今月の21日、アンドーヴァを警戒されたしーポアロのもとに送られてきた挑戦状の予告どおり、殺人は起こった。煙草屋を営むアッシャーという、Aの頭文字の老婆が撲殺されたのだ。つづいて第2、第3の挑戦状が届き、ベクスヒルでBの頭文字の娘が、チャーストンでCの頭文字の初老の紳士が、殺された。しかも、現場には必ずABC鉄道案内が残されていた。アルファベット順に殺人を繰り返す犯人の意図は何か?また、鉄道案内の意味するものは?ポアロは懸命に、犯人の心の輪郭をつかもうとするが…ミステリの女王全盛期の代表作。
つぎつぎおこる恐ろしい事件、君には、この謎がとけるか?!
「ミステリーの女王」珠玉の作品6編を収録。世界を舞台に活躍するポアロミステリー・ファン待望の大全集!
幸福な少女時代、最初の結婚、謎に包まれた失踪事件など、波瀾に満ちた前半生を、数々の未公開資料を駆使して描き出す、初の本格的クリスティー伝!
エルキュール・ポアロのように頭脳明晰で、ミス・マープルのように奥ゆかしく、トミーとタペンスのようにユーモア感覚にあふれ、ハーリ・クィンのようにミステリアスな作家、アガサ・クリスティー。その人となりはどのような環境のもとでつちかわれたのか。また、全世界で愛読され続けているその作品は、どのような契機から生まれ、どんな過程を経て成立したのか。クリスティー自身は語ることのなかった創作の秘密をさぐるとともに、謎に包まれたその生涯を興味深く再現するクリスティー伝記の決定版。
本書は、「面」、「外形」、「空間」、「環境」、「機能」、「光」、「材料」の7章で構成。特に「面」構成でのドアを取りつけた壁面の様々な表現方法や「空間」構成の中での部屋の仕切り方による視線の方向、また「光」の章での自然光の取りいれ方のバリエーションなどを説得力のあるイラストで説明しています。今年新設される「インテリアプランナー」資格試験を前に、インテリアデザインを建築の観点からとらえた本書は格好の参考書です。
本書『惨劇の館』は、1932年にかかれました。登場人物のすべてがけっして奇をてらわないふつうの、しかしどれも魅力的な人間であり、しかもそこに手のこんだトリックがからんでくるという意味で、クリスティ女史の作風がよくあらわれている作品です。
クリスティーヌはいわしがきらいです。お母さんが言っても、お父さんが言っても食べたくないのです。泣いてばかりいるクリスティーヌ。でも涙でぬれたお皿の上から声がして-。好ききらいのある子どもの感情を、フランス人一流のウイットにつつんで語りかけた美しいスケッチです。原文の韻をも充分に生かしながら、現代フランスのナイーブな感性を初邦訳した作品です。