雑然とした思想の断片が精緻な体系へと発展していく。意外な発見に満ちたその経過を原典批判研究によって明らかにする。仏教思想体系化への歩み。
インド人自身によるインド哲学概説。インドの哲学体系のうち主要な16種類を叙述した概説書『サルヴァダルシャナ・サングラハ』(14世紀、マーダヴァ著)を世界で初めて全訳。
聖典と言語、その深みを探る。永遠の言葉・ヴェーダをめぐるミーマーンサー学派の斬新な議論。言語哲学の完成者バルトリハリが説く、世界の根源・存在の本質としての言葉。
神秘的傾向が強いインド哲学の中で異彩を放つ論理学・合理思想の系譜を西洋思想と対比しつつ解明。両学派のスートラの全訳注を収録。
歩み続ける指針。NHK「こころの時代」での対談をベースに新たな対談を加えて再構成。より実践的に語られるわたしたちの道。あたたかい言葉のなかから浮かび上がる仏教のエッセンス。
われわれ日本人の生活や思考、感情のなかには、仏教に由来するものが非常に多く認められる。たとい自覚していなくても、われわれの意識の深層においては根強くはらいている。われわれが日常何でもなく使っていることばのなかに仏教的なものがなかなか多いので、これをとり上げて考えてみることにした。
古来から人々を魅了しつづけ、各地の古寺・名刹にまします仏像。永遠の理想の姿を縦横に探る。
常識をくつがえす知。いかなる権威も認めない孤高の禅者・鈴木正三、近代的な学問を先取りした古典学者・富永仲基。時代のはるか先へ駆け抜けた奇蹟の思想家たち。
拍手かっさい!!アシカ人生に学ぶもの。ロマンを賭けた鳥羽水族館の記録。
1873年スリランカに於て、一万人の観衆の前で、一人の僧と二人の牧師によって、キリスト教か仏教かの大論争があった。その結果は、どのようになったであろうか。
作家・水上勉が、仏教学の第一人者・中村元に仏教の歴史とその教えについて学ぶ。各宗派の開祖たちの言葉をてがかりに、それぞれの仏教の精神について学んでいく。時に水上勉が、トンでもない質問をして中村先生を困らせる。だが、コレが意外な真実を引き出して行く。日本の仏教の歴史と教えを、対談で読みやすく分かりやすく学べる。
仏教が発展・展開するなかで、やがて「一切衆生」の救済を説く大乗仏教が生まれてくる。それは日本にも伝来し、聖徳太子の昔から、その精神形成の基となってきた。「空」の理論が凝縮された『般若心経』『金剛般若経』、在家信者がなみいる菩薩たちをやりこめる『維摩経』、女人の説法として名高い『勝鬘経』、そして「諸経の王」と呼ばれる代表的大乗経典『法華経』と観音菩薩の慈悲を説く『観音経』など、なじみ深い仏典の数々。
日本仏教でもっとも多くの信徒をもつ浄土教の根本経典、『阿弥陀経』『大無量寿経』『観無量寿経』のいわゆる浄土三部経から説きおこし、全宇宙を包括する荘厳世界を描いて菩薩行を強調する『華厳経』、禅宗に多大な影響を与えた『楞伽経』、護国経典として名高い『金光明経』、さらに真言密教の真髄『理趣経』へと語りすすむ。原始仏教から大乗仏典まで、代表的経典をとりあげた中村元博士の好評仏典講読シリーズ、ここに完結。
海外における比較思想研究の動向を紹介し、あわせて日本人の考え方を世界の諸思想のなかに位置づけた先駆的著作。世界各地で永い年月をかけて育まれた思想・哲学が大きなスケールで克明に論じられる。
東洋とか西洋とか、科学と宗教などとして対比される論理の違和は、思考の位相のずれによってもたらされる。「ある」を現実的に把握する多値論理こそ、実態に根づいた合理的思考ではないのかー。インド学の権威が公開講演と対話をもとに示す、新しい“論理”への視座。