ミステリ史に残る数々の名作・傑作を発表し、現代の作家にも大きな影響を与えたクリスティー。このミステリの女王の功績を讃えるため、ピーター・ラヴゼイ、ポーラ・ゴズリングら英国推理作家協会の実力派13人が結集して、彼女が活躍したミステリ黄金時代を舞台に短篇を書き下ろしました。古き良き英国探偵小説の楽しさに満ち溢れたクラシカルな短篇集です。
〈かべにプリンをうちつける〉とは、ぜったい不可能なこと、という意味。環境問題に目ざめた少女が、友だちと一緒に身近な環境破壊に立ちむかっていく。厚いかべにぶつかって傷つきながらも、あきらめず、一歩一歩進んでいく成長のプロセスを、明るくコミカルに描く。
本書は有機化学の短い入門コース用に企画されたものである。本書のレベルと範囲は、有機化学の専門的な知識というよりもむしろ一般的な知識を必要としている学生、たとえば農学や家政学、生物学、ヘルスサイエンスのような分野の学生の要求と興味に合わせてある。
ジャックは、ゴルフのクラブを握りなおしてかまえると、おもいきりふりかざしました。そのとき、夏の早朝のしずけさを破って、女の悲鳴がきこえてきました-「人殺し!人殺し!助けて!」クラブをほうって、声のするほうに走りだすと、一軒のいなか家の庭に、若い娘がいました。でも、悲鳴はきいていないといいます。気のせいだったのでしょうか?ところが翌日、ジャックはまた同じ悲鳴をきいてしまったのです…。表題作のほかに、奇怪な事件のうらにかくされた人間の心理を描く「SOS」「ラジオ」の二篇の怪奇ミステリーを収録。
ある朝、若いアーサー卿は、すべての記憶を失って、まるで夢遊病者のように村をさまよっていました。高名なカーステアズ医師が診察しましたが、原因はわかりません。さらにカーステアズ医師は、庭で灰色の猫を見かけ、その鳴き声も耳にしたのですが、猫の話をもちだすと、誰もが口をつぐんでしまいます。深夜にアーサー卿の継母の部屋から、恐ろしい悲鳴と猫のうなり声がひびいてきたのは、それからまもなくのことでした…。表題作のほかに、超自然現象がもたらす悲劇を描いた「さいごの降霊会」「ランプ」「ジプシー」の幻想・怪奇小説を収録。