政官財の癒着、蔓延する縁故主義、地方政界やスポーツ界を蝕む汚職体質ー。手練れのジャーナリストが、超富裕層の生態を通してインド社会の明と暗を鮮やかに描いた驚愕のノンフィクション。
特異な連邦制国家インドで繰り広げられる、教育政策決定の権限をめぐる中央と州の相克。13億もの人口を擁し、宗教・言語・民族的にも多様性に富むインドでは、「インド人」としての国民統合を果たすため連邦制が採用されている。他方、インドの連邦制は「中央集権的連邦制」とも呼ばれ、各政策決定に中央政府が一定の権限を有する特異なものだー。本書では、グローバリズムが進展した1990年代以降、教員資格や入試など各制度の政策決定権をめぐって顕在化した、中央ー州両政府間の緊張関係を明らかにする。インド教育制度の複雑な仕組みを丁寧に解きほぐし、その体系的な分析を行った類書なき一冊。
前世から自分が死ぬ日までーすべての運命が予言され記されているというインドに伝わる「アガスティアの葉」。この神秘に触れようと、神戸の異人館街の外れにある屋敷に“インド倶楽部”のメンバー七人が集まった。その数日後、イベントに立ち会った者が相次いで殺される。まさかその死は予言されていたのか!?捜査をはじめた臨床犯罪学者の火村英生と推理作家の有栖川有栖は、謎に包まれた例会と連続殺人事件の関係に迫っていく!
長い歴史と多数の異なった民族から成り、広大な地域の中で様々な伝統文化を併存させている国インド。日本人には想像もできないほど人々の考え方の振幅は大きいが、その精神的豊かさには瞠目すべきものがある。多様でありながらインドの底流をなす思考方法とは何か。本書では、国名「インド」の由来やインダス文明の興隆から説き起こし、ヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教、『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』の二大叙事詩、論理学など、インドを特徴づける主要な思想のエッセンスを、仏教・インド哲学研究の泰斗が解説する。
社運を賭け、巨大ビジネスとなる高純度人工水晶開発に取り組む藤岡は、インドのある町から産出された高品質の種水晶を求め現地に向かう。宿泊所で娼婦として遣わされた少女ロサ。彼女は類稀なる知力を持つ不思議な存在で、更に以前地方の村で目撃した「生き神」だった。鉱山からの帰途に遭難した藤岡はロサの能力に助けられるが…。古き因習と最先端ビジネスの狭間で蠢く巨大国家の闇に切り込む、超弩級のビジネスエンタメ。第10回中央公論文芸賞受賞作。
インドタラブックスで手作りされたハンドメイド本。
二千年以上にわたって重ねられてきたインドの思想的営みから、私たちは何を学ぶことができるのか。世界の成り立ち、存在と認識、物質と精神、業と因果、そして言葉それ自体についての深い思索の軌跡を、原典読解をふまえながら考察する。難解と思われがちなインド哲学のおもしろさと広がりをとらえる、刺激的な入門書。「10講」シリーズの哲学・思想編。
「太陽の町」から「日出ずる国」へ。日本の家族関係や社会、子供の教育、ビジネス…。どこが素晴らしいのか、なにがおかしいのか。世界に誇れる国になるために必要なものはなにか。これまでにない比較文化論。経営者として大学教員として母としてのあたたかくも冷静な洞察。
図解でわかる!基礎知識と権利化実務のポイント。特許事務所企業知財部が知りたい!日本の弁理士とインド弁理士がすっきり問題解消!出願時チェックリスト付き。期限管理リスト付き。
ヒンドゥ教からは外れた旅する特殊な共同体の人々が、乞われて村落や町内を訪れ、地域主催者の望む精霊、動物神、先祖霊(神)などに憑く憑霊、儀礼芸能「ブータ」の実態を解明する。また「シリ」と名づけられた伝説的、神話的女性の生涯の物語に熱狂する信女たちが「シリ」に憑依することで自らの一生を熱烈に確認する祭礼の驚くべき光景を描き出す。本書は日本で初めての南インド、アラビア海沿岸に伝播する二つの民俗儀礼とその祭礼の深層を探った力作である。
ずっとみなみのくにインドの、とおいむかしのおはなしです。あるとき、かぜのかみワーユにむすこがうまれました。ワーユはたいそうよろこんで、そのこにハヌマンというなをつけました。そして、おくさんのアンジャーナにいいました。「このこは、やがて、りっぱなちからをもったかみになるにちがいない」。読んであげるなら4才、自分で読むなら小学校初級むき。
後期密教の源流となる経典から、多面多臂の忿怒尊が主役となる代表的な聖典、さらには名号の読誦、古代インド人の冥界観、瞑想による成就法を示す聖典に、大注釈家の儀軌と手引き書まで網羅しわかりやすく解説。