インドで始まった仏教を、世界的規模での思想・哲学・宗教という広範な視野と深い洞察でとらえ、それを常に人間の生活の場との関連において説き、その実践をつらぬく人生の師中村元と、かつて僧籍にあった作家水上勉による対話。
東西の中世思想に秘められた驚くべき平行的発展を解明する。西洋中心の既成概念を捨て、事実を冷静に見つめ直し、本来の「中世」を取り戻す。
アウト・カースト出身の青年マータンガが身分違いの恋を成就させるため意を決して門前にいすわり、7日後ついに富豪の娘を手に入れるという物語。ほか37話を収録。
真理を求める対話。仏教を始めとするインド思想は我々の想像以上に西方世界に影響を及ぼしていた。歴史の闇に埋もれた知られざる交流の軌跡を明るみに出す。
自治都市時代の三百年間、政治・経済・文化各方面にわたって咲き誇ったイタリア。だが、宗教改革と反宗教改革を分水嶺にしてヨーロッパ史の主役から転落する。下巻では、ボルジア家の栄華や、ダ・ヴィンチ、ラファエッロを始めとする芸術家の活躍など、ルネサンスの最盛期から翳りまでを詳述する。
さまざまな異文化との交流のなかに日本を位置づけ、独自性や特殊性ばかりが強調されがちな日本の思想と文化を世界史的視点から縦横に論じる。新編集による決定版選集。
いま未曾有の転換期に、我々はどう生きればよいのか。人間のみなもとに立ち帰り、温かな心を生きることの大切さを語る。
新編集による決定版選集。地域や民族を超えた思想。主な文化圏で都市が成立し世界国家へと発展していく時代に現われた諸思想。それらの持つ普遍的意義を既成の教義学とは異なる視点から解明する。
仏教経典を片端から読破するのはあまりに大変だが、重要な教えだけでも知りたいー本書は、そうした切実な希望にこたえるものである。なかでも、釈尊の教えをもっとも忠実に伝えるとされる、「スッタニパータ」「サンユッタニカーャ」「大パリニッバーナ経」など、原始仏教の経典の数々。それらを、多くの原典訳でも知られる仏教思想学の大家が、これ以上なく平明な注釈で解く。テレビ・ラジオ連続講義を中心に歴史的・体系的にまとめたシリーズから、『原始仏典1釈尊の生涯』『原始仏典2人生の指針』をあわせた一冊。
恐ろしい女夜叉の島に漂着して色香に誑された商人たちのうち、雲馬王のことばに従ったものだけが命拾いした物語。ほか110話を収録。
火中に身を投じてまでも仙人に供養しようとしたウサギを帝釈天が救い、月にその姿を描いて永く徳をたたえたという物語。ほか85話を収録。
ヴェーダの神々の多様な姿を、その讃歌の邦訳をとおして概観し、さらに人間の考察、哲学思想の萌芽等を探り、インド思想の源流を示す。新編集による決定版選集
合理主義、自我の自覚、宗教的伝統や人間性に対する評価の変化など、近代的思惟の特徴を解明。刊行開始から11年、決定版中村元選集全巻完結。
国を追われてもなお布施の徳を称えつづけ、ついには最愛の妻や子をも布施するにいたる、ヴェッサンタラ太子の物語。ほか2話を収録。