1926年12月3日、『アクロイド殺し』などで注目を集める気鋭の作家アガサ・クリスティーが失踪した。ときにアガサ、36歳。最愛の母親を亡くし、夫のアーチーは年若い下流階級の娘ナンと愛人関係にあって、ひどく落ち込んでいたという。そして失踪当日の朝、離婚を切り出した夫と大喧嘩をしたアガサは、夫と幼い娘テディの乳母に手紙を残して、煙のように姿を消した。捜索には延べ数千人の警官が動員されたが、アガサは一向に見つらず、夫による殺害と遺体遺棄まで疑われたー11日後、ホテル滞在中に発見されるまでは。一方、アガサからアーチーを略奪したナンは、ある秘密を抱えていた…不可解な失踪のあいだ、アガサとナンに何が起こったのか?世界で最も有名ナミステリ作家の実際の失踪事件をもとに描かれた衝撃のサスペンス。
慈善家の老婦人が殺され、評判の悪い養子のジャッコが逮捕された。彼はアリバイを主張したものの有罪となり、獄中で死んだ。それから二年後、外国から帰ってきた男が、ジャッコの冤罪を告げに遺族の住む屋敷を訪れた。が、その来訪は遺族にとって迷惑だった。落着したはずの事件が蒸し返されることになったのだ。
一流のエリートほど、なぜ、不機嫌にならないのか?ビジネスに効く!人間関係も良くなる!社内「処世術」の秘訣、礼節メールの極意、危険人物の見抜き方、怒りを鎮めるコツー「職場の無礼さ」の研究、20年の集大成!全米で話題「礼節の科学」、日本初上陸!
ねじれた家に住む心のねじれた老人が毒殺された。根性の曲がった家族と巨額の財産を遺して。状況は内部の者の犯行を示唆し、若い後妻、金に窮していた長男などが互いに疑心暗鬼の目を向け合う。そんな中、恐るべき第二の事件が…マザー・グースを巧みに組み入れ、独特の不気味さを醸し出す女史十八番の童謡殺人。
雪に閉ざされたゲストハウスに電話が入った。ロンドンで起きた殺人事件の関係で警察が向かっているという。やがて刑事がやってきて…マザー・グースの調べにのって起こる連続殺人劇、戯曲「ねずみとり」の原作をはじめ、ポアロ、ミス・マープル、クィンら、名探偵たちの推理がきらめく珠玉の短篇集が新訳で登場。
アガサ・クリスティーは多くの傑作ミステリを書くかたわら、一冊の小さな宝石のような本を残しました。聖書に題材をとった物語と詩を集めたクリスマスブックです。人間の心理についての鋭い観察力と卓越したストーリーテリングが作り上げた小宇宙は、ミステリに劣らぬ驚きと優しいさわやかな感動に満ちています。
睡眠薬の飲み過ぎで死んだフェラーズ夫人。自殺なのかそれとも?続いて村の名士アクロイド氏が刺殺された。犯人の正体は?シェパード医師が事件とその捜査状況を克明に記録しようとしたが…。ミステリの女王アガサ・クリスティの代表作で、その独創的なトリックにより、世界の推理小説中五指に入る古典的傑作。トリックをめぐる論争が現在に至るも尽きることのない問題作。
深い霧がたちこめ、霧笛が響く夜。庭を見わたすフランス窓の前で、車椅子に座った館の当主が射殺されていた。そのかたわらには、拳銃を握ったままの若い妻が立ちつくしている。車の故障でたまたま立ち寄った男は、美しい妻のために一計を案ずるが…スリリングな展開と意外な結末が待ちかまえる傑作ミステリ戯曲。
転地療養のため西インド諸島を訪れたマープル。一週間は何事もなく穏やかに過ぎていった。しかし、まもなく彼女を相手に懐古談をしていた少佐が死体となって発見される。以前から少佐は何かを憂いていたようなのだが、いったい何が起こったというのか?美しい風景を舞台に老嬢ミス・マープルが事件の謎に挑む。
高名な科学者エイモリー卿の邸宅の金庫から極秘書類が盗まれた。卿は名探偵エルキュール・ポアロを呼び寄せる一方で、邸内にいた容疑者全員を集め、書類の返却を迫る。だが…劇作家としても高い評価を得ているクリスティーが、初めて手掛けたオリジナル戯曲「ブラック・コーヒー」と、幻の傑作「評決」を収録。
だって彼は殺されたんでしょ?-アバネシー家の当主リチャードの葬儀が終わり、その遺言公開の席上、末の妹のコーラが無邪気に口にした言葉。すべてはこの一言から始まった。翌日、コーラが死体で発見される。要請を受けて事件解決に乗り出したポアロが、一族の葛藤のなかに見たものとは。衝撃の傑作、新訳で登場。
窓にうつる幽霊の影が目撃したもの。事件当日にメイドが大空に見た不吉な徴候。カジノのルーレット係が見せた奇怪な振る舞い。一枚の絵が語る自殺の真相ー事件の陰にドラマあり。神秘の探偵ハーリ・クィン氏と、人生の観察者サタースウェイト氏の名コンビ登場!幻想味あふれる珠玉の連作短篇12篇、新訳決定版。
クリスティーの死後、新聞や雑誌等に掲載されたきりで、ファンの間でのみ囁やかれてきた幻の作品群を発掘。表題作であるマン島の観光客誘致のために書かれた宝探し懸賞小説や、謎の失踪事件の直前に書かれた小説、ポアロやクィンの謎解きミステリ、心理サスペンス、ホラー、ロマンスなど、バラエティに富んだ拾遺集。
フェラーズ夫人が睡眠薬の多量服用によって謎の死を遂げた。医師のジェイムズ・シェパードは、村の名士ロジャー・アクロイドから屋敷に招待され、夫人と再婚予定だったこと、彼女が何者かにゆすられていたことを聞く。そこに夫人からの手紙が届いた。帰宅したシェパードがロジャーが殺されたとの電話を受けて駆けつけると、彼は刺殺され手紙は消えていた。ロジャーの姪フローラは、シェパードの奇妙な隣人ーエルキュール・ポアロに助けを求める。シェパードを助手役にポアロがたどり着く驚愕の真相でミステリー界に大きな波紋を呼んだアガサ・クリスティーの代表作。
嫌われ者の老退役大佐が殺された。しかも現場が村の牧師館の書斎だったから、ふだんは静かなセント・メアリー・ミード村は大騒ぎ。やがて若い画家が自首し、誰もが事件は解決と思った…だが、鋭い観察力と深い洞察力を持った老婦人、ミス・マープルだけは別だった!ミス・マープルの長篇初登場作を最新訳で贈る。
動くのは左足だけ!脳性麻痺障害の苦悩、恨み、絶望を越えて、一人の芸術家が誕生するまでを綴った稀有な自叙伝。1989年度アカデミー賞をはじめ全米映画批評家協会賞、全英映画批評家協会賞など各賞を受賞した感動の映画「マイ・レフトフット」の原作。
“苦悩の芸術家”クリスティ・ブラウン(1932-1981)は、アイルランドのダブリンに生まれた。父親は煉瓦職人で、夫婦の間には22人の子供が生まれ、クリスティは10番目の子供だったが、生まれた時から重度の悩性麻痺に冒され、医師からは「植物同然にしか生きられない」と宣告される。だが彼は、周囲の助けと並々ならぬ努力とで障害を克服、かろうじて動く左足を使って絵や文章をかく。そして、その過酷な半生を綴った本書が出版されたのが彼が22歳の時であった。本書は人々の熱い感動を呼び、ベストセラーになって彼は一躍有名人となる。20代に知り合った看護婦メリーと交際13年の末結婚、幸せな家庭生活を送っていたが、1981年、突然の心臓発作で倒れ、49年間のその壮絶なる生涯を閉じた。圧倒的感動を呼ぶある障害者の記録。
注意することだーポアロのもとに届けられた挑戦状。その予告通り、Aで始まる地名の町で、Aの頭文字の老婆が殺された。現場には不気味にABC鉄道案内が残されていた。まもなく第二、第三の挑戦状が届き、Bの地でBの頭文字の娘が、Cの地でCの頭文字の紳士が殺され…。新訳でおくる著者全盛期の代表作。