近世の禁裏御所の「奥」で働く女官たちは朝廷運営でどのような役割を果たしたのか。最も重要な役職の勾当内侍をはじめ、朝廷儀式における職務、人事などを考察。従来の研究史では未解明の「奥」内部を浮き彫りにする。
鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』は多くの謎に満ちている。いつ誰により、何のために書かれたのか。頼朝挙兵や実朝暗殺の真実、時頼の廻国伝説、源氏に厳しく北条に甘い人物評価など、史書のねらいと見え隠れする嘘を暴く。
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応仁の乱の西軍大将。嘉吉の乱で赤松氏を討ち、幕府重鎮となる一方、荘園押領などの破壊行為を繰り返し、いったんは京から追放される。幕府ー守護体制の変質する中、諸国大名と提携を強めて権力を拡大し、やがて応仁の乱では細川勝元と国を二分して対決する。大乱の本質を明らかにするとともに巧みな分国経営にも光をあて、その豪毅な生涯に迫る。
徳川家康の入府以来、名主制度が廃止される明治まで、大江戸八百八町を支えつづけた町名主たち。町役人の末端として、住民の一人として奮闘した知られざる町名主の姿を、江戸の町の発展の歴史とからめ明らかにする。
大名行列を支えたのは「渡り者」と呼ばれる派遣・アルバイトだった。やがて彼らは「がさつ」な振る舞いで格差社会に立ち向かう…。泰平の世に武威を示すはずだった大名行列の実態にメスを入れ、近世武家政権の矛盾を暴く。
見て“感動”、読んで“なるほど”現代建築コンプリートガイド!最前線で活躍する一流建築家6人が、自らの建築を詳細に語る!建築を志したきっかけから代表作の現場まで、かつてない徹底インタビューを敢行。加えて、照明デザイナーなどのコラボレーターへの取材で現代建築の姿がさらに浮き彫りに。
古代日本を大きく揺るがした壬申の乱。大海人と大友の二人の皇子による皇位継承争いの実態を検証する。戦いの勝者と『日本書紀』の関係、敗者の言い分…。地方豪族の動きにも目を向け、劇的な戦乱を読み解く。
八世紀に栄えた寧楽の都平城京で、人々はどのような暮らしを送っていたのか。飲食や宴会のたのしみ、労働や病気の苦しみ…。下級官人が生活の様々な場面で記した木簡を読み解き、そこから浮ぶ彼らのリアルな姿に迫る。
矛盾や不条理だらけのこの世の中を、どう生きようかー1200年の時を経ても、決して輝きを失うことのない弘法大師・空海の教え。「自己変革をいかに成就するか」、そのヒントを授ける書。
琉球処分以降、沖縄戦、米軍占領期まで過酷な時代を生きた郷土史家・島袋全発。伊波普猷・東恩納寛惇らとの交流や帝国主義・ナショナリズムとの戦いから、今に生きる沖縄の近代思想を浮かび上がらせた「思想史」入門。
邪馬台国論争を解決する鍵は何か。『記紀』を丹念に読み解き、邪馬台国の位置が九州北部であったことを論証。大和政権が邪馬台国を滅ぼし、どのように全国を統一したのか、その真実に迫り、新たな古代史像を描きだす。
戦前日本、天皇を支えた宮内大臣・内大臣・侍従長ら側近たち。彼らは戦争への道を突き進む激動の昭和にいかなる政治的影響力を持っていたのか。牧野伸顕・木戸幸一ら昭和天皇の側近たちの視点から近代日本の軌跡を描く。
頼朝・頼家・実朝と続いた源家将軍三代。平氏を滅亡させた治承・寿永の乱から源家将軍の時代を清算する戦いとなった承久の乱まで、源氏一門や北条氏ら鎌倉御家人の動向を交え描く。『吾妻鏡』の世界が鮮やかによみがえる。
江戸前期の老中。将軍家光に仕え、知才溢れる忠勤により小姓から老中に出世する。島原の乱を鎮圧し、家光の死や由比正雪の乱・明暦の大火などの危機を乗り切り、幼君家綱を助けて幕府の確立に尽力した。川越藩主としても城下町を復興、農政にも意を用い、「小江戸」川越の基盤を築いた。その才知から多くの逸話が残る「知恵伊豆」の実像に迫る。
運命・秋桜・女性・生命・理由・豆富・ふれ愛・本気・夜露死苦…現代の当て字・当て読みを豊富に採録。普通の辞書には載らない漢字表現を満載。漢字はここまで読める・使える。
暴力を封印し、作法のもとに行われた百姓一揆は、領主への不信や貧富の拡大で変質していく。異形の「悪党」と化し暴力に訴える騒動勢、鎮圧に走る幕府、武装する村々。激動の幕末を襲った暴力の有様を鋭く抉り出す。