務や地下官人の財政運営など、王政復古直前の朝廷・公家社会を初めて系統的に解明。
室町時代、禅僧たちは好んで水墨画を鑑賞し、画僧らが盛んに絵筆を握り、多くの作品が誕生した。彼らはそこに何を描き込んだのか。豊富な図版と共にその魅力を紹介。室町水墨画の中に、人と人の温かな交流を照らし出す。
戦死した兵士の家族は、一家の働き手を奪われる理不尽さをどう受け入れたのか。遺族への扶助料や未亡人への仕事斡旋など、国家が目指したシステムとしての「遺族」の形を検証。社会は戦争をどう支えたのかに鋭く迫る。
昭和戦前期、陸軍首脳部の重要ポストは陸軍幼年学校出身者で占められていた。なぜ陸軍は閉鎖的なエリート養成制度を作り出したのか。教育界の反発に対抗しつつ特権化を図る過程を、新発見の史料を駆使して解き明かす。
いまだ「策謀政治家」のイメージが根強い岩倉具視。理想の新国家樹立に奔走したその実像とは?大久保利通らと王政復古を実現、立憲政体を目指す途上に斃れたその生涯を描く。虚像を覆し、人間岩倉の豊かな個性に迫る。
鎖国下の江戸で、人びとはどのようにナポレオンやベトナム象などの海外情報を入手したのか。ペリーの砲艦外交やロシア軍艦の対馬占拠事件を分析。海外情報ネットワークが、ついには幕府の崩壊をもたらした姿を描く。