財政改革・産業開発・倹約奨励・文教刷新等、藩政改革にすぐれた業績あげた米沢藩主上杉鷹山は、江戸時代における名君の一人としてその名を謳われる模範的封建領主である。本書は、戦後目ざましい発展をとげた藩政史研究の成果をふまえ、多年にわたる基礎史料の精査をもとに、この典型的名君の人と生涯に新たな照明をあてた斬新な伝記
現代医療、漢方、いわゆる「健康法」では病気は治らない。仙骨に瞬間無痛ショックを与えるだけで病気がどんどんよくなる。それ以外、一切人間の手を加えることはない。これは奇跡でも何でもない。宇宙、自然、人間を貫く法則が働いたにすぎない。
西大寺の叡尊、極楽寺の忍性。その戒律再興は南都仏教興隆の最高潮というべきであり、またその慈善救済の超人的実践は日本の社会事業史上に不滅の光彩を放つものである。地味な鎌倉旧仏教に属する宗教家としての2高僧の面目と、かれらをめぐる民衆の切実な求道生活とを、根本史料によって鮮かに再現した最初の伝記である。
明治期の自由民権運動の急先鋒、自由党最左翼の驍将大井憲太郎の全生涯を描く。板垣退助や土佐の立志社などの自由党中央派は著名であるが、自由党を乗り越えて進んだ平民的革命派の苦闘を知る人は少ない。本書は大井を中心として、普選運動と労働者農民運動に、生命を賭して闘った歴史の推進力の全貌を明らかにする。
明治4年、岩倉大使一行にまじって満7歳の振袖・稚児髷姿で渡米留学した津田梅子は、不自由な異国の生活を克服して、勉学に励み、長じて帰国後は、女性の解放と女子高等教育の開拓に精魂を尽した。本書は厳密な資料操作に基づき、細やかな愛情を投げかけつつ、梅子の生涯と社会環境とを鮮やかに展開した感動を呼ぶ一編である。
「明恵上人樹上坐像」(京都・高山寺蔵)で名高い明恵であるが、鎌倉時代に次々と起った新仏教の華やかさの裏に、このようなすぐれた旧仏教の代表者がいたということは案外知られていない。本書は、華厳宗中興の祖であり、高潔な仏道実践家であるその生涯を、従来の説話類を排し、正確な史実に基づいてまとめた力作である。
蜜柑山ーそこには神が住むという。香流コンツェルンと旧華族宮根家の血をひく、宮根転布子。目付役の雫石霖、異母弟の竹越健一、結崎麻由、大江晢と蜜柑山の屋敷で暮らしている。転布子は、神と語らうことができる不思議な力を持っていた。そんな力に惹かれるように1人の少女ー石動水流がやって来る。一方、物の怪ー竜ーが日本に侵入しようとしていた。それを阻止するため転布子は、まだ力に目覚めていない水流とともに〈竜退治〉に立ちあがる…新感覚SFファンタジー第1弾。
加賀百万石の藩祖前田利家の実録。信長・秀吉政権の成立と展開に密着しつつ、幸運に乗って自らを開拓する勇気と才能、誠実と機智とを具え、変転する動乱の世に、順調な境遇を保って生涯を閉じる。本書は稗史や巷説に惑わされず、あくまで基礎史科を忠実に踏まえ、豊臣政権の側面を叙して、利家の真面目を描き出す。新装版は、新史料により加筆し、異説の多いその出生年次を解きあかした。
西行思想の中核であり、中世思想史のキー・ワードでもある数奇と無常。名著『西行の思想史的研究』以後究明した西行の諸問題と、その前後数百年間に生きた人びとへの展望によって、このテーマを豊かにわかりやすく描き出す。
関ヶ原の戦に一敗地に塗れ、ついに再起し得なかった三成の末路は悲愴である。秀吉の奉行として縦横の才腕を振っただけに、敵も多く、秀吉の死後はむしろ逆境に追いやられた。豊家の恩顧と、家康打倒との交錯したその心境はどうであったか。本書は四十年の波瀾に富んだ生涯を、正確な史料を通してダイナミックに描く出した。
日本資本主義の父といわれる渋沢栄一は、富農の子として生れ、徳川慶喜に仕え幕臣となり、フランス留学で自由民権思想にめざめ、維新後大蔵大丞となったが官尊民卑の風潮に反発して官を辞し、第一銀行はじめ五百余の民間企業を育て、また六百余の社会事業に献身した。高邁な精神と人間味に富んだその生街を生き生きと描く。
三浦梅園は豊後の僻村にあって生涯仕えず思案を重ね、「条理学」という近世日本における独創的な思想体系を完成した哲学者である。著者は梅園手沢稿本の中に沈潜しつつ、『玄語』以下の幽玄なる条理をたずねて畢生の努力を傾けるとともに、偉大な思想家の生涯を見事に叙述した。深奥な梅園哲学を解明する読書人必読の好著。
佐理は道風・所成とともに三蹟の一に数えられ、平安時代屈指の能書家であった。貴顕の家に生まれて幸福な前半生を送りながら、特異な性格のため、後半生は不遇の連続であった。本書は当時の文献を基礎に、彼の書風を、道風や行成のそれと比較しつつ、その個性の浮彫に巧みな筆致を揮っている。はじめてのまとまった佐理伝。
若手・ベテラン、女性・男性の研究者が集う前近代女性史研究会が、10周年を記念してその成果を問う論文集。「家族・婚姻と女性」「共同体と女性」「家と女性」の3部から成り、日本古代・中世における女性の地位・役割とその変遷を多面的に解明。今後の家族史・女性史研究への豊かな展望を示すとともに、従来の歴史像の修正を迫る。
華やかな歌道の精進をつづける傍ら、すがりつくような思いで顕栄を願う官僚生活。一方悪化してゆく世相の中で所領をおびやかされ、絶間ない病苦に悩まされる。堂上公家とはいえ、やはり一個の人間であり、一代の歌人がたどる苦闘の一生は、まさに反抗的な美の極致の追求でもある。詳細な研究成果と新史料を盛って全容を解剖した著名な堂上歌学者の伝。
『偐柴田舎源氏』によって一世に高名を馳せた旗本戯作者。江戸城大奥を写したものとされて、天保の改革に伴う筆禍事件を惹記し、失意のうちに生涯の幕を閉じる。流行作家としての人気の絶頂と転落ー本書は綿密な史料操作とその全作品批判とをあやなして、従来殆どなされなかった種彦伝を見事に構成する異色作である。
本阿弥光悦・尾形光琳・里村紹巴・角倉予以など、当代一流の人士を姻戚に持った家に生まれ。諸候の招きを固辞して専ら学問に傾倒した1代の硯学。当時朝野をなびかせた朱子学や陽明学を排し、自ら古学を唱え、門弟3000を数えた。儒者としての優れた生涯と、その学統の影響するところを述べ、難解な理論を平易に語る好伝記。
「文武全才第一」とその才能をうたわれる傑物。明末亡国の危機に際会して東奔西走、終に日本に亡命して、徳川光圀に招かれ、わが文教、殊に水戸学に偉大な感化を与えた波瀾万丈の生涯。剛毅にして博学、とくに経世済民、実用・実学を重んじ、清初五大師のひとりにかぞえられる。日中両国の史料を発掘駆使した完璧な朱舜水伝。
あなたは、何をやってもうまくいかず、人生をつらいもの、不自由なものと感じている人間である。しかし、もっと自分の人生を生き生きと発展させ、自由自在に楽しむことができるはずだということも同時に感じている。この両者のギャップは、いったいどこからくるのか知りたいと思ったことはないだろうか?生きることにさまざまな意味で不自由を感じているあなたが、自由自在な生き方をめざす方法はあるのか。この疑問に真正面から答え、人生をリフレッシュする方法を紹介しよう。