雪の降りしきる夜、フェイスの前に突然ニックが現れた。スキー場に向かう途中で吹雪に遭い、仕方なく故郷の町に立ち寄ったのだ。高校時代、二年先輩のニックはフットボールのスター選手で、フェイスの憧れのヒーローだった。特に、危ないところを救われてからは、いっそう彼に熱を上げた。だが、内気な彼女が自分の気持ちを伝えられるはずもなく、ニックは卒業の一カ月後、チアリーダーの花形だった女性と結婚した。ところが、その結婚は数カ月で破局を迎えてしまった。彼は町を出ていき、それきり二度と戻ってこなかったのだった。高校の時に助けてもらったお礼として、フェイスは困っているニックに数日自宅に泊まってもらうことにした。ほどなく彼女に絶対夫を見つけなければいけない事情が生じたところ、ニックは大胆にも便宜上の結婚を申し出る。
運命が二人を過去に引き戻していく。再会は一瞬のすれ違いでは終わらなかった。それは二度と会うことはないと思っていた二人の苦い再会だった。オレゴン州の小さな町のレストランで、グウェンは亡き夫の親友ジョーと食事をともにしていた。夫を亡くして沈みがちな彼女をジョーが連れ出してくれたのだ。食事を始めてすぐ、グウェンは見つめられていることに気づいた。忘れようもないシルバーグレーの目に…。エイダンだ!十二年前にアフリカに去った彼が、どうしてここに?向かい側には女性が座っているー妻らしき魅力的な女性が。グウェンは心ならずも動揺し、胸に痛みを覚えた。彼とのことは昔の思い出。それぞれ別の相手と結婚もしたのだから。だったら、この痛みはいったいなんなの?奇跡は起こらないわ。私は独りでも、エイダンのそばには…。
法務部で働くオリビアは、ある日、妊娠に気づいて愕然とした。去年のクリスマスイブの夜、会社で開かれたパーティで説明のつかない情熱に突き動かされ、企業弁護士のルーカス・ハンターと関係を持ってしまったのだ。結婚しない限りはベッドをともにしない。そう心にかたく決めていたのに、おなかの中には新しい命が…。オリビアが妊娠の事実を打ち明けると、ルーカスは赤ん坊のために結婚を申し出た。でも、義務感からの結婚なんて考えられない。それに、彼には恋人がいるという噂さえある。オリビアは結婚を拒否したが、ルーカスはあきらめなかった。一緒に暮らしていけるかどうか試してみればいいと説得され、とうとうオリビアは彼と共同生活を送るはめになった。
ここはどこかの島。潮の香とエキゾチックな花の香りが漂う闇の中でキムは男性に抱かれ、甘い言葉をささやかれる。「あなたはだれなの?」だが、夢はいつもそこでとぎれてしまう。キムは同じ夢をもう何度も見ていた。これはなにかの暗示?私は生活に変化を求めているのかしら?そんな思いに応えるように、兄から電話が入った。旧友のサムがニューヨークに戻ってきた、と。サムは、キムの少女時代の憧れの的だった。その彼がジャワ島に新会社を設立するので、現地で住まいを整えたり、さまざまな雑用を引き受けたりしてくれる人物を探しているという。エキゾチックな島に、憧れの男性ー夢のとおりだ。キムはこのチャンスに飛びつき、半ば強引に彼に雇ってもらった。問題はキムの立場だった。世間体を考えれば、妻を装うのがいちばんだ。でも、彼と夫婦のふりをするなんて、かえってつらくなるのでは。
「エイミー、お願い、助けてほしいの!」それは、エイミーをつらい過去へと引き戻す声だった。二年前に別れた夫のマイケルが事故にあったことを、彼の姉が電話で知らせてきたのだ。記憶を失ってしまったから、しばらく面倒を見てほしいと。マイケルには二度と会いたくない。悲しみがよみがえるだけ。でも、困っている彼をほうっておくわけにはいかない。エイミーは揺れる心をかかえてマイケルのもとに駆けつけた。彼はエイミーを覚えていなかった。かつて愛した妻だというのに…。エイミーはマイケルの世話をするために、妻のふりをすることにした。二人の離婚のきっかけとなった悲劇を忘れてしまったマイケルは、以前の明るさにあふれ、エイミーを魅了する。また彼に恋をしてしまいそう…。でも、彼が記憶を取り戻したら?それは、あの悲劇がもう一度繰り返されることを意味していた。
殉職した夫の持ち物を整理していたアリソンは、夫の浮気の証拠を見つけてしまった。私に女性としての魅力が欠けていたからに違いない。傷ついたアリソンはすべてから逃れたくなり、飛行機に飛び乗るとニューメキシコにいる亡き夫の友人ジェイスを訪ねた。ジェイスは突然の訪問に困惑したようだったが、家に泊まるようにと言ってくれた。ジェイスの気遣いは申し分なかったけれど、アリソンは自分に言い聞かせた。勘違いしてはいけない。彼は友人として大切にしてくれているだけ。私をなんとも思っていないからこそ、暑さをしのぐため、涼しい部屋で一緒に寝ようなんて言えるのだ。
「僕と結婚して、一年間夫婦でいてくれたら五万ドル払おう」クレイの言葉にジーナは唖然としたが、次の瞬間、喜びがこみ上げた。ロッジのマネージャーとして働き始めてからずっと、ジーナは雇い主のクレイにひそかに思いを寄せていた。その彼にプロポーズされるなんて!遺産相続の条件を満たすため、クレイは早急に妻が必要だった。それでジーナに求婚したのだ。でも、今は便宜的な結婚であっても構わない。彼はときどき熱いまなざしで見つめている。きっといつか私を愛してくれるだろう。彼の目に浮かぶものが、愛情ではなく欲望だということを、無垢なジーナは知らなかった…。
ブルックは新しいボス、ネイトが見つめるたび胸をときめかせていた。彼のようなすてきな人に愛されたい。それがはかない夢だとは知りつつも、ブルックは彼のそばで働くひとときを楽しもうと決めた。仕事仲間の関係でいなくてはと自戒しながらも、ネイトは新しい部下ブルックに惹かれずにはいられなかった。だが同じ病院で長い時間を過ごすうち、彼女の行動に不審な点が多いのに気づく。いったい何を隠しているんだ。
両親と恋人を亡くしたブライアンは悲しみを乗り越えるため、診療所で看護師の仕事に没頭する日々を過ごしていた。だが新任医師としてやってきたジェドと出会い、閉ざされていた彼女の心は大きく変わっていく。人とかかわろうとしないジェドに戸惑い、反発を覚えつつも、ときおり見せる優しさに惹かれるブライアン。共に働くうちにしだいに二人は打ち解けていくが、ジェドの心の壁は依然消えることはなかった。そんなある日、ジェドが抱える孤独の秘密を知った彼女は、彼の心を癒すために一つの計画を立てるが…。
最愛の兄に先立たれ、ベリティは絶望しかけていた。そんなとき、ナニーとして働くことになった家で雇い主であるレオにひと目で心を奪われた。レオと彼の幼い娘と過ごす日々は、傷ついたベリティの心を癒し、生きる気力を再びよみがえらせた。だが、ベリティがレオに対する熱い思いを募らせる一方で、レオは次第に彼女に冷たい態度をとるようになっていった。なぜ、彼はわたしを避けるのかしら?嫌われてしまったの?困惑するベリティをよそに、レオもまた悩んでいた。彼女に真実を打ち明けるべきかどうかを。
テレビと本で正義の味方アンパンマンが大活躍!日本テレビ系テレビ放映!