1784年4月27日、それはフランス演劇史上の記念すべき日となった。ルイ16世の反対を押し切り、『フィガロの結婚』が初演されたのだ。時計技師から貴族に成り上がった希代の風雲児、ボーマルシェによる畢生の問題作である。四、五千人の行列が朝早くから劇場を囲み、開門と同時になだれ込んだ。圧死者も出たという。開幕時の騒動に劣らず、内容もまた過激である。貴族の堕落や不正の糾弾、思想・言論の自由の賛美、フェミニズム的視点からの男性中心社会への攻撃。階級制度への怨嗟に満ちた『フィガロの結婚』は、空前の大ヒットを記録した。この喜劇こそ、5年後のフランス革命の序幕であった。モーツァルトは即座に、ヨーゼフ2世の禁令に抗してオペラ『フィガロの結婚』をつくりあげる。以来このオペラは数多くの喝采を受け、ボーマルシェの分身たる『フィガロ』の自由の精神を永遠のものにしたのである。本書は、モーツァルト研究の第一人者である訳者の新訳と、ボーマルシェの波乱の生涯を描き出した作品解説により、その新たな姿をお届けする。
核・レーザー・最終兵器プラズマの開発。遺伝子操作の恐るべきテクノロジー。地球外太陽系で進行中の巨大科学実験…。「未来科学」を弄び、カタストロフィを演出する地球人科学者に放たれた痛烈なる最後通諜。さらに生命進化、神とイエス・キリストの実像、魂と宇宙構造など、自力再生に向けた“救いのシナリオ”を提示する、戦慄のメッセージ第3弾。
心理学概論というべき標題ではあるが、その内容は精神医学総論といっても良い部分もある。本書には米、英はいうに及ばず、ドイツ、ロシアの心理学説、またフランスの心理学者の業績も数多く紹介されており、現代の心理学および精神医学がどのようなものであるかが良く理解出来るものになっている。ことさら心理学とことわってあるのは、機能的な面、いわば精神生理学的、社会精神医学的、またパーソナリティに関する面などについて豊富かつ実証的な研究成果が紹介されているから。また精神分析については多数の頁をさいて詳述されているばかりでなく、その現代における意義および精神分析に対する批判についても解説されているために、その位置づけがよく理解できる。
現在から遡ること400万年前、寒冷化の進む大陸では、サルが餌を求めて森を出て、大地に降り立った。それからさらに数百万年の時をへて、まだ全身を毛に覆われたサルたちに、言葉が、道具がそして「心」が生まれた。時は170万年前、東アフリカの湖畔で、ひとりの女ニー・エイが部族を追われ、未知なる大地へ歩みだした。おなじ頃、ひとりの男モールが、雲に隠された遠くの山をめざして旅立った。ふたりの胸の内に、ヒトとしての心がおぼろげなかたちを見せはじめる-。化石を読み解く科学者の洞察力と、ベストセラー作家の想像力が、「最初のヒト」たちに見えていた世界、彼らの話していた言葉をありのままに再現。サルから人類への進化の鍵をにぎる「心」の誕生を描き、本国フランスでベストセラーとなった、世界初の原始人小説。
政府を殺そうとした男、ロルティ。その狂気の犯罪の分析から西欧規範システムの根幹(法、系譜原理など)を明かすとともに、西欧それ自体を徹底的に相対化する。
かつてヌーヴェル・ヴァーグの中心人物であり、今もひとり天馬空をゆく活動を持続しているゴダールーその1950年から85年にわたるすべての評論・エッセイ・インタビューなどを網羅する二巻本全集。2は五月革命時代からビデオ時代をへて80年代半ばまでを収める。
「西洋史研究のための基礎知識」-カトリック神学の、その歴史、性格、方法、そしてフェミニスト神学にまで及ぶ現在の見取図を、本書は、目配りよく紹介。はたして、「神学する」とはどういうことか?『神学大全』(トマス・アクィナス)への理解を深化させるためにも最良の入門書。
野望破れて敗走した六次元パイロット・グヴァラシュは、タケル側に寝返った!かれの切札はコムダク・ベルト。これで貯蔵庫群を意のままに操り、ハイパー空間にひそむモルシャズタス小銀河を通常空間に復帰させるのが狙いだ。そうなればタケル艦隊により、ガンヤス帝国は完膚なきまでに蹂躙される…ローダンはこの危機を打開すべく、“時空をこえて殺す者”グッキーを隊長とするミュータント・コマンドを投入するが。
夏も終わりの新学期。高校生・中村裕司は、とあるさびれた神社で美しく不思議な女神・スワティに出会った!その日からボンノー多き中村は、無垢な彼女に流され、振り回され、堕ちてゆく運命であった…!?カクテル・ソフトの大人気シリーズ、最新刊!初々しいグローイングラブ・コメディ。
日本にも素晴らしいワインがたくさんあります。おいしいワインをつくるために苦労に苦労を重ね、努力し、がんばっているワイナリーがあることをできるだけ多くの人に知っていただくのが本書の目的です。日本の10ヵ所のワイナリーを紹介し、20品種のワインを選んでみました。
光の彫刻家、ヤン・ケルサレ。光と闇をデザインし、照明という枠を超えた光の新しい可能性を探求するアーチスト。その全貌が日本で初めて明らかにされる。初期の作品から最新のプロジェクトまで、全37プロジェクトを一挙掲載。
なんで毎日同じことを続けられるんだろう?なんでよけいな心配をするのか?…「何も信じられない病」にかかった少年フィルが驚きと不思議があふれる一日の中で、ついに見つけたものは…!?日々、自分で自分をおもしろくするには哲学が一番、を痛感する本。
小学校のころは、男の子よりずっと大きかった。父親譲りの速球で、リトルリーグでは大活躍できた。いつかは、甲子園、プロ野球…と、ルイの夢は、男の子と同じだった-。でも高校に進んで、野球部の門を叩いたルイは、現実の壁に打ちのめされてしまう。男子じゃないと甲子園には出場できない。実力を見せたくてテスト登板したけどメッタ打ちにあってしまった。男の子は強く大きくなっていた。ルイの夢も、これまで…。
戦国の覇王・織田信長のデータファイル。戦乱の世を統一に導いた信長のすべてをこの一冊に!強烈な光を放つ戦国武将・織田信長のすべてをコンパクトに解説。プロフィール、関連人物、政略、合戦、城・史跡など、信長データを完全ファイル化。信長が桶狭間の戦いの出陣に舞った「人生五十年」の『敦盛』なども図解して完全収録。ビジュアル派も大満足の戦国キャラクターブック。