年間130試合、勝つか負けるか男の勝負。それが、プロ野球の世界だ。1点差でも負けは負け。まさに、現代の戦国模様である。その“天下取り”を目指す、12国の将の一人が須藤豊である。昨年まで、万年Bクラス、優勝はおろか、Aクラス入りもままならなかった、弱小球団“横浜大洋ホエールズ”を率いて、健闘している。これまでチーム内にあった負け犬根性を一掃し、兵に“勝つ”ことを実感させ、「やればできる」ことを教えた。その管理者ぶり、指導者としての手腕は、会社組織に身を置くビジネスマンにとっても、興味深いに違いない。須藤豊の管理術に何を学ぶか。
巨大化する政府の弊害と、その根底にある社会主義、平等、計画主義などの神話の虚妄性を衝く。
映画の青春、アメリカの青春。5歳から舞台に立ち、映画の父グリフィスの名作のヒロインとして銀幕を彩る。ハリウッドの頂点を極め、さらに舞台女優としても数々の記念碑的名演を残した女優の中の女優の絢欄たる生涯。可憐で真率な生き方が胸をうつ、自伝の白眉
セーヌの川底からお化け潜水夫に水死体が運び去られた。それを目撃したヴァランタン・ムーフラールも水死体となって、所もあろうにエッフェル塔の上に現われ、おまけに幽霊船『飛び行くオランダ人』号船長の契約書までも添えてあった。血の気の多いパリっ子を巻き込んで次々おこる怪事件、登場する怪人物、深まる謎…。エッフェル塔の構造の秘密という奇抜な着想から繰り出される奇想天外な物語。
夜、ぼくらを呼んだのは白い声だ。その声はすべての子供を呼んだのだ。世紀末フランスの天才作家シュウォッブの心震える傑作短編。
「人間の連帯などいかに嘘っぱちかを暴力的なまでの明白さにおいてとらえるためには、20歳の頃に一度浮浪者になってみることが必要だ」-刑務所を出て冷酷非情な強盗団に身を投じ、人間の善意も死に対する宗教的な畏怖も何一つ信じないクールな男を描いた表題作ほか6篇収録。
17、8世紀、狂人、貧民、同性愛者、神を冒涜する人、錬金術師らと並んで、社会ののけものとされた人びとがいた。かれらは、性的能力がないとみなされたために、法廷に立たされて、「男らしさの神話」の代償を払わされた…。本書は、この法と宗教のつめたい機械にこなごなにされた不幸な犠牲者たちの知られざる歴史ドラマを通して、かれらを執拗に迫害した人たちの心性にひそむものを探りだす。
日常生活の慣習的行動=実践が、ブルデュ社会学の諸概念に照明されて、新しい意味を帯び、新たな構造を形成しはじめる。社会学的思惟の革新の書ここに完結。
マネは画家の中の画家である。彼が生きている間、彼の作品は議論の的になるような受け入れられかたしかされていなかったが、技術的なことにおいては、彼の技量のすばらしさは有名であった。数多くのモノクローム図版ならびに40点のカラー図版は、読者にマネの作品の華麗な世界を眺める場を提供することであろう。
歌にテレビに活躍中、NHKフランス語講座でおなじみのピエール・ジルが、8年間にわたって撮り続けた、日本文化の巨匠51人の肖像。フランスのエスプリが見事にとらえた“瞬”は、まさに現代のジャポニズム。
本書は、第1部に短かったスペイン滞在中に巡り合った不思議な、実在する女性をテーマとしている。しなやかな身のこなしと、優雅な微笑みはいつも私に平安を与えてくれた。第2部は、彼女にとらわれることなく、ヨーロッパの各地で作った最近の作品を集めたものである。