「福音の道徳をふみおこなう社会はたちまち滅びる」-シニカルな逆説をかかげ、非宗教的な道徳の樹立、福音と現実世界の切断を徹底的に追求した晩年の代表作。諸々の伝承・迷信、「万人一致」の権威、占星術の虚妄、一神教と多神教、無神論者と偶像教徒の比較、宗教なき民族の存在等々が詳細に論議される。
アルキメデスが集光鏡で船を焼いたというのは本当なのか?ガリレオの行なった実験はどの程度の有効性を持ったのか?歴史的・社会的状況の中で「科学」をとらえ返し、再考する最新の成果!
本書は、神経生理学の最新の成果の上に立って、「脳と心の生物学」の歴史と現状、未来への展望を提示した画期的な総説であり、脳の神経への最良の道案内である。人間の中に存在するものは「精神」ではなく、「ニューロン」(神経細胞)と「シナプス」(神経細胞の連結)であるという大胆な理論を展開した。
セリー音楽から出発し、いまや、最先端のテクノロジーを駆使する作品を発表する傍ら、指揮者、批評家として、ポンピドゥー・センターの一部門である現代音楽研究所《IRCAM》の創設者として、多彩な活動を繰りひろげる現代フランス最高の作曲家ブーレーズの60年代以降の主要論文を集成する。
ぼくたちは、映画をとても愛している。いま日本映画を面白くする旗手、大森一樹がユーモアたっぷりに書き下ろした、愉しい撮影日誌。
どこでも簡単にできる自己暗示の手法を身につければ、仕事も勉強も能率が2倍に!
誕生する、その瞬間を見届けること。精力的に撮影現場をたずね、日本映画の現在を探り続けてきた著者が、ずばぬけた面白さに満ちあふれる現場ルポを、ここに集成。シネアストたちの魅力的な横顔、熱い肉声が、読者を一気に〈映画〉の核心へとひき込む。
無知と忘恩によって、不当に忘れられた博物学の巨人。ダーウィンに先がけた進化論者の生涯を、ビュフォン、ドーバントン、ド・カルドルらとの交友、キュヴィエとの敵対を通じて描き、その《動物哲学》を再評価する。
非情の人マリヴォー…何よりも繊細優雅であるはずのマリヴォーが実は恋愛の原点に狂暴なエゴを見ていた。本書は、近年のマリヴォー再読ブームの火付役となった哲学的実験演劇『いさかい』をはじめ、目くるめくような手管を駆使して愛と欲を追求する注目の戯曲4篇(本邦初訳)を収録する。
1985年9月、フランスの11歳から16歳までの8人の子どもたちが、黒板のない学校〈白鯨クラブ〉の二艘のヨットに乗り、2人のリーダーの指導のもと、大西洋横断の旅にでた。目指すはハイチの北方100キロにある広大なサンゴ礁、シルヴァー・バンク。生まれて初めての大洋航海に悪戦苦闘しながら、カナリア諸島、アンチル諸島をへて目的地についた子どもたちが目にしたものは、青く澄んだ海を自由に泳ぎまわる巨大なザトウクジラの群れだった。お仕着せの人生に不満をもち、ありきたりの学校教育になじめない子どもたちが、厳しいヨット航海、優しいザトウクジラとの触れあいを通して、強くたくましく成長していく様を生き生きと描いた感動のノンフイクション