祀り上げ、そして祀り棄てられる流行神。木曾御嶽のシャーマンなどの山岳信仰を通して新宗教発生の基盤を探る。富士塚信仰・福の神・オタモイ地蔵から日本人の行動原理に迫り、「世直し」「世直り」などの世界観を究明する。
風葬・遺棄から仏教的葬儀・共同墓地へ。中世の葬墓制はいかなる変遷を遂げたのか。触穢・屋敷墓・京師五三昧など葬墓制の諸相から実態を究明。都の貴族・武士らの葬儀が、地方や庶民へ浸透する様相を明らかにする。
独断の違勅調印、安政の大獄など、“独裁者”と評された大老井伊直弼。だが、実像はまったく違った。埋木舎から彦根藩主、そして桜田門外に斃れるまで、茶道から会得した、凛とした信条に生きた政治家の新たな個性に迫る。
平安時代を代表する陰陽師として、いま注目を浴びる安倍晴明。彼はなぜ陰陽師となったのか。昨今の「超人」イメージではなく、出世・栄達に腐心する中級貴族としての、等身大の実像に迫り、安倍晴明の最大の謎に挑む。
自分の人生はこれでいいのかと心に隙間風が吹くことは、誰にだってあるし何度かはある。それでもまた気を取り直して生きていくのが、わたしたちの人生だ。濃密な人間関係と情念を精緻に描いた甘口ではない、大人の文学。あなたには、親友がいますか。
説話や伝説を交えて、前九年・後三年・奥州合戦の実態を探り、鎌倉幕府誕生へと繋がる時代の流れを追求。幕府の首長がなぜ常に征夷大将軍なのかを考え、征夷の対象とされた東北と、源氏との戦争の歴史的背景を問う。
超カワイイ!超イケてる!建築家ユニット「みかんぐみ」の最新作品集(2003-2006)。日・英・仏・中4ヵ国語対応。
平家を滅ぼした英雄、源義経。帝王学なき帝王・後白河院、鎌倉幕府の兄・頼朝、彼らを取巻く京や在地の武士たち。すべては政治という名の巨大な歯車を形成し、希代の英雄を搦めとっていく。その生涯と失脚の真相に迫る。
美術は誰のため、何のためにつくられ、どこに向かうのか。東西の「美術史」展示の比較、戦後の日本美術の社会構造の検証などから、「美術」「美術史」そして「人間」存在の現在と、アイデンティティーを捉え直す注目の書。
豊臣秀吉子飼いの武将であり、虎退治伝説で有名な加藤清正。はたして彼は忠君・武勇の英雄なのか、無慈悲・兇暴な侵略の尖兵だったのか。秀吉の朝鮮侵略における清正に焦点をあて、新たな人物像と侵略の実態を描く。
名告、詞戦い、聞き逃げ、悪態祭り、「おらぶ」、売り声…。歴史の中で言葉はいかに発せられ、それはどのような働きをしたのか。訴訟や合戦での名のり、神仏への叫びなどを事例に再現。顔を隠す意味、詞の持つ力などを検証して、文字史料には残らなかった口頭伝達の世界に迫る。
明治時代のジャーナリスト。不遇な家庭環境や司法省法学校退学事件など、青年期に雌伏を余儀なくされるが、政界との人脈を得て中央進出し、新聞記者の道を選ぶ。徳富蘇峰らと対峙し、時代の直面した事件に独自の論説を展開する一方、『日本』主宰者として新聞社経営に腐心する。時流に迎合しない「独立新聞」をめざした孤高の人生51年に迫る。
大内・尼子・毛利・大友・島津・長宗我部ら、海外との交易のもたらす実利と地域の覇権をかけた西国大名たち。その激闘の軌跡を追い、戦乱の世を生き抜くため苦闘する国人・土豪・村人ら、戦国期西国社会の群像に迫る。
近松門左衛門=心中物禁止、英一蝶=三宅島流罪など、江戸時代は、筆禍事件の続発ときびしい言論統制、弾圧の時代であった。市民的な文化活動の盛行と幕府による統制・弾圧の実態を当時の世相を交え、わかりやすく描く。
団塊世代の大量定年時代をむかえて様々な論議が広がっている。数の多さゆえに、注目され続けてきた団塊世代とは何だったのか。同世代の著者が、聞き書きをもとに、異世代の視線を探り、その時代とこれからを語る。
江戸のガイドブック『江戸名所図会』などの木版印刷物には、現実にはない虚構の江戸が描かれていた。消える江戸城と成長する場末。近世的「平和」の表現。江戸の人びとは自らをどう知らしめようとしていたのか。
作曲家・阿久悠のオールマイティさを素直に実感させるナンバーが揃った女性アイドル編。昭和後期という一時代、素直なままの“夢”“希望”が、まだ当然のように世の中にあふれていたその頃が、間違いなくここに集められた20曲の歌詞のうちに蘇る。