この人は、先月のバロン家のパーティーで突然情熱的なキスをしてきた、シーク・アシュラフだわ。アッシュとの再会に、カレンの胸は高鳴った。あのとろけるような瞬間をずっと忘れられずにいたのだ。だが男性と恋愛関係にならないと心に決めていた彼女は、食事の誘いを断り、その場を逃げ出した。これでよかったのだと自分に言い聞かせているとアッシュが追いかけてきて、言った。「僕の妻になれば、望むものをあげる。いやなら離婚してもいい」カレンは、魅力的なプロポーズを断るすべを知らなかった。
獣医のメリッサは、保護していたコヨーテを自然に帰すためチャーター機に乗り込んだ。パイロットのニック・マグルーダーは無愛想な男性だが、全身から漂う男らしさに彼女は圧倒された。機内で落ち着かない思いをしながら、仕事はすぐに終わるわ、とメリッサは自分を励ました。ところが、離陸してまもなく飛行機のエンジンが故障し、機体は木々をなぎ倒しながら湖上に不時着する。道なき深い森に取り残された二人の、出口の見えない旅が今始まった。
わたしはアーロン・ブラボーを愛している。社長秘書のシーリアは、突然、ボスへの気持ちに気づいた。それからの毎日、恋しさが募り、仕事に集中できない。とうとう耐えられなくなった彼女は、アーロンに思いを打ち明けた。だが、彼は迷惑そうな表情を浮かべて言うだけだった。「悪いが、きみに関心はないし、これからも関心を持つつもりはない」今まで、秘書として影のような存在だったのだから仕方がない。シーリアは愛を伝えられただけで十分だと納得しようとした。ところが数日後、アーロンに頼みごとをされる。「実家に帰るんだが、同行してもらえないだろうか?」。
ジェインは隣に越してきた男性、ケイド・ブラボーのことが気になって仕方がなかった。かつて札付きの不良だった彼は、今はプロの賭博師だ。女性とは束の間楽しんだあと、冷酷に捨てるという噂もある。絶対に好きになってはいけないタイプの男性なのに気のあるそぶりをされるたび、ジェインは恍惚となってしまう。ある日、とうとうケイドが交際を求めてきた。ジェインは勇気を奮い起こし、震える声で拒絶する。だが翌日、彼女の家の前に高価な贈り物が置かれていた。
“独身女性の幸せなクリスマス”を実践して雑誌に寄稿しようと、ジリアンは車にシャンパンや七面鳥を積み込み、親友に紹介された山奥のキャビンにやってきた。ところが、誰もいないはずのキャビンに明かりがともり、そばにはメルセデスのSUVが止まっている。おそるおそるドアを叩くと、現れたのは親友の夫の弟であるウィル・ブラボーだった。彼がいるのを承知でジリアンが押しかけてきたと誤解したらしく、ウィルは怒りに顔をゆがめて言い放った。「いったいここへ何しに来たんだ?」。
トリはある目的を胸に故郷へ戻ってきた。マスコミ嫌いで有名な名門一族ワーナー家の御曹子、ミッチにインタビューするのだ。彼の記事を書くことができれば、雑誌記者としてのキャリアアップにつながる。でも、いったいどうやって彼に近づこう?チャンスは思いがけず向こうからやってきた。バーでミッチにダンスを申し込まれたのだ。はやる気持ちを押し隠して、彼の腕に抱かれた瞬間、トリは本来の目的を忘れてしまった。
ヨーロッパの小国ドリアナの病院で働くため、ケイトははるばるアメリカからやってきた。ドリアナの国王マルクに会えると思うと心が躍る。ケイトとマルクは、大学の同窓生だった。彼にひそかな憧れを抱いていたものの、女性ならよりどりみどりのプリンスが、地味なケイトに関心を持つことはなかった。彼は私を覚えているだろうか?だが、宮殿で再会したマルクは、まるで無関心なまなざしを投げかけてきた。
たった一夜のあやまちが、プリンセスの運命を変えた。リヴは、妹の結婚式に参列するため、離れて暮らす父の王国を初めて訪れた。盛大に行われた結婚披露宴の夜が終わり、翌朝目覚めてみると、草の上で寝ているのに気づく。お酒も飲んでいたし、昨夜のことは何も覚えていないわ。朦朧とした頭で周囲を見回すと、横に眠っているのはー裸の男性だ!ゴージャスで端整な顔立ちに、引き締まったセクシーな体。プレイボーイとして有名なフィンがどうしてここに?リヴはぼんやりと頭をめぐらし、浮かんできた破廉恥な記憶の数々にいたたまれなくなってあわててその場を立ち去った。悪夢のような一夜が、思わぬ運命を運んでくるとは想像もしなかった。
庭師のアディは幼なじみのゲイブにずっと恋心を抱いてきた。だが名家の御曹司で州議会議員でもある彼に対し、アディは使用人の娘にすぎない。しょせん、かなうはずもない恋なのだ。アディはゲイブを諦め、別の男性と婚約するが、突然訪ねてきたゲイブの姿に驚く。口先だけのお祝いを言いに来たのかしら?私の本当の気持ちなど、決して知ることはないくせに…。その次の瞬間、ゲイブに唇を奪われ、アディは言葉を失った。
成功をあきらめない決意が富への願望を実現する。
『リリーの秘密』-リリーは結婚式当日に花婿に逃げられ、衝動的に古い家を買った。だが幼なじみのジェイクに手伝ってもらい、引っ越しを終えたあと、思わぬアクシデントで家は水浸しになる。数日の予定で、ジェイクの部屋に滞在することになるが、リリーはジェイクがセクシーなのに気づきはじめた。『恋人たちの長い一日』-レイチェルはいつも夢見てきた。いつかきっと、映画スターのようなすてきな男性がプロポーズしてくれるはず…。ある日、彼女は理想どおりの男性ブライスと知り合い、夜を共にする。だが夢のようなひとときのあと、相手の素性が明らかになると、レイチェルはいたたまれずにその場から逃げ去った。
“真夜中の館”と呼ばれる屋敷を見上げながら、シリーニは自分の幸運に胸をはずませた。インテリアデザイナーのシリーニは、住み込みでこの壮大な屋敷の改修を手伝うことになった。館の主エイドリアンは、扱いにくい人だというが、こんなすてきな屋敷に住めるのならそんなことはかまわない。だが、その夜、眠れないままにベッドを抜け出した彼女は男性の声に思わず立ちすくんだ。「暑くて眠れないのか?」幻かとみまがうほどハンサムな男性が、じっとこちらを見ている。なんてすてきな男性。だけど、なぜあんなに悲しそうなの?シリーニはなぜか胸騒ぎを覚え、その場に立ち尽くした。
エイダンは、弟ケビンがコリーナとの婚約を一方的に破棄したと知り、不実な弟にすさまじい怒りを覚えると同時に、ひそかな喜びを感じずにはいられなかった。コリーナは、彼のテレビ局で放映している料理番組の司会者だ。友人として、以前エイダンはコリーナを家に連れていったのだが、プレイボーイの弟が彼女を気に入り、二人は交際を始めた。人知れずコリーナに欲望を感じていたエイダンは、彼女を弟に引き合わせたことを後悔していた。そして今、ついに彼女を自分のものにするチャンスが到来したのだ。慎重かつ確実に、コリーナを誘惑しよう。エイダンはさっそく行動に出た。
『恋の冷めない距離』-真面目で、平凡。間違っても大声で怒鳴ったりしない男性。それがアンジーの理想とする夫だ。都会の生活で傷つき、数年ぶりに地元に戻ったアンジーは、意外なところで夫候補を見つけたー幼なじみのブレットだ。恋に落ちるなんてばかげてる。親友が夫なんて最高じゃない?『孤島で愛して』-ダニーがハワイの孤島に隠遁して四年が過ぎた。愛息の誘拐、妻の死…いまだ、心の傷は完全に癒えていない。ある朝、ダニーはビーチで倒れている女性を発見した。幸運にも、大きな怪我はないらしい。ほっとしたのもつかのま、彼女が言った。「私…自分が誰なのかわからないわ!」。
『不機嫌なドクター』-ふとした事故が元で、もうメスを握ることができない医師ージェレド・グレンジャー。彼の患者としての評判は悪い。担当の療法士が三人も首になった後、ブルックに白羽の矢が立った。プロとして、そして何よりも、恋愛で傷ついた過去を持つ女として、この危険な男性と深い関係を築いてはならないとわかっていた。しかし彼女は、通院を嫌うジェレドに在宅治療を提案してしまう。彼の張り巡らした欲望の巣に自ら飛び込むことが狂気と知りながら。『ドクターの危険な口実』-広報部長のミシェルは、会議に遅刻してきた男性と対峙した。病院中で噂のプレイボーイ、ドクター・ニック・ケンプナー。彼のセクシーでいたずらな視線に、ミシェルは動揺したが、下心があって口のうまいドクターに騙されるつもりはなかった。だがある日、彼女は過労で倒れてニックの診察を受けることになり、彼の出した処方箋のせいで、心の動揺は頂点に達した。「君はしばらく休息をとる必要がある…ぼくの別荘で」。
カレンは、ヒマラヤ山中に建設中のホテルの現場監督を務めていた。悪魔に呪われていると噂される山を相手に工事は困難続き。毎日疲労困憊して眠りに落ちる彼女には、夜の闇にまぎれて訪れて情熱的に愛を交わす、夢とも幻の存在ともつかぬ謎めいた恋人がいる。しかし彼については名前も顔も知らず、わかるのはその野性的な香りと情熱的な愛撫の数々だけ。そんなある日、現場の崩落に巻き込まれたカレンを、ウォーロードと呼ばれる男性が救い出す。彼は略奪をなりわいとする無法者の集団のリーダーにして、狼人間だとも噂される人物で…。『闇の勇者たち』シリーズ第三弾。
成功も失敗も、名声も罵声も、すべては「選択」と「決断」の結果である。ネクタイは何色にするか、メールを書くのが先か打ち合わせが先か、上司と飲むのか恋人と食事か…。選択の種類に関わらず、人生に必ず影響を与える「意思決定」。その本質と捉え方をまとめた実践解説。
甘く秘めやかな空の旅が、彼女を恋の迷宮へ誘った。ライナは許婚のシーク、ダールが訪ねてきたのに驚いた。婚約は二人の父同士が決めたものであり、自立してアメリカで暮らす今、ライナには彼と結婚する気などまるでなかった。十年以上も会わなかったのに、なぜ今ごろ?聞けばダールは、ライナの父が病で伏せっているため、彼女を母国へ連れて帰るという。目的は本当にそれだけかしら?探るようなまなざしでダールを見つめたとたん、熱いおののきがライナの全身を走った。
父が亡くなった夜、悲しみにたえきれなくなり、アビーは幼なじみのキャッシュと夜をともにして妊娠する。あの夜のことを決して後悔はしていないけれど、いったい彼になんて言えばいいの?思いあぐねるうち、身ごもったことをキャッシュに知られてしまい、彼は思いがけないプロポーズの言葉を口にするが…(『九カ月の約束』)。“二年以内に結婚して子供を産まなければ、牧場は相続させない”父の遺言に従い、牧場を守るため、メギーはある男性を訪ねた。ネイト・ブラボーーこれまでに私が愛した、ただ一人の男性だ。十九歳の夏、愛を打ち明けたメギーを、彼は頑なに拒絶した。だが、今、父の遺産を守るためには、夫と子供が必要だ。苦い思い出を振り払い、彼女は口にした。結婚してほしい、と(『永遠はお嫌い?』)。