六世紀末から七世紀にかけての古代日本の政治状況は、きわめて複雑な様相を呈していた。こうした時代の皇位継承問題を新しい視点から詳しくわかりやすく説き明かし、古代天皇制を確立させる王者たちの心情と葛藤を余すところなく描き切る。さらに論は律令国家の貴族・僧侶・民衆の動向にまでおよんで八世紀の日本をダイナミックに取りあげている。
大杉栄・和田久太郎・辻潤・石川三四郎、テロリスト集団のギロチン社に属した人々の思想を究明。社会の根源的革命を標榜しつつも、孤立していったアナーキストたちの思想、社会観を克明に分析、思想の構造を提示する。
和銅元年の銀銭・銅銭の鋳造、発行に始まる日本の貨幣について、その歴史を叙述。皇朝十二銭、撰銭令、貨幣改鋳など、重要問題を的確に解明する。日本の貨幣の歴史を、先行研究を基礎に分り易く詳述した最新の書。
三代将軍家光は、幕藩制国家の基礎となる政治機構を確立させ、「鎖国」政策を推進した。この画期的時代の政治過程を、複雑な東アジアの国際関係と幕藩関係を中心に解き明かし、これまでの寛永時代のイメージを一新した。
江戸時代、「呪術者」の殿様がいた。新田岩松氏が描いた猫絵は鼠を追い払うとされ、幕末に、人々がその劇威を求めて集まるなか、殿様は彼らを糾合して倒幕運動に立ち上がる。時代の地殻変動を分析し、近世社会を再考。
熊野修験は教派修験成立の母胎をなし、中世庶民宗教を主導したが、未だ体系的に論じたものはない。本書は、熊野修験が最も活況を呈した中世期に焦点を当てて、その思想と儀礼、成立、展開、各地での活動等を跡づけた。
さまざまな特徴をもつ日本民族はどこからきて、どのように形成されてきたか。その謎を、人類進化の壮大なドラマの中で、ごく普通の集団として生れたことを追求。人種偏見や差別がいかに根拠のないものかを浮彫りにする。
自然に畏怖を感じていた中世の人びとは、地震・洪水・戦乱などの災害は神の摂理であり、その前兆があの世から送られてくると考えた。天文・動植物などに見られる様々な異変から、中世人が災害をどう予測していたかを考える。
中世から近世への歴史展開は畿内近国にあったとして、近江国を対象に、百姓・村落、土豪・地侍、国人、寺社、戦国大名という諸勢力の存在形態、相互緊張関係を、社会集団を視点に考察し、総体としての地域社会を捉え、戦国期社会の様相を探る。「社団」としての村落、「地域的一揆体制」、寺社の連合、浅井・六角氏の歴史的地位を明らかにする。
祭祀・経済・政治が密接不可分な古代において、女性と祭祀の問題は、王権論をはじめ、どのテーマにも重大な関わりを持つ。しかしこれまで、女性の重要な役割は、とかく神秘性・巫女性に結びつけてすまされがちであった。歴史学の立場から、従来の女性不在の女性祭祀研究を全面的に問い直し、新たな古代史像を提示する。民俗学にも一石を投じる書。
新宿西口で若い女の上半身だけの死体が発見された。その日、被害者はワインを持って付近にたたずんでいたらしい。数日後、ワインを持った女をマークすれば犯人が現れる、との密告があり、女囮捜査官の北見志穂は犯行現場に張り込むが、その女が高速バスに乗り込んでしまった。やむなく上司の遠藤に追跡を委ねるが、生きて乗車したはずの女は収容トランクに入ったボストンバッグの中で死体となって発見され、遠藤は行方不明-さらに同僚の広瀬と水樹が惨殺され、特被部は壊滅状態に!最後の標的は志穂なのか…。
平安四百年の舞台に登場しては去っていった者たちの栄華と凋落の軌跡を語る珠玉集。あわせて平安時代の必須史料である日記の概説と『御堂関白記』『渡宋記』「院宮文書」読解の実例を示し、時代史入門の手引きとする。
神秘の骨「仙骨」はアルファー波活性のカギだった!瞬間無痛良法・ペインレスメソッドでアルファー波はどんどん出てくる!!MRT瞬間無痛良法の驚異が満載。
日本の古代国家がどのような過程をへて成立したのか、創成期の政治権力の構造に焦点をしぼり、大化前代の氏族合議制、律令制成立期の「皇親政治」、律令国家における政権構造という三つの視座から解き明かしていく。
21世紀間近の現代社会も、さまざまな差別を内包し生成している。身分と差別を生み出した歴史の原点にかえり、卑しい身分とされた人びとが、何故に差別されることになったのか、天皇制や宗教思想などを通して解明。
国民学校は、1941年「皇国の道に則り」、学童を銃後の戦士として「錬成」する目的をもって生れた。敗戦後、その実態を知るべき書類の多くは焼却されたが、奇跡的に残された資料から、教育の内容と悲劇を追求する。
今や国民的行事と化した高校野球大会。全国を興奮のるつぼに引き込む汗と涙と感動のドラマ、その始まりには新聞社の社運を賭けた拡張競争があった。80年に及ぶその歴史をたどり、日本独特の野球観の形成を考える。
自然に対して生命を感じ、崇拝する信仰=アニミズム。本書は死霊崇拝を中心に、日本列島から東南アジアにかけてのアニミズムの実態を、豊富な事例をもとに明らかにし、人間の心の底に横たわる自然への思いを見つめなおす。
悪党は武装して歴史に登場した。派手な甲胄、光りきらめく太刀・長刀のいでたちは、綾羅錦繍に通じる反逆の表象でもあった。ゲリラ戦の楠木正成、バサラの佐々木道誉らをまじえ、内乱を生きた人間の意識と行動にせまる。