ヒムラーが人種政策において「最終的解決」に劣らず精力を傾注したのは、高等人種、すなわち、純粋ゲルマン=北方人種の「育成」であった。ついにはユダヤ人大虐殺に至るナチズムと、アドルフ・ランツ、グイド・フォン・リスト(更にはブラヴァツキー…)等のオカルト進化=人種論との深くかつ微妙な関係、ヨーロッパ現代史の影の部分ともいうべきこの問題を気鋭の英文学者が英独仏の夥しい文献を渉猟しながら、《例外的な狂気や奇想の歴史》としてではなく、今日の問題、われわれの「抑圧された不安と欲望」の問題として徹底的に問い糾した野心的大著。
花の女流シナリオ・ライターを目指す小林まり子は、零細テレビ製作会社の一年契約社員。超人気キャスター宇奈月冴子のイブニング・ニュース・ショウのスクリプターをやらされている。その冴子が本番前に局のトイレで全裸の首切り死体で発見された。そして冴子と噂のあった後藤プロデューサーも。視聴率アップを狙う局プロデューサー中谷は番組に霊能者の大空幽子を出演させ犯人を推理させる。書下し長篇。
ルーマニア・トランシルヴァニア地方の小さな村、ゲスプレングベルク。村に入った日本の学術調査隊は、森の奥で、錆びついた二輛の戦車を発見した。ナチ・ドイツ軍のものと思しきその戦車は、いかなる理由でそんな森の奥に残されたのか。しかし、奇妙な発見と時を同じくして、村では、全身の血を抜かれた娘の死体が発見されていた。戦車との関係は、そして村人が恐れる“吸血鬼伝説”とは。著者が満を持して放つ、気鋭のナチ・ホラー。
シナリオライターの卵で、自己の霊能力に目覚めた小林まり子。ブルートレイン『北斗星4号』の中で、霊交信を受け、スーツケースに入れられて沼に沈められた寺田正和の死体を発見する。寺田の友人、ロックシンガーの長崎祐介から寺田殺しの犯人を霊視で見つけて欲しいと依頼されるが…。鏡の中に現れる浮遊霊の工藤チャンや、捜査一課の美男警視・一条秀也とともに、霊感探偵が始まった。書下しシリーズ。
従来の常識での理解を越えた“異変”が相次ぐ世紀末・日本。これらの“異変”を読み解く鍵は「オカルト史観」にある。平安の昔から怨霊に支配されてきた日本に、いま何が取り憑いているのか。日本を救う真のリーダーは誰か。政界に取り憑いた「田中角栄」という怨霊、武の精神を失墜させた「平和ボケ」という怨霊ほか、日本人を数々の呪縛から解き放つ方途を提示するベストセラー評論集。
本書は、バブル崩壊以降、忽然として姿をあらわし、猖獗をきわめるオカルティズムと日本の企業社会との関係を歴史的な考察、取材をもとに浮き彫りにしたノンフィクションである。なぜ、大衆はオカルティズムに魅かれるのか?終末思想を説く人々の本当の目的は何か?誰が誰を支配しようとしているのか。
本当に人間らしい生き方とは。21世紀を直前にした今、人間の本質の過半を占める“非理性”の世界を、学際的、かつ多面的に考察し、こころが満たされる生き方を探り明かした注目の人生論。
この閉塞的で不機嫌な現代ニッポンにカルトな神々が降臨する!オカルトに救いを求めるニンゲンの信仰と猟奇の関係に注目した問題作。
私、松崎ユウナ。本来、出会うはずのないふたりが、日記によって出会い、恋に落ちるか実験するー、極秘恋愛実験の被験者に、オカルト大好きな私が選ばれた!届いた『未来日記』の通りに行動しなかったらどうなるか、考えるだけでワクワク♪でも、どうしても日記の通りになっちゃう!?私、知らない男の子と本当に恋なんかしないよ…ね?小学校中学年から。
東京にほど近いベッドタウン-神宿市。通勤時間帯を過ぎたのどかな団地の一角に、それはあった。地から湧き出した銅像のようなそれは、下半身をきれいに失った人間の死体だった。神宿市警察南署の警部・矢車啓之介は、仏が暴力団組員であったところから捜査を始めるが、それが“やくざの殺し”でないことは明らかだった。次々と起こる奇怪な事件。地方都市に渦巻く人間の欲望と悲哀-期待の新人がユニークな視点で描く新警察小説。
占星術、ノストラダムス、数秘術、カバラ、骨相学、シャンバラー、アガルティ、UFO、空洞地球説、世界永河説…。ありとあらゆるオカルト秘術が駆使された第二次世界大戦の全貌を明らかにし、ヨーロッパの魔術的暗黒面に迫る。
あたし、宮部美夜、っていいます。五年生です。児夜といっしょに、ふたごの姉妹、ってことで、この光学園に転校してきたばかりなの。あたしたち、ゆくえ不明の楓先生をさがしてるうち、幽霊少女と対決することになっちゃって、もうたいへん。手ごわい幽霊少女相手には、あたしたちも、ふしぎパワーだすっきゃない。