本書の特徴は、広い南アジアの民話を一冊のなかに収めたことです。第一章で民話が語られる地域とそこに暮らす人たちのことを紹介したうえで、それぞれの地域の雰囲気を表わす民話を一話ずつ載せます。第二章から第七章では、民話を内容や登場人物でまとめて紹介します。
ガンダーラやマトゥラーの仏像から、釈迦や阿弥陀の三尊像、弥勒・観音等の菩薩像、天部や忿怒尊、女尊、さらに日本の両界曼荼羅と別尊曼荼羅まで、アジア全域を視野に入れて、仏教美術を総合的に解説する。図版総数170点。
「文明の十字路」北西インドを中心に、世界史的視野から密教美術の誕生に迫る。「ガンダーラ仏」で知られる北西インドでは、東西文明のせめぎ合いの中で、密教の時代まで仏教が存続し、その影響は中国やチベットにまで及んだ。本書は、その密教美術の形成過程を総合的に分析した、わが国で初めての本格的研究書。図版多数。
鳩摩羅什訳『中論』とチベット語訳『無畏註』の梵原本は同一書であることを、全二十七品(章)にわたって実証し、青目釈より漢訳者・羅什自身の中観思想を抽出。加えて、仏護、清弁、月称、観誓までの『中論頌』解釈を対照し、各々の特徴を浮彫にする。本書『下』では全四巻中、巻第三、巻第四を収録。
天才コンサルタントが見た、日本企業と人々の「何コレ!?」
人間の生命エネルギーを活性化させ解脱にいたる修法。母タントラの原形となる聖典から、チャクラ・三脈管を活性化する代表的な聖典、シヴァ教と関係の深い儀礼や意識を死後に遷移する儀礼に触れた聖典に加えて、無上瑜伽タントラの最終形態の聖典までを網羅しわかりやすく解説。
40年以上、70数回の渡印歴から浮かび上がる、この国の政治・経済・宗教・文化・教育・風土…。奥の奥を知るための、渾身のフィールドワーク。
マルマとは「ダメージを受けると即死に至る臓器、急所」。アーユルヴェーダでは、マルマは治療ポイントとして扱われ、その位置は秘伝とされている。サンスクリット原典と解剖学を照らし合わせ、秘伝とされるマルマの位置を特定。著者作成の解剖イラストと近接する経穴の名称を掲載。ヨーガ、アーユルヴェーダ、インド古代武術とマルマの関連性、マルマと混同されがちな経穴との相違点を徹底解説。
台頭するインドはいかなる大国となるだろうか。また大国化することでその軍事戦略はどのように変化するのだろうか。本書はこの問いに答えようとしたものである。実はインドは多くの実戦経験をもち、その経験を通して、大国としての軍事力運用の在るべき姿を学んできた国だ。周辺国との緊張関係のなかで、その動向に注目が集まるインドの軍事戦略への理解を助け、日本の安全保障への貢献をめざす。
動員されるだけの民衆から、自立し要求する民衆へ。指導するだけのエリートから、民衆の要求を政策化するエリートへ。サバルタン研究が曖昧なまま置き去りにしてしまった民衆を、エリートとの双方向的関係から改めてとらえ直す。
日本文化の理解者として、そして怪談の紹介者として知られる小泉八雲が、ヒンドゥー教と仏教に強い関心を寄せ、深い理解を有していたことは、あまり知られていない。ハーン自身によるヒンドゥー教・仏教関連論文に豊富な訳注を付し、その新たな側面に迫る。インド哲学の第一人者による、全く新しい小泉八雲論。
統計の生産と利用の一般理論がいまパラダイム転換に匹敵する状況変化にある。統計制度における行政記録の役割の本質は何か?インド統計改革の欧米との比較検証により解明。
インドのヒンドゥーとムスリムの関係は多面的で複雑である。そればかりでなく、それは非常にデリケートでホットな現代の政治問題でもある。限られたスペースのなかで総花的に扱うと、舌足らずになり、一般の読者には非常にわかりにくく、誤解をまねく虞れさえある。本書ではポイントを絞り込み、そのかわり、できるだけ丁寧に説明する方法をとった。インドのヒンドゥーとムスリムの関係は、兄弟や夫婦のそれに譬えられることがある。彼らが、日本人には想像もつかないほど、複雑に入り組んだ関係にあることについて、理解を深めていく。