平安王朝の女性は、宮廷を飾る花ではなく、家政をとりしきり、時には政治まで動かす存在だった。生い立ちから結婚、子育て、老いにいたる年齢による家での役割分担、長寿を全うして至福の時を迎えるまでの一生を描く。
鎖国から開国へと向かう大きな時代の流れを、人びとはどう感じていたのか。情報操作により民衆心理のコントロールをはかった幕府、独自に情報を入手した村人たちを通して、異国情報を求め奔走した幕末日本の姿を描く。
21世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。没後発見された処女戯曲「サウロ」、未刊行長篇「満潮の時刻」など7篇。
ヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教、イスラム教、ソロアスター教。わかりやすい“インド宗教入門書”。
山伏修験者を兵道家として召し抱え、加持祈祷や、敵の呪詛調伏に当たらせていた薩摩藩。歴史ある薩摩兵道家の家に生まれ、天賦の才と厳しい修行により強い霊力を備えるに至った石田鉄彦は、西郷隆盛の密偵として京に上る。薩長同盟から戊辰戦争、江戸無血開城へと、日本の夜明けのために奔走する西郷を支え、裏舞台で霊力を発揮する鉄彦。しかし鉄彦たちに、かつて滅びた南朝の手に天下を取り戻そうとする闇の勢力が襲いかかる。呪詛によって江戸の結界を破ろうとする闇の勢力と、それを阻止しようとする鉄彦の熾烈な戦いが始まったー。現代の怪僧による歴史スペクタクル小説!
女性史研究の成果を集大成した初の本格的「女性史辞典」。女性に関わるあらゆる分野を網羅した画期的編成。女性関係人名辞典としても使える充実した人名項目。幅広い多彩な項目!重要項目は時代・分野別に詳細に解説。分かりやすく、使いやすく、調べやすい編集。理解を深めるテーマ別の口絵と本文図版。詳細・便利な索引と時代別・分野別項目一覧。
寛喜の大飢饉。繰り返し襲い来る大火・怪異・疫病・地震・洪水。日本最初の武家法典『関東御成敗式目』の制定。評定衆による合議制の確立。天災に、幕府運営に、奮闘努力する執権北条泰時。泰時の主導のもとに花開く執権政治。それは鎌倉幕府の黄金時代であった。そして泰時の孫経時・時頼、甥金沢実時ら、次代をになう若者たちが元服を迎える。
伴大納言とよばれて絵巻物などにも登場する伴善男は、史上有名である。応天門炎上の事件にかかわって没落の悲運に泣いた彼には、多くの謎が秘められている。本書は、その波瀾に富む生涯を巧みに描き、事件の真相をえぐりだした最初の伝記。叙述は明治の大逆事件にもおよび興味つきない。日本史に関心をもつ読書人におくる異色の伝記。
美術は誰のため、何のためにつくられ、どこに向かうのか。東西の「美術史」展示の比較、戦後の日本美術の社会構造の検証などから、「美術」「美術史」そして「人間」存在の現在と、アイデンティティーを捉え直す注目の書。