ニューヨーク最大の動物病院AMCを舞台に人と動物との交流を通じて大都会の実相を活写する迫真のヒューマン・ドキュメント。すべての動物好きに捧げる愛と感動の物語。
「なんだって? わかった、すぐいく!」それは、財産家ロジャー・アクロイドが殺されているのをいま発見したという電話だった。真犯人がしくんだ完全なトリック。アクロイド殺人事件の謎に挑む名探偵ポワロの推理。
本書は、ロレンスの絶大な人気の原因を、第1部・第2部で探っていくことにする。まず第1部ではロレンスの人生の概略を、現在までに明らかになっている事実のみをもとに語っていく。第2部では1924年から1987年のあいだにロレンス神話がどう発展してきたのかを、書物を中心に(舞台や映画、テレビの描写をも含めながら)考察していく。
古代エジプトの王メンハーラの墓が発掘されたニュースは、いちはやく全世界に伝えられましたが、その直後に誰もが予想にしなかった事件が発生しました。調査の指揮にあたった考古学者とスポンサーがあいついで病死し、追いうちをかけるよううにスポンサーの甥が謎のピストル自殺をとげたのです。王の墓を荒した呪いと世間は騒ぎたてましたが、名探偵ポアロの小さな灰色の脳細胞は、事件の真相をみのがしはしませんでした…。表題作のほかに、ミステリーの女王アガサ・クリスティーの名作「首飾り盗難事件」と「チョコレートの箱」の2篇を収録。
ミス・マープルは、サンダース夫妻がいっしょにいるところを一目みたとたん、夫が妻を殺すつもりでいることが判りました。そして心配したとおり、悲劇は起きてしまいます。クリスマスの直前に、サンダース夫人は、保養にきていたホテルの自室で殺されてしまったのです。しかも夫にはたしかなアリバイがありました。だが、死体のそばに置かれていた帽子が手掛かりとなって、ミス・マープルは犯行の手口をみごとに見破ります…。表題作のほかに、ミス・マープルが話をきいただけで、事件の真相を言い当てる「青いゼラニューム」と「溺死」を収録。
結婚してひと月、メアリーはいなかの幸わせな生活にひたっていました-。夫がしまっていた古い新聞の切り抜きを発見するまでは。それは、7年まえに何人もの妻を殺した殺人容疑者の記事で、男の写真ものっています。だれかに似ていると思いましたが、それが夫のジェラルドだとさとって、メアリーはぎょっとしました。夫が殺人者だなんて。そのとき、門のあく音がきこえました。外出していた夫がもどってきたのです…。表題作のほかに、ツキに見放された若い男女が、意外な幸運を手にする「黄金の玉」「ジェーンの求職」の2篇を収録。
〈かべにプリンをうちつける〉とは、ぜったい不可能なこと、という意味。環境問題に目ざめた少女が、友だちと一緒に身近な環境破壊に立ちむかっていく。厚いかべにぶつかって傷つきながらも、あきらめず、一歩一歩進んでいく成長のプロセスを、明るくコミカルに描く。
ベルリンの壁を崩壊させた東欧民主化の波は、旧ユーゴスラヴィアをも直撃した。91年、スロヴェニア、クロアチア、ボスニア=ヘルツェゴヴィナ、マケドニアが独立を宣言したことで、事実上ユーゴスラヴィア社会主義連邦共和国は消滅した。残されたセルビア、モンテネグロは国名をユーゴスラヴィア連邦共和国として国際社会に復帰しようとしているが、前途は厳しい。定評あるケンブリッジ版の全訳に、最近13年間の詳細な年表と写真を加えた待望の増補版。
数学は、純粋学問的かつ排他的なものと思われそうだが、決してそうではない。一見無味乾燥にさえ思われる数学は、ものごとの本質を明らかにする上で、すばらしい力を発揮する。では、物理あるいは工学上の現象をいかにモデル化して数学を使用できるようにするか。もっと突き進めて、日常の出来事をどのようにして数学で記述できるようにするか…。
本書は、アンの世界を再現し、アンを心から愛する人々を、憧れの時と場所にいざなう1冊です。アンのお茶会を開いたり、お茶に出すお菓子の作り方が、わかりやすく紹介されています。アンの物語に出てくる手作りの品々-香り袋、押し花、ボタンのネックレス、エプロン、それから、あの有名な花飾りの帽子-も自分の手で作ることがでぎます。また、アンの生みの親、ルーシー・モード・モンゴメリの簡単な伝記や、アン・シリーズのあらすじも載っています。文中には、アンの物語からの引用文が豊富にちりばめられ、さらに、徹底的に調べられ、検証されたうえで描かれた、本書のためのオリジナルの絵やスケッチが、オールカラーで150点以上掲載されています。
広い世界を見てみたい、だれかの役に立ちたい、と旅に出た犬さん。どういうわけか、ゆく先ざきで騒動をおこしてしまいます。心やさしい子どもと大人のための童話。
火曜日の夜、セント・メリー・ミード村のミス・マープルの家に集まった作家(甥のレーモンド)や元ロンドン警視庁の警視総監ヘンリー卿、弁護士などが、それぞれに体験した迷宮入り事件を話すことになりました。事件をきいて、出席者たちが真相を推理するゲームです。最初のヘンリー卿の話は、夕食をたべた三人が中毒をおこし、一人が死んでしまった事件。あとで、夫が奥さんを毒殺した、という噂がながれたのですが…。表題作のほかに、ミス・マープルの活躍を描く「血にそまった敷石」「アスタルテの洞」「聖ペテロの指のあと」を収録。小学校高学年〜中学生向。
本書は、パステル画に必要な基本テクニックから上級スキルまでをマスターするのに役立つ実戦的な技法書。
サタースウェート氏には、クィン氏という、とてもふしぎな友人がいました。クィン氏がいるだけで、奇妙な事実が明るみにだされ、かくされてきた真相が浮かびあがってくる-崖の突端に、〈平和荘〉と呼ばれる白い家がありました。ここの女主人と、崖にやってきた見知らぬ男は、偶然にも、それぞれの理由から自殺しようとしていました。そのとき、まるで海からあらわれたように、いきなり出現したのがクィン氏でした…。表題作のほかに、謎の人物クィン氏が、一枚の絵にかくされた、おどろくべき秘密を解き明かす「死せる道化師」を収録。
十五世紀ヨーロッパ。王位継承権をめぐるイギリスとの百年に及ぶ戦闘で国土の大半を失い、すっかり荒れ果ててしまったフランスに、一人の少女が生を受けた。その名はジャンヌ。信仰深い彼女は神のお告げに従い、軍隊を率いて、見事オルレアンの町を解放する。しかし彼女はその純粋さ、勇敢さゆえに捕らえられてしまうー。祈り、苦悩はしながらも戦い続け、そしてついには火刑台でその命を燃やした少女。フランス再生の旗手となったジャンヌ・ダルクのはかなくも力強い生涯を描いた、壮大なロマネスク絵巻。