ファドとは思えぬ(?)さらりとした歌い口。むしろガリシアン・ケルトの歌手みたいだ。まさにそうした点が、広範な人気を獲得した所以では。サンバの(1)、ショーロ(8)のほか、ジョニ・ミッチェル作の(5)を英語で歌い、かつ無理なく聴かせるあたりに持ち味が。
2004年に結成10周年アニヴァーサリーを迎えたLa'cryma Christiの、2005年第1弾シングル。タイトル曲は印象的なメロディと、キャッチーさが心地好いロック・バラード。前シングル「Hot Rod Circuit」のPVも収録。
ティーレマンのミュンヘン・フィルの音楽監督就任披露演奏会のライヴ。このオケならではの温もりのある音色とスケール感をフル活用して、どっしりとした安定感のある大らかな佳演を聴かせている。このコンビの明るい将来を予感させる幸先の良い一枚。★
結成10周年を記念した3枚のシングル曲を含む、通算6枚目のフル・アルバム。彼ららしいドラマティックでキャッチーなハード・ロックが満載。2005年3月のKOJI脱退を経てのリリースとなる。
クリスティアン・ティーレマン指揮とフィルハーモニア管弦楽団の共演によるベートーヴェン交響曲第5番「運命」・第7番。ダイナミックにテンポを動かし、オケの鳴りを限界まで追い込む手腕はティーレマンならでは。
大言壮語や誇大妄想の代表みたいな曲だけれど、ラトルの手にかかると様相が一変。もちろんこの編成ならではの迫力にも事欠かぬが、それよりこの曲にこんな繊細で美しい場面があったのかと気付かせることの方が多い。これでラトルのマーラー全集が完結。
映画音楽やミュージカルなども含めて、誰もが楽しく聴けるアルバム構成になっている。編曲もまずまずで、チェロとヴァイオリンの魅力をよく引き出しているし、なによりも彼女たちが、豊かな表情を(曲によっては思いっきり)つけてたっぷりとうたっている。
レクイエムには命の炎が尽きる前のモーツァルトが抱いた慄きが影を落としている。アーノンクールは大胆なリズムで音楽を明快に紐解きながらも死への怖れを振幅の大きな表現で抉り出す。古典的明晰さとロマンティックな表情を併せ持つ傑出した演奏である。★
2004年発売のカイルのリーダー2作目の日本盤。エレクトリックとウッドを操りながら、ムーディなストレート・ジャズとライトなファンク路線を行き来する、軽快なつくり。父クリントの映画音楽を手掛けた経験が、彼の音楽に叙情性とストーリーを与えている。