しんせきのおじさんちは、みかんのめいさんち。まちじゅう、みかんでいっぱいなんだって。いってみたいな。どんなところかな?
密室館の事件から一年。時間のある限りどんな依頼も引き受けるようになった蜜柑花子は、多忙を極めていた。そんな六月のある日、事務所を訪ねてきたのは、なんと密室館の事件に深く関わりのあった祇園寺恋だった。奇妙なグループに母親を人質に取られ、蜜柑が四つの未解決事件を解き明かせなければ人質の命はない、と脅迫を受けているという。大阪、熊本、埼玉、高知の順に、全国に遠く散らばった四つの難事件を解く時間は、たった六日間!しかも移動は車のみという悪条件まで加わり、疲労困憊する蜜柑。怒涛の推理行の果てに名探偵が導き出した答えとは?“名探偵の矜持”“名探偵の救済”をテーマに贈る“名探偵の証明”シリーズ完結編。
はじめたばかりの猟で遭難してしまった潮田亮二、35歳。相棒の猟犬と途方に暮れていたところ、無愛想な猟師・大高に助けられる。かねてからジビエ料理を出したいと考えていた潮田は、大高の仕留めた獲物を店で出せるよう交渉する。しかし、あっさり断られてしまいー。夢を諦め、ひっそりと生きる猟師。自由奔放でジビエへの愛情を持つオーナー。謎の趣味を持つ敏腕サービス係。ふつうと少し違うけど自分に正直な人たちの中で、潮田は一歩ずつ変わっていく。人生のゆるやかな変化を、きめ細やかに描く、大人の成長物語。
流すのがもったいない…。トイレではじまる新しいコミュニケーション。
横浜で謎解きイベント「私立赤煉瓦学園」にエントリーした渚と武藤。街中に隠されたヒントを探し、盗まれた“学びの夏みかん”を奪還するゲームだ。イベントの主催者は、悪名高いドクター・ピタゴラスの教え子。そして「黒い三角定規」首領が追う、あの男も横浜に…数学的大事件が起きる予感が!全3編。
中学校の映画部で仲良くなったソラン、ダユン、ヘイン、ウンジは「いつも一緒にいる四人」。中学三年生になる直前、彼女たちは旅先の済州島で衝動的にある約束を交わし、タイムカプセルに入れて埋める。さまざまな感情と計算が隠されたこの約束をめぐって、次々と事件が起こるがー。誰もが味わう試練、少女4人で乗り越えていくシスターフッド小説。
大江広元は鎌倉時代前期の政治家。もとは朝廷の実務官人であったが、源頼朝に招かれ草創期の幕府の中心的存在となる。政所別当として守護・地頭制の整備に関わり、朝廷・幕府間の交渉で卓越した政治手腕をふるった。頼朝没後、将軍頼家・実朝を支えつつ、北条氏とも協調を図り武家政権の確立に貢献した文人政治家の実像を、新史料を駆使して浮き彫りにする。
江戸時代、空前の小鳥ブームが起こった。癒しを求めて鳥を飼う人、それを商う人、生態を研究した人や図譜を残した人…。滝沢馬琴の日記に今と変わらぬ愛鳥家の姿を探り、飼い鳥文化と当時のペットブームの実態を描く。
ヤマトタケルは、なぜ古事記と日本書紀で全く別人のように描かれているのか。「日本書」をキーワードに、古代の歴史書=古事記・日本書紀・風土記の成立に隠された秘密に迫り、独自の視点から古代神話をわかり易く読み解く。
クルマの基本構造から日常の点検&メンテナンス、またプロが行うメンテナンス方法も紹介した、車を長持ちさせるための完全ガイドブック。
1946年、「当用漢字」が制定された。漢字の使用が制限されたとき、国民の生活には何が起こったのか。「福井県」が「福丼県」だと怒鳴り込む人、彫刻掘りなおし裁判などの事件をたどりつつ、戦後日本の世相を読み直す。
ついに頼朝は引き締めていた手綱を放つ。解き放たれた東国武士団は瞬く間に京都に殺到し、木曽義仲を撃破。源平合戦は、ここに鎌倉軍と平氏との全面衝突の形勢となる。多くの人々の運命を翻弄しながら、内乱は壇ノ浦での平氏滅亡を迎える。一躍、ヒーローとなった義経であったが、兄頼朝との対立から、呆気なく没落し、全国逃亡の身となった。
律令国家が成立するまでの二百年間、倭国の最高権力はどのように継承されていったのか。乙巳の変や壬申の乱などの分析や、姻戚関係から、皇位継承の実態を探る。持統「王朝」の成立過程を中心に古代史の謎に挑む。
7万人を指導してきたコンサルタントが教える。誰でも簡単に身につく6つのスキル。「どうして伝わらないの?」が一気に解消。
これまで単著・全集未収録だった貴重な短篇を精選。自身の従軍体験を反映した表題作から実在の事件をモデルにした作品まで、国民作家が終生問い続けたテーマ「組織・社会と個人との葛藤」を凝縮した全10篇。
触るだけでどんな紙でも見分けられる男・渡部の紙鑑定事務所には今日も、紙にまつわる一風変わった依頼が舞い込む。紙粘土のようなものをぶつけられて怪我をした野良猫たち。漫画の単行本を「不良品だ」と言って、心を閉ざす少年。そして、凶器が消えた奇妙な殺人事件ー。プラモデル造形家の土生井やフィギュア作家の團の知識を借りながら、渡部はそれぞれの事件の真相に迫ってゆくが…。
世界の常識がひっくりかえっても美沙汰にすることができない大事件ー二重三重に閉ざされた孤島の射撃場で、何人もの隊員が見守るなか、小銃が消え失せた!事態を完璧な秘密状態のまま解決するという難題に挑むのは防衛庁調査班の朝香二尉と相棒の野上三曹。謎解きと小説の面白さが奇跡のように調和した傑作。