奈良時代、本当に天智天皇と天武天皇の子孫が対立し、天武系の皇統が皇位を独占していたのか。天智以前の王位継承から、壬申の乱、草壁皇統意識の誕生、桓武天皇の皇統継承方式までをたどり、奈良朝の政治史を読み直す。
山東半島の利権をめぐり第一次世界大戦に参戦した日本。ドイツとの開戦、英・中国との外交交渉の過程からその国家的意志を追究。シベリア出兵へ続くヨーロッパの政治状況の構造変化を、反戦思想家の足跡から検証する。
跡継ぎが優遇された江戸時代。親や兄に扶養される「厄介」だった次男、三男たちは不遇だったのか。幸運にも養子先のあった者、養子先を廃嫡された者、ご落胤や女性の厄介の人生から、公家社会の家の継承問題に迫る。
真言密教・大僧正恵観師のあなたを幸福にする50の言霊。
『古事記』はひとつの完結した作品として把握されねばならない。「高天原」「葦原中国」「黄泉国」「根之堅州国」の位置付けに新たな見解を示し、『古事記』が上中下巻を通して構築する独自の世界観・主張を解明する。
補陀落渡海とは何か。観音菩薩が住む南方の浄土=補陀落世界を目指し、現身を舟形の棺に納めて大海原に船出した人びとがいた。宣教師の記録や絵画史料、渡海船の構造から、「南方往生」と補陀落渡海の世界観を解き明かす。
最も江戸的な高利貸ともいえる札差。享保九年株仲間を結ぶ以前の状況から、幕府権力と癒着した十八世紀中期の発展、寛政・天保改革の債権帳消し令、維新前後の営業分析など、金貸し商人の実態を探る。
古代の家族・親族関係の変化は、国家の誕生と深い関わりがあった。縄文から古墳時代まで、人骨とその墓を人類学・考古学の最新の成果から分析。現代とは異なる古代の家族や親族の実像に迫り、その歴史的意味を問う。
幕府を震撼させたキリシタンの武力蜂起「島原天草一揆」。原城の発掘成果や豊富な文献から戦いを検証。経済闘争か、宗教戦争か、あるいはその問いに問題はないか?近世社会に大きな影響を与えた一揆の歴史的意義を探る。
歴史時代から薩摩入り、米軍統治時代を経て現代まで。歴史遺産や、信仰、年中行事、芸能、方言、料理、自然、移民、基地、観光…。独自で豊かな文化を育んできた沖縄社会のすべてを網羅した多彩な九五〇項目を収録。
奥州平泉の藤原氏に匿われている源義経をめぐる京都・平泉・鎌倉間の駆け引きと、奥州合戦が焦点となる。秀衡亡き後、奥州藤原氏の家督を継いだ泰衡は、文治5年(1189)閏4月、鎌倉からの圧力に耐えかね、とうとう義経を自害に追い込む。それでも頼朝は泰衡を許さず、泰衡追討の宣旨を待たずに自ら大軍を率いて奥州に向かい進発する。
古代国家が、蝦夷を武力で制圧した「征夷」。伊治公呰麻呂の乱をはじめ、阿弖流為と坂上田村麻呂の戦いなど、八世紀から九世紀に至る幾多の戦乱を検証。征夷に関わった人々に焦点を当て、蝦夷支配の真実を描き出す。
父桓武天皇の政治を引き継ぐ一方、大規模官制改革、側近官体制の整備、地方行政の掌握など、矢継ぎ早に新政策を展開した。譲位後も太上天皇として尽力したが、薬子の変によって晩年は隠棲を強いられた。在位わずか3年だったが、その業績は後の王朝貴族社会を基礎付けるもので、生まれながらの天皇として一身に国家を担った悲劇の生涯を追う。
最初は「皮だけ」をむいて作っていたが、そのうちに実をそのまま生かしたり、皮の裏表を使ったり、技法も広がって今では80作品を数えるまでに。その中から今回は選りすぐりの38作品をご紹介しよう。友達と、家族と、同僚と、ぜひとも愛する人たちと一緒に「みかんアート」を楽しんでほしい。