60年代の三部作『情事』『夜』『太陽はひとりぼっち』で静かな熱狂をまきおこしたミケランジェロ・アントニオーニ。彼の諸作品がたたえる斬新な魅力を90年代の古在に鮮やかに甦えらせる監督論。
劇場・美術館・庭園・街路・都市・観光の島など多様な日常的空間を〈ミクロ心理学〉からアプローチを試み、社会という巨大な空間・迷路のなかでの人間行動を分析・追求する。
本書は散逸力学系への入門書である。できる範囲で初等的なレベルで書いた。
「話す、聞く」段階から「読む」段階への「整理」をしたフランス語参考書。平均的な基本文法事項を授業と同じ調子で説明し、練習問題にも詳しい解説をつけた初学者必携の書。
これぞ究極のアメリカン・パロディ。ゾウ(共和党)VS.ロバ(民主党)の熾烈な争いに立ち向かう、われらが米副大統領ダン・クエール。議場、ロシア、ゴルフ場などで隠密行動をとる彼を追跡するとともに、各場面に隠された英語のキーワードを解読せよ。この1冊で、君もアメリカ政治の達人だ。
「パリは燃えているか?」の著者がマザー・テレサの国インドで体験した、愛とヒロイズムの大型ノンフィクション。
サッカー場を3つ合わせたくらいの場所に7万人が住む、カルカッタ有数のスラム「歓喜の街」-。皮肉にもそう呼ばれる場所で彼らは、ゴミあさりや人力車を引きながら、1日20円ほどで家族を支えている。“20世紀に生きるわれわれにとって最も刺激的な体験は、月旅行をのぞけば、この「歓喜の街」で過ごすことである”と登場人物の一人は語る。
犯罪者の多くは隔世遺伝により生れながらに犯罪者たる運命をもつ。19世紀末、ロンブローゾの生来的犯罪者説は、世界的反響を呼んだ。これを契機に社会学、人類学、精神医学の立場からの反論が相次ぎ、犯罪人類学、犯罪社会学、社会衛生学、法医学の進歩・発展を促した。興味深いエピソードを交えた異色の犯罪学思想史。
学生の傍ら副業に探偵をこなす伊達風興は古武道『裏鬼門』の達人でもあった。人妻の浮気を調査中、その相手のユダヤ人・ナハムに襲われ裏通りに迷い込み、そこで卵から生まれるピエールを目撃したことから彼は奇妙な世界に…。かつて歴史上、何度か出現した恐るべき力=“破滅する者”を使役するナハム一派と伊達を父と慕い不思議な妖術を持つ美貌のピエール。ナハムが伊達にピエールとの引合せを強要したことで事態は思わぬ方向へ。長編超伝奇バイオレンス。
アフリカとヨーロッパ、大西洋と地中海のあいだに位置するスペインは、古来より諸文明が入り込んだ十字路であり、いまなおその痕跡を色濃くとどめている。自らの抱える二面性に苦しみながらも独自の発展を遂げてきたこの国の、ローマ支配下の時代からフランコ死後の民主化の過程までを詳述する。
1694年、厳冬。村の帳簿に残る大量死亡のおそるべき傷痕。本書は17世紀フランス庶民の出生・結婚・死のあり方を数量的に明らかにし、構造分析と変動分析を統合する理論を樹立した。構造=長期的持続とは何かを知るために、必読の文献。