正中の変は果たして後醍醐天皇の討幕運動なのか。院政、治承三年政変、以仁王事件、承久の乱などの実相を追究し、「朝廷再建運動」をキーワードに、古代の朝廷の支配から中世の朝廷・幕府体制に移行する過程を解明する。
ピュリッツァー賞評論家が描く、天才建築家のあまりにも真摯で破天荒な一生。
大内・尼子・毛利・大友・島津・長宗我部ら、海外との交易のもたらす実利と地域の覇権をかけた西国大名たち。その激闘の軌跡を追い、戦乱の世を生き抜くため苦闘する国人・土豪・村人ら、戦国期西国社会の群像に迫る。
買収や酒宴接待など、現在も絶えることのない選挙違反。候補者はいかに法律の網をかいくぐろうとし、国民はそれをどう受け止めてきたのか。様々な時代や地域の選挙違反の実態に映し出された、近代社会の歪みを探る。
団塊世代の大量定年時代をむかえて様々な論議が広がっている。数の多さゆえに、注目され続けてきた団塊世代とは何だったのか。同世代の著者が、聞き書きをもとに、異世代の視線を探り、その時代とこれからを語る。
奈良時代、本当に天智天皇と天武天皇の子孫が対立し、天武系の皇統が皇位を独占していたのか。天智以前の王位継承から、壬申の乱、草壁皇統意識の誕生、桓武天皇の皇統継承方式までをたどり、奈良朝の政治史を読み直す。
日本料理とは何か。平安貴族の宴会から庶民の食卓、精進料理、本膳料理、懐石、京料理、菓子と茶の湯まで、日本の料理文化をわかりやすく描く。二人の天才=北大路魯山人・湯木貞一にもふれ、日本食文化の原点を探る。
大化改新や壬申の乱などの舞台、飛鳥にはどのような王宮や施設が造られていたのか。斉明天皇による荘厳な空間整備、天武天皇の大極殿など、新しい国づくりの過程で飛鳥がどう都市化され、藤原京に展開するのかを描く。
デビュー10周年を記念するベスト・アルバム。過去の楽曲に加えて、Anchangのソロ・ユニットとしての「語れ!涙!」、デジタル配信限定だった「廃品回収」「毒マムシ」、最新曲「仕事人」も収められている。洋楽メタルを噛み砕いた曲想に面白おかしい歌詞を乗せたセンスの妙を楽しみたい。
補陀落渡海とは何か。観音菩薩が住む南方の浄土=補陀落世界を目指し、現身を舟形の棺に納めて大海原に船出した人びとがいた。宣教師の記録や絵画史料、渡海船の構造から、「南方往生」と補陀落渡海の世界観を解き明かす。
古代の家族・親族関係の変化は、国家の誕生と深い関わりがあった。縄文から古墳時代まで、人骨とその墓を人類学・考古学の最新の成果から分析。現代とは異なる古代の家族や親族の実像に迫り、その歴史的意味を問う。
明治・大正期の政界に君臨し、近代日本の暗黒の象徴とされてきた山県有朋。軍国主義・侵略主義の体現者ではなく、国力の限界を認識し、国際情勢を見極めながら日本の近代化に身命を賭した山県有朋の実像に迫る。
日本の童謡/唱歌を現代的な視点で見つめ直そうというシリーズ第2弾。2、4曲目など80年代アンビエント風味のアレンジが目立つ。そんななか、ビッグバンドの包み込むようなサウンドに負けじと包容力を発揮する畠山美由紀の「浜辺の歌」には泣かされた。エンケンの「黄金虫」も豪快。★
頼朝は藤原兼実を摂政に推挙する一方、後白河法皇に人事等の申し入れを行う。諸国で守護や地頭などの武士の土地押領が問題となり、地頭の権限は謀反人の旧所有地に限定される。頼朝の尽力で閑院内裏が再建され、重源の手で東大寺の再建も始まる。頼朝に追われる源行家は摂津で討たれるが、義経は逃亡を続け、藤原秀衡を頼って奥州に赴く。