岡倉天心とプリヤンバダ・デーヴィーの間にかわされた至純の魂の交感。2人の運命的な出逢いに深い哀切の念と永遠性を見た著者が、その熱い思いを流露した長篇エッセイ!
二千五、六百年の昔、ルンビニーの花苑に釈尊は誕生した。のちに悟りを開いて仏陀となり、いまなお人類の偉大な師であり続ける釈尊は、どのような生を生きたのだろうか。本書は、仏陀=釈尊の足跡をたどりながら、厳しさの中に静謚をたたえたインドの自然、そして生と死の混沌の中に営まれる人々の暮らしをとらえたオールカラー写真集である。気鋭の写真家・川人忠幸の作品と、仏教学者として知られるひろさちやの解説が結びついた、感動に満ちた一書。
独立前夜のインドを舞台に、少年シャムの成長を、母親とのふれあいをとおして描く。そこには、日本人が失った親と子の愛の絆がある。現代インド不朽の名作、本邦初訳。
インドで壮大な哲学と宇宙観をつくりあげた密教は、シルクロードや仏教南伝の道を通って中国へ渡る。そして、さらには弘法大師・空海によって、日本にもたらされ、日本人の精神の地下水になった。密教学界の最高権威が、その密教の宇宙を語る。
西欧の文化芸術に親しもうとする人にとってギリシア・ローマ神話の知識は不可欠である。この分野の学問的研究は長足の進歩をとげたが、しかし神々と人間の豊かで興味つきぬ世界を描いたブルフィンチのこの書物はすこしも価値を減じていない。『伝説の時代』の中から神話篇の全部を収めた。付 インド・北欧神話。
熟年を迎えたら、人はどう生きるべきなのか。古代インドのバラモンたちは、「林住期」として,森や林に行って人生を振り返り静かに瞑想の日々を過ごせと説いている。インド史研究者であり推理小説作家でもある著者が、ヒンドゥー、イスラムの古典をひもときながら綴る「林住期」の境地。
西欧の列強諸国が帝国主義的領土拡張を続け、その植民地経営に汲々としていた時、イギリスは、常に専門の高等教育を受けた優秀な人材を現地に派遣しつづけた。このことが、仏独蘭といった国々に比べて高水準な安定統治を可能にした最大の理由となり、植民地から撤退後の独立国同士の関係にも深く影響している。本書では、自ら植民地を所有するほどの大植民地インドを例にとり、その官僚の選抜・教育・研修の実態を探ろうとする。
本書は、著者が1987年2月から翌年の3月まで、1年と少々インドに関西大学在外研究員として滞在したさい、「心理学者の感じ取ったインド、そしてそれを通して見出した自己、心理学」、といった観点から、時には旅行先で、時にはプーナ大学での研究のかたわらに気のむくままに書いていたものです。
ブッダの覚りとはどのようなものか?入滅後、部派分裂の中で尖鋭化するアビダルマ哲学。勃興する大乗運動と、中観・唯識による「空」の思想。釈尊から衰亡に至るまでのインド仏教の歩みをたどる。
権力がなければ弱肉強食の「魚の道理」が支配しようー。権力の本質・政治の基本原則から、スパイの利用法・謀略戦の種類・強敵に和平を乞う贈物のあり方までが、見事な喩法に富む箴言詩によって説かれる。マキアヴェリ『君主論』を遥かに凌駕する、インド的戦略思考の古典。
インド伝承医学の診断、治療をはじめ長寿法、薬草の使い方、健康維持のための実際的な日常生活の仕方を紹介。