セリー音楽から出発し、いまや、最先端のテクノロジーを駆使する作品を発表する傍ら、指揮者、批評家として、ポンピドゥー・センターの一部門である現代音楽研究所《IRCAM》の創設者として、多彩な活動を繰りひろげる現代フランス最高の作曲家ブーレーズの60年代以降の主要論文を集成する。
どこでも簡単にできる自己暗示の手法を身につければ、仕事も勉強も能率が2倍に!
セーヌの川底からお化け潜水夫に水死体が運び去られた。それを目撃したヴァランタン・ムーフラールも水死体となって、所もあろうにエッフェル塔の上に現われ、おまけに幽霊船『飛び行くオランダ人』号船長の契約書までも添えてあった。血の気の多いパリっ子を巻き込んで次々おこる怪事件、登場する怪人物、深まる謎…。エッフェル塔の構造の秘密という奇抜な着想から繰り出される奇想天外な物語。
当時の左翼主義者はナチズムの勝利を阻止しうるような性格構造をもっていなかった…。アンケート調査から50年を経て初めて公にされた、フロムの手になる貴重なドキュメント。
外交官令嬢から妃殿下に。激動の昭和期、皇族の一員として過ごされた思い出深い日々を、初めてご自身で語り下ろされた感動の回想記。
本書は、ブルデューが行なった、フランスの研究者やとりわけ外国の研究者との非常に長い会談、また民族学者・経済学者・社会学者(芸術・宗教・文学等々についての)などの専門家グループとの学問的対決を集めて一書となしたものである。これらを通してブルデューは、自身を語る。自身の業績の誤解されている側面を、自身の研究の哲学的前提を、自身の探究の具体的ロジックを明らかにする。と同時に、自身に対する反論の中で代表的な反論に論駁を加える。
『ボーイ・ミーツ・ガール』および『汚れた血』のたった二作によって「ゴダールの再来」あるいは「フランス映画の恐るべき子供」という〈神話〉を生み出したカラックス。新作『ポンヌフの恋人』が完成するまでの苦難の道のりと作品自体がはらむ力強い可能性を中心に、さまざまな角度からカラックスの世界に挑む本書は、彼とともに歩む映画の未来への運動を指し示している。
劇場・美術館・庭園・街路・都市・観光の島など多様な日常的空間を〈ミクロ心理学〉からアプローチを試み、社会という巨大な空間・迷路のなかでの人間行動を分析・追求する。
ルソー、ディドロ、ヴォルテール、グリム、ラマルク。時代が愛読した『博物誌』の全貌。進化論を夢見た王立植物園園長の思索と生涯。
サッカー場を3つ合わせたくらいの場所に7万人が住む、カルカッタ有数のスラム「歓喜の街」-。皮肉にもそう呼ばれる場所で彼らは、ゴミあさりや人力車を引きながら、1日20円ほどで家族を支えている。“20世紀に生きるわれわれにとって最も刺激的な体験は、月旅行をのぞけば、この「歓喜の街」で過ごすことである”と登場人物の一人は語る。
犯罪者の多くは隔世遺伝により生れながらに犯罪者たる運命をもつ。19世紀末、ロンブローゾの生来的犯罪者説は、世界的反響を呼んだ。これを契機に社会学、人類学、精神医学の立場からの反論が相次ぎ、犯罪人類学、犯罪社会学、社会衛生学、法医学の進歩・発展を促した。興味深いエピソードを交えた異色の犯罪学思想史。
1945年2月、ヤルタ会談にのぞんだルーズヴェルトは脳の小動脈での小さな破裂(アルヴァレス病)で精神は朦朧、肉体は完全に死にかかっていた。そのため、スターリンは会議を自己に有利な方向に運んでしまう。しかし、スターリンやチャーチルの脳の中でも同じ病気が進行していた。ケネディ(アジソン病)、ニクソン(強迫神経症)、フルシチョフ(躁鬱病)、毛沢東(老人性痴呆)など、世界の指導者がその在職中から、ことごとく重病人であったことを克明な臨床データをもとに説く、戦慄のレポート。