幼年時代から『1984年』を書いた晩年まで親交のあった52人の同時代人が語りあかす「素顔のオーウェル」
「そこに山があるから」という名句で知られる不世出の登山家ジョージ・マロリーは、1924年、すなわちヒラリーとテンジンによる公式登頂より29年も前に、エヴェレスト(チョモランマ)の山頂に立ったのか。-山頂直下を「力強く」登ってゆく姿を別の隊員によって雲間から一瞬目撃されながら、そのまま消息を絶ったいきさつは、今もなおエヴェレスト登頂史上最大の謎とされ、人びとの胸に深く刻まれている。マロリーは1886年、牧師の子としてイングランド西部に生れ、パブリック・スクールで登山の手ほどきをうける。ケンブリッジに入学して歴史学を学び、画家グラントを通してブルームズベリー・グループのモダニズム芸術に親しみ、ジェフリー・ヤングと知り合う。登山家としても学者としても令名の高いこの理想主義者との出会いにより、山はマロリーにとって単なる気晴らしの一つではなく、人生の支配的関心事となった。1924年6月8日早朝、年若いアーヴィンとともに山頂目ざして第6キャンプを出発、不帰の人となった。本書は、「人間精神の不屈さの象徴」ともいえるこのエヴェレスト登攣のパイオニアの感動的な生涯を、豊富な資料をもとに甦えらせる力作である。
はらぺこおおぐまが、やってくるぞ!ねずみくんは、どうやっていちごをまもったのか?