佐々井秀嶺ー約四〇年間、一度も日本に帰国せず、灼熱の大地・インドで不可触民解放と仏教振興運動に命を捧げる僧侶がいる。今日、佐々井は全インドにちらばる仏教徒のみならず、その名を全インドに広く知られ、“不可触民解放の父・アンベードカル”の遺志を継ぐ大指導者として、ラジヴ・ガンディー以後、歴代大統領、首相たちで知らぬ者のない“荒法師”である。異国に生き、その他の何百万、何千万という民衆にかくも慕われ、その魂に溶け入った日本人がかつて存在しただろうか?女に悩み、“人間失格者”と自らに烙印を押してきた、悩み尽きない数奇にして波瀾万丈の彼の人生は、日本の民衆とインドの民衆が織りなす壮大なドラマである。
インドカレー、タイ風カレー、欧風カレー、おうちカレーの4タイプにサラダ、漬物、カレー味の絶品おかずもプラス。
人の心の闇に憑き歴史の暗部に蠢く“妖の者”と、“神”の識格をもってそれを退治する“空の者”。生身の人間では見届けられぬ、太古より続く両者の戦いに、終止符が打たれる時が近づく。鏡の世界からひきもどされるも、三週間にわたって眠り続ける里見十九郎を巡るそれぞれの想いが交差する「緋色の糸の研究」、路地裏の隠れ家レストラン“シェヘラザード”を舞台とする不可思議な“契約”にまつわる物語「千夜一夜の魔術師」の中篇二篇を収録。大河シリーズ、完結へのカウントダウン、いよいよ佳境に!
多彩な歴史に織りなされたバクトリアの古都バルフから、仏教都城として有名なバーミヤンを結ぶルートはインド古道と呼ばれる。唐の仏僧玄奘が著わした『大唐西域記』もここを旅しての記録だが、この古道上に屹立する巨像たちはいつ、だれにより、なんのために造られたのか。19〜20世紀にかけてこの謎に挑んだ西欧の探検家たちが、近代の夜明けを迎えるアフガンを駆け巡りながら遂にその秘密の一端を捉えるに至るドラマを描く。
旅において出合うのは、つねに自己自身である。見たり、聞いたり、肌で感じたひとつひとつが、自分史の流れを変え、内面を豊かにしていく。そして、また新しいページが始まる。インディアナ、いつの日にかまた…。