大晦日の夜、度重なる誘惑に負けて、検事補のダニエルと一夜を共にしたアリーシャ。彼女が公選弁護人を務める被告の裁判も順調に進み、意気揚々としていたアリーシャの耳に、とんでもない噂が飛びこんだ。彼が裁判の担当検事に就任した、ですって?(『氷のプレイボーイ』)。スーザンは十数年ぶりにダブル・クラウン牧場を訪れた。すさんだ十代を過ごした彼女にとって、ここは第二の故郷なのだ。牧場内で忙しく働く一人の男性を見かけて、スーザンは驚いた。イーサンなの?彼と目が合ったとたん、熱い火花が散った。いいえ、だめよ。私はもう、あのころの私じゃないわ(『いとしき悪女』)。刻一刻と死へ近づきつつあるライアン。フォーチュン家を脅かすジェイソンの影。衝撃のクライマックス。
『不機嫌なドクター』-ふとした事故が元で、もうメスを握ることができない医師ージェレド・グレンジャー。彼の患者としての評判は悪い。担当の療法士が三人も首になった後、ブルックに白羽の矢が立った。プロとして、そして何よりも、恋愛で傷ついた過去を持つ女として、この危険な男性と深い関係を築いてはならないとわかっていた。しかし彼女は、通院を嫌うジェレドに在宅治療を提案してしまう。彼の張り巡らした欲望の巣に自ら飛び込むことが狂気と知りながら。『ドクターの危険な口実』-広報部長のミシェルは、会議に遅刻してきた男性と対峙した。病院中で噂のプレイボーイ、ドクター・ニック・ケンプナー。彼のセクシーでいたずらな視線に、ミシェルは動揺したが、下心があって口のうまいドクターに騙されるつもりはなかった。だがある日、彼女は過労で倒れてニックの診察を受けることになり、彼の出した処方箋のせいで、心の動揺は頂点に達した。「君はしばらく休息をとる必要がある…ぼくの別荘で」。
甘く秘めやかな空の旅が、彼女を恋の迷宮へ誘った。ライナは許婚のシーク、ダールが訪ねてきたのに驚いた。婚約は二人の父同士が決めたものであり、自立してアメリカで暮らす今、ライナには彼と結婚する気などまるでなかった。十年以上も会わなかったのに、なぜ今ごろ?聞けばダールは、ライナの父が病で伏せっているため、彼女を母国へ連れて帰るという。目的は本当にそれだけかしら?探るようなまなざしでダールを見つめたとたん、熱いおののきがライナの全身を走った。
あなたがいてくれてほんとうによかった。これまで過ごしてきた日々、これから一緒に過ごす未来、その全てが宝物ー。
ルネ・マルシャンは故郷のニューオリンズに戻ってきた。仕事のパートナーで、恋人でもあったピート・トレイナーが、突然プロジェクトを降り、行方をくらましてしまったからだ。彼女は責任を問われて仕事を辞め、愛も失った。いったいなぜ、彼はいなくなってしまったの?二人で過ごした幸せな日々の思い出を忘れられないまま、家族で経営する“ホテル・マルシャン”の仕事に没頭するルネの前に、突然ピートが現れたのはただの偶然だろうか。仕事で来たという彼は、しばらくホテルに滞在することになった。ルネの心は開いた古傷に疼くが、胸のざわめきはやまず…。
子爵令嬢で資産があり、スキャンダルとは無縁。そんな完璧な花嫁の条件を満たしているのに、作家志望のエイヴィスには結婚に対する興味がない。しかし、男と女のあいだになにが起きるのかを知りたくてたまらず、作品に深みを与えるためという口実で愛人をつくることにした。彼女が選んだ相手は売れない作家のエモリーだ。エモリーが過去に起こしたいまわしい事件を知っている伯爵のバニングは、彼のかわりに自分を愛人にするようエイヴィスに提案する。だが、八年前のある出来事が、バニングとエイヴィスのあいだに横たわっていて…。
マディソンは政治家のイメージアップをはかるコンサルタント。今回のクライアントは、砂漠の王国バジュールの王子ザインだ。国民たちはプレイボーイ王子に冷ややかだが、戴冠式までの1カ月で彼こそ国王の器だと納得させなければならない。だが、マディソンはザインがそばにいると落ち着かず、仕事に集中できずにいた。ハリウッドスターと見まがうほどの完璧な容貌、自身に満ちた態度。しかも、女性には不自由していないくせに、彼は露骨に誘いをかけてくる。「その年まで誰かに激しく焦がれたこともないんだろう?」見え透いた挑発にのり、自らザインに熱いキスをした瞬間…!?
ドリアナの国王マルクに会えると思うと心が躍る。ケイトとマルクは大学の同窓生。当時ひそかに憧れていたものの、女性ならよりどりみどりのプリンスが、地味なケイトに関心を持つことはなかった。でももしかしたら、彼は私を覚えているかもしれない…。そんな期待もむなしく、宮殿で再会したマルク王は、まるで無関心なまなざしを投げかけただけだった。そんなある日、宮殿の前に赤ん坊が捨てられる。ケイトはその世話役をかって出たことから、不本意にも国王の新しい愛人というレッテルを貼られてしまう。
マイサは15年ぶりにかつての恋人を再会し胸を締めつけられた。砂漠の国バジュールの王、ラフィーク・メヘディ。以前にもまして彼は圧倒的なオーラを放っていた。15年前、二人はバジュールの掟により引き裂かれた。ラフィークが前国王の決めた相手と婚約するや、会うことを禁じられ、マイサは30歳も年上の男性との結婚を余儀なくされた。やがて夫の暴力に耐えかね離婚。ラフィークも半年前、王妃を喪った。けれどバジュールの因習が存在する限り、彼の花嫁には決してなれない。どんなに彼を想っても、幸せな未来は永遠にこないのだ。マイサの悲惨な結婚生活など知るよしもないラフィークは、元夫への嫉妬もあらわに彼女の唇を奪うが…?!砂漠の王国バジュールが舞台の『幻のシークと無垢な愛人』の関連作。前作ヒーロー、ザインの兄ラフィークがヒロインとの愛を再燃させるが、古い因習に恋路を阻まれ…?
ダイヤモンドをちりばめたような夜空の下、サックスの音色がミランダの体を恋人の指先のように愛撫する。ミランダは目を閉じ、なまめかしい空想に身をまかせた。どこからともなくセクシーな恋人が姿を現す、完璧な設定だわ…。数時間後、彼女は見知らぬサックス奏者とベッドの中にいた。普段のミランダなら即座に断ったはずの誘いだったが、まさに完璧な彼の魅力に、抗うすべがなかったのだ。お堅い看護師の姿に戻り、新しい職場での初日を迎えた翌朝。担当医として彼女の前に現れたのは、昨夜の謎めいた男性だった。
長い間、平和な時代が続いていた、人間たちの世界“アゼロス”。しかし、故郷を追われ、新しい住処を求めていたオークたちは、アゼロスを侵略し始める。人間たちはアゼロスを守るため、オークとの全面戦争を決意する。しかし、アゼロスの騎士ローサーは、人間とオークのハーフであるガローナと協力し、和平を試みる。一方、人間との戦いに疑問を持っている一人のオーク、デュロタンも争いを避け、一族を守るために、人間と手を結ぶことを決断するのだが…果たして、この壮絶な戦いの先に待つ結末とは?
父が莫大な負債を残して急逝したため、エマは夢をあきらめ、メイドとして働きながらこつこつ返済している。ロンドンの高級住宅街にある屋敷でのパーティに派遣された夜、ずっと音信不通だった最愛の男性の姿を目にし、彼女は息をのんだーああ、あれはレッドミンスター伯爵ジャック・ウエストウッド!6年前に渡米し、今や世界的企業の社長となった彼が、なぜここに?激しく動揺したエマは派手な失態を演じてしまい、烈火のごとく怒った屋敷の主人に乱暴されそうになる。すると、突然ジャックが現れ、威嚇するように言い放った。「僕の妻に、手を出さないでくれないか」
ソリティアは病母と学生の妹を抱え、亡き父の店を切り盛りしている。ある日、家賃が引き上げられると知り、彼女は愕然とする。店の2階に住んでいるため、家賃を払えなくなるということは、家族もろとも路頭に迷うことを意味していた。ソリティアはロンドンの一等地に立つ不動産会社へ向かうと、世界を股にかけて活躍する大富豪実業家のゼイビアを前に、どうか値上げをもう少し待ってくださいと必死に訴えたーお宅の掃除でも、オフィスのお茶くみでも、なんでもしますから、と。だが非情にも、ゼイビアはすべて間に合っていると一蹴したあと、なおも懇願する彼女に言い放った。「今僕が必要としてるのは、妻だ」
名探偵ポワロのところに、ABCと名のる人物から犯罪を予告する手紙が送られてきた。そして、予告された日、Aではじまる町でAではじまる名をもつ老婦人が殺され、死体のそばにABC鉄道案内がおかれていた。つづいて、Bの殺人を予告する手紙が…。