これこそ望んでいた家だわ!とグエンダは思った。ディルマスで見つけた小さなヴィクトリア朝風の売家。ニュージーランドから来たばかりの若妻はその別荘をすでに隅から隅まで知っているような気がした。そして、家の中の階段をおりかけたとき、いい知れぬ恐怖が体をかすめた。家には幽霊が出るのでは、あるいは誰か亡くなった人がいるのでは?部屋の戸棚の中から現われた古い壁紙を見て、彼女はさらに動揺した。この古い壁紙の模様をなぜわたしは頭に想い描くことができたのか…。回想の中の殺人を今に甦らせるミス・マーブル最後の事件。
ミステリの女王アガサ・クリスティーには、もう一つ、考古学者の妻としての顔があった。14歳年下の考古学者マックス・マローワンと結婚していらい、ほぼ毎年のように彼に従って発掘旅行に出かけていたのである。本書は、そうした発掘現場での暮らしぶりについて語ったもので、愛すべき旅行記であると同時に、実り多かった夫妻の結婚生活をも垣間見せてくれる。アガサ・クリスティーの愛情あふれる旅行記。
リネアはパリに行きました。有名な画家クロード・モネの庭に行きました。リネアは、とうとう夢みた睡蓮池の“日本の橋”に立ったのです。モネの庭で、モネとアリスと8人のこどもたちの話を聞きました。印象派の絵についても学びました。モネと絵とスナップ写真でつづる、花の好きな少女リネアのファンタジーな成長物語です。
へそまがりのヤナコッタさんは、世界中のすべてが大嫌い。飼い犬のデイジーとも仲が悪いし、みんなが好きなものは大嫌い。とくにクリスマスはサンタもツリーもなにもかもが気にいりません。パーティなんてもってのほかです。ところが、となりの子どもたちがくれたクリスマス・プレゼントがきっかけで、思いもよらないことがおこります…。
地獄は、どこにあるの?地獄には、だれが住んでいるの?-アンデルセン賞作家ネストリンガーがあなたをだれも見たことのない世界にご案内します。ユーモアたっぷりに描かれる「悪魔」と「人間」の関係。アクマ学校でいちばんできの悪いベルツェが、だいじな任務をまかされたのは、地上の見方でかわいい子だからです。地獄の見方でかわいければ、人間にこわがられて、任務がはたせませんから。はじめて人間世界にきて、ベルツェはまごついてばかりです。しかし、話のおしまいは、「めでたし、めでたし」-だれにとってかって?それは、ヒ・ミ・ツ。