〈小さな灰色の脳細胞〉を駆使して難事件を解決するベルギー人名探偵エルキュール=ポワロ。幽霊のように突然あらわれて恋人たちの危機を救う謎の探偵ハーリー=クィン。悩みをもつ人びとを統計にもとづいた計画で助ける不幸専門の私立探偵パーカー=パイン。ミステリーの女王アガサ=クリスティの短編6編を探偵別にあつめたユニークなアンソロジー。
世界一の名探偵ポアロは大富豪のルノーから依頼を受け、フランスに旅立った。しかしルノーはすでに殺され、近所のゴルフ場に埋められていた!そこへパリの名刑事ジローが現れる。彼の活躍で事件は解決。ポアロの出る幕はない。と思ったら、第二の殺人が!二つの事件に関係はあるのか?犯人はなぜ目立つ場所に死体を埋めたのか?ポアロの推理が冴えわたる。小学校高学年、中学生〜。
アンカテル卿の午餐に招かれたポアロは、少なからず不快になった。邸のプールの端で一人の男が血を流し、傍らにピストルを手にした女が虚ろな表情で立っていたのだ。が、それは風変わりな歓迎の芝居でもゲームでもなく、本物の殺人事件だった!恋愛心理の奥底に踏み込みながら、ポアロは創造的な犯人に挑む。
深夜の電話に駆けつけたシェパード医師が見たのは、村の名士アクロイド氏の変わり果てた姿。容疑者である氏の甥が行方をくらませ、事件は早くも迷宮入りの様相を呈し始めた。だが、村に越してきた変人が名探偵ポアロと判明し、局面は新たな展開を…驚愕の真相でミステリ界に大きな波紋を投じた名作が新訳で登場。
「あなたは幸せですか?幸福でないかたはパーカー・パインにご相談ください」そんな奇妙な新聞広告を見てオフィスを訪れる、夫の浮気を疑う妻や、退屈した退役軍人の悩みを、パーカー・パインはいっぷう変わった方法で解決する。さらにオリエントへの旅では、各地で遭遇した事件の犯人を見事看破していく。異色の経歴の名探偵が活躍する短編14編を収めた作品集、新訳決定版。
豪雪で立ち往生してしまったオリエント急行の車内で、殺人事件が起こる。殺されたのは、アメリカを震撼させた幼児誘拐殺人事件の容疑者として悪名高い男だった。偶然乗り合わせたエルキュール・ポアロが捜査に乗り出す。しかし乗客たちには全員アリバイがあり、目撃証言に出てきた謎の人物も特定できない。卓抜なトリックと意外な結末で全世界のミステリーファンをうならせた、アガサ・クリスティーの代表的傑作。
おしゃれで、潔癖で、自負心が強く、小柄な体格で風変わりなベルギー人が、“灰色の脳細胞”を駆使して、次々と難事件を解決する…いまや世界に知らぬ人のない名探偵エルキュール・ポアロが、よき相棒のヘイスティングズとともに14の謎に挑む!ミステリ史上屈指の名コンビが活躍する最初の短篇集。新訳で登場。
兄が経営する賭博クラブで経理を担当しているヘレナは、残酷な養い親であったディゴリーのもとを逃れて以来、兄から与えられた無数のルールとともに生きてきた。ルールのひとつに堕落した貴族を避けるというものがあるが、クラブの居住区にある自室の鍵をかけ忘れたことで酔った貴族に部屋に入られてしまい、それを知った兄はヘレナをクラブから追放すると決めた。追放された彼女の行き先は、ウィルキンソン公爵の屋敷だ。ヘレナは公爵の非嫡出子で、彼のもとで社交シーズンを送りながら結婚相手を見つけなければならなくなり…。
優しい夫、よき子供に恵まれ、女は理想の家庭を築き上げたことに満ち足りていた。が、娘の病気見舞いを終えてバグダッドからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる…女の愛の迷いを冷たく見据え、繊細かつ流麗に描いたロマンチック・サスペンス。
大富豪ゴードン・クロードが戦時中に死亡し、莫大な財産は若き未亡人が相続した。戦後、後ろ盾としてのゴードンを失つた弁護士や医師らクロード家の人々は、まとまった金の必要に迫られ窮地に立たされていた。“あの未亡人さえいなければ”一族の思いが憎しみへと変わった時…戦争が生んだ心の闇をポアロが暴く。
残忍な殺人は平穏な海辺の館で起こった。殺されたのは金持ちの老婦人。金目的の犯行かと思われたが、それは恐るべき殺人計画の序章にすぎなかったー人の命を奪う魔の瞬間“ゼロ時間”に向けて、着々と進められてゆく綿密で用意周到な計画とは?ミステリの常識を覆したと評価の高い画期的な野心作を新訳で贈る。
植民地帰りの元警官ルークは、列車内でたまたま同席した老婦人から奇妙な話を聞いた。彼女の住む村で密かに殺人が行なわれている、彼女はその犯人を突き止めたので警視庁に訴えに行くという。くだらぬ妄想だと聞き流したルークだったが、翌日の朝刊をみて愕然とした。その老婦人が車に轢き殺されたというのだ…。
ロンドン発の列車の座席でふと目をさましたミセス・マギリカディは窓から見えた風景に、あっと驚いた。並んで走る別の列車の中で、いままさに背中を見せた男が女を締め殺すところだったのだ…鉄道当局も、警察も本気にはしなかったが、好奇心旺盛なミス・マープルだけは別だった!シリーズ代表作、新訳で登場。
雪に覆われ、下界と遮断されたシタフォード村の山荘。そこに集まった隣人たちが退屈しのぎに降霊会を試みる。そこへ現われた霊魂は、はるかふもとの村に住む老大佐の殺害を予言した!駆けつけると、大佐は撲殺されており、しかも殺害時刻はまさにあの降霊会の最中だったのだ…絶妙のトリックが冴える会心作。
自宅で殺されたエッジウェア卿の妻は、美貌の舞台女優ジェーン・ウィルキンスンだった。彼女は夫との離婚を望んでおり、事件当夜屋敷で姿を目撃された有力な容疑者だった。しかし、その時刻に彼女はある晩餐会に出席し、鉄壁のアリバイがあった…数多の事件の中でももっとも手ごわい敵に立ち向かう名探偵ポアロ。
婚約中のロディーとエリノアの前に現われた薔薇のごときメアリイ。彼女の出現でロディーが心変わりをし、婚約は解消された。激しい憎悪がエリノアの心に湧き上がり、やがて彼女の作った食事を食べたメアリイが死んだ。犯人は私ではない!エリノアは否定するが…嫉妬に揺れる女心をポアロの調査が解き明かす。