『アクロイドを殺したのはだれか』で、エルキュール・ポワロの推理に異を唱え、アガサ・クリスティ『アクロイド殺害事件』の真犯人を暴き出した“推理批評”家バイヤールが、今回はシャーロック・ホームズに挑戦する。シリーズ中の代表的長編『バスカヴィル家の犬』を俎上に、ホームズの推理の疑問点、矛盾点を指摘し、事件の真相に迫るのみならず、ホームズとドイルの関係をも分析するという知的スリルに満ちた現代文学批評の傑作。
ようやく地球のポジションを発見した“ソル”だったが、そこに二億人の人類のシュプールはなかった。消えた人類の謎を解明するため、アトラン、ブル、ワリンジャー、グッキーの四名は、ネーサンのあるルナへ偵察飛行に向かう。そこで発見したものは、フルクースのロボット一体だけと未知の装置だった。一方、惑星インテルメッツォにいるテラ・パトロールのメンバーたちはいまだに“時間ハンマー”に悩まされていたが…。
アリシアの初恋の人。それは昔出会った王宮騎士と思しき青年だ。再会を夢みてきたが、王太子レオナルドの求婚で望みは絶たれてしまう。最後にひと目だけでも。男装して潜入した王宮で『彼』を探していると、レオナルドに見つかり?淫らな責め苦で秘めた想いを暴かれるアリシア。けど意外な申し出が。-あなたの想い人を探させてやる。ただし夜は閨で『花嫁教育』を受けること。有無を言わせぬ雰囲気に圧倒され、それを受け入れるが、レオナルドの思惑とは…!?
英国軍パイロットのブライアンとジェイムズはドイツ上空で撃墜された。かろうじて脱出し傷病を負ったSS将校になりすますが、搬送先は精神病患者に人体実験を施す通称「アルファベット・ハウス」だった。そこに軍の財宝を着服した悪徳将校4人組が紛れ込み、虐待が横行する。ブライアンだけが命がけの脱走に成功するが、やむなく残したジェイムズのことが気がかりだった。28年後、ジェイムズを探しに訪独したブライアンは、町の名士として偽名で暮らす悪徳将校らを発見するが…。人気作家が描く友情と愛憎の物語。
夫の胃袋をつかむべく、日々おいしいお菓子を作る12歳の幼妻アルティリエ(中身は33歳)。政略結婚の夫との間には、恋愛感情なんて生まれるはずもないと思っていたのに、彼は案外独占欲が強かったようで!?そんななか、王妃主催のお茶会に招かれたアルティリエは、その席でまたも命を狙われ…!?夫の愛情と共に危険も増量??元お菓子職人の餌付け計画第2弾!
人体実験同然の治療が行われる病院“アルファベット・ハウス”で精神病を装っていたのは、ブライアンとジェイムズだけではなかった。軍の財宝を着服したナチスの悪徳将校たちも、戦線から離れるため病人のふりをしていたのだ。過酷な状況に耐えるふたりだったが…。時は流れ、一九七二年。五輪を控えた戦後ドイツでかつての偽患者たちは再び大きな運命の渦へと飲み込まれる。北欧ミステリの雄が描く友情と愛憎の物語。
百九十センチから見下ろす威圧感で、強面な剣道部のエースー。そんな親友・桝木の部活を、毎日放課後に見学していた折川。表情筋に乏しく不愛想な親友の良さがわかるのは俺だけだ…。ところがある日、桝木が学校一の美少女と付き合い始めて!?「おまえが見てないと集中できない」無自覚に煽られても、応援するふりで熱く見つめることしかできないー決壊寸前の、甘く切ない青春エール
清の第十七皇子・愛新覚羅永〓お抱えの〓點師見習いとして北京で働く仏華ハーフのマリーに新たな難題が降りかかる!皇帝・乾隆帝より工芸菓子の献上を命じられたのだ。西洋の建物を模したものを、というお題にマリーは皇帝が宣教師に設計させた西洋楼を写生しに円明園に赴くが…。更に七人の世襲親王が登場し、遂に皇上とのお目通りまで!若き女菓子職人の波瀾万丈清国ライフ、最高潮!
12歳の少年アントワーヌの日常は、突然暗転した。ある不運な出来事が引き金となり、隣家の男の子を森で衝動的に殺してしまったのだ。死体を隠して慌てて立ち去るが、幼い子の失踪事件に村は騒然、やがて憲兵が訪ねてきてー。瀬戸際に追いやられた少年の人生は、どこに向かうのか?先読み不能、犯罪小説の傑作!
フランス留学を控えた朝宮里菜が働く洋菓子店“ドンナ”に、生意気な少年が訪ねてきた。少年を連れて実家近くで食事をしていると、消防車のサイレンが聞こえてくる。「火事だ!燃えているのは朝宮洋菓子店だ」謎が謎を呼び感動のラストに繋がる、横関エンタメの真骨頂!
「記憶」「情報の処理」「創造力」「意志決定」「コミュニケーション」「明晰さ」など、日常生活の重要なテーマを中心に様々な実践テクニックを紹介。脳に眠っている驚くべき能力を引き出す。
コペンハーゲン警察の特捜部Qは未解決事件を専門とする部署だ。ある日ここに一本の電話が入った。けんもほろろに応対したカール・マーク警部補は翌日、電話をかけてきた老警官が、自分の退官式で自殺したと知る。17年前、少女が轢き逃げされ、木から逆さ吊りになり絶命しているのが見つかった事件があった。その事件に取り憑かれていた老警官には、Qが最後の頼みの綱だったのだ。仕方なくカールは重い腰をあげるが…。シリーズ第6弾!
本書は、現在のグローバル経済によって“一次産品”の生産が危機に陥っており、途上国の生産者が極度の貧困に追い込まれている実態を、7年間にわたる現地調査・取材をもとに初めて徹底暴露し、ヨーロッパで大論争を巻き起こしている衝撃の書です。コーヒー・ココアなどの品目ごとに、世界銀行・IMFが推進する経済自由化・構造調整の影響、あくどい多国籍企業の手口、国際投機ファンドによる相場変動の助長、原産国の政府・関係機関の腐敗・汚職など、グローバル経済の裏側で“一次産品”をめぐって何が起こっているか、そして苦悩する生産者の姿が生々しく描かれています。
膨大な犠牲者を出して、大戦は終わった。真面目な青年アルベールは、戦争で職も恋人も失ってしまう。画才に恵まれた若きエドゥアールは顔に大怪我を負い、家族とのつながりを断つ。戦死者は称揚するのに、生き延びた兵士たちには冷淡な世間。支え合いながら生きる青年たちは、やがて国家を揺るがす前代未聞の詐欺を企てる!
事件の現場である風光明媚なボーンホルム島に赴いたQの面々。そこには少女轢き逃げ事件に関する膨大な資料が待っていた。その中で示唆されていた轢き逃げ犯は、ワーゲンバスに乗ったヒッピー風の男。逆さ吊りにされた美少女とどんな関係が?男を追ううち、カールたちはスピリチュアルな世界に足を踏み入れることに。慣れない雰囲気に戸惑いつつ捜査を進めた先では、新興宗教の影もちらついてきて…。人気シリーズ第6弾。
ダンテがヴィリギリウスに導かれ、地獄の最下層から一歩一歩旅をし、やがて煉獄、天国へと昇ってゆく物語。旅の過程で目にした様々な光景、そしてダンテ自身の精神の変容がリアルに描かれた世界文学屈指の古典!ドレの挿画133点収録。