一九三三年、当時インドの一部であったダッカに生れたアマルティアは、ノーベル文学賞を受賞した詩人タゴールが創設した学校で学び、ベンガル大飢饉を目の当たりにし、そしてイスラム教とヒンドゥー教の激しい宗教対立に衝撃を受ける。のちにノーベル経済学賞を受賞する少年は、イギリスから独立していく激動のインドで何を感じ、何を学んだのか?原点となる少年時代の体験から、大学で最先端の経済学に出会うまでを、独特のユーモアを交えて軽やかに語る。
ヒンドゥーとムスリムの対立が時に暴動に発展、深刻な社会・政治問題となっているインド。近年、暴動の要因となる住民間の対立を早期発見し、警察と住民の連携によって解決する取り組みが見られる。本書では7つの事例を比較検討し、今後の拡充のために政策提言を行う。
二千四百年の昔、ガンジスの支流域、菩提樹の木陰で、ブッダは何を覚ったか。入滅後、教団分裂の中で精緻に編まれるアビダルマ哲学。やがて大乗仏教が勃興し、中観・唯識により空の理論が体系化される。インド亜大陸を満たし、巨大なアジアの宗教ともなった仏教の流れを、真実のいのちへの「覚り」と一切の「空」というキー・タームのもとに展望する。
議論の上に開花する思想。未解読文献『論理の花房』「議論学章」を繙き、仏教などのインド哲学諸派の見解を踏まえて、インド議論学史の一端を解明する。
インドを知る読み物として、また、植物を知る事典として、印度植物誌のバイブルとなっている『インド花綴り』。気にしつつも後回しにしてきた重要でよく知られた植物や、何げなく見過ごしてきた身近な植物の話を綴って、有終の美を飾る。
古代以来、有数の巨大経済でありながら看過されてきた、独自の発展のダイナミズムとは何か。地理・気候から商品・技術・知識まで、地域の固有性と世界経済との接続の効果を縦横に論じ、アジアとヨーロッパを結ぶ経済の全体像を浮かび上がらせる。現代の興隆への道筋をも示した初の通史。
料理、映画、伝統芸能、音楽、祭事など、いま注目の南インド独自の濃厚なカルチャーを豊富な写真と文章でまとめて紹介する南インドガイドブック登場!
ずっとみなみのくにインドの、とおいむかしのおはなしです。あるとき、かぜのかみワーユにむすこがうまれました。ワーユはたいそうよろこんで、そのこにハヌマンというなをつけました。そして、おくさんのアンジャーナにいいました。「このこは、やがて、りっぱなちからをもったかみになるにちがいない」。読んであげるなら4才、自分で読むなら小学校初級むき。